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無事ガレージの危機を乗り越えた晴達に栗栖の次

の手が迫る……


鎧男(佐藤)「ひぃ!人使いがまったく荒らいっ

たらありゃしない……ソレとこの鎧、着てるだけ

で息が詰まっちまう……」

佐々木「おら!早くしねーか!奴らが来ちまう前

に支度しなきゃ盛り上がらねーだろが!逃げ道は

少ねぇ、此処を必ず通る筈と栗栖が言っていた、

少なくとも20体には仕掛けをしようぜ、しかし

重いぜ」


佐藤「だがコレって指示とは違うよな、お前のア

レンジか?何か気が引けるぜ……いくらゾンビっ

て言ってもよ……」

佐々木「人じゃねーんだよ、もう、人間じゃねー

んだからよ、それにこの方が盛り上がるってもん

だろうが!ククッ……こんなのが出てきたらアイ

ツらビビリまくるぜ?」


恍惚な表情を浮かべる佐々木だった。

「ゾクゾクするじゃねーか!」

佐藤こいつイカれてんな

「……あぁそうだな、これで最後か、あーしんど」

佐々木「栗栖も後から来るってよ、珍しく手伝い

にだ、何か間近で見たいんだってよ、アイツらの

事をよ」

佐藤「栗栖がか?本当に珍しいな、アイツ強えー

クセに兄貴を真似てか指示ばっかりで手を汚さねぇ

奴だからな、兄貴とは出来が違うってのによ」


佐々木「血は繋がってねぇって話だ、お偉いさん

の隠し子って噂もある、親や兄貴に自分の存在を

認められたいんだろ、なんせハーフで日本に来る

前はかなりヤバい所に居たらしいぜ、銃の扱いに

慣れてるのもソレだからだろう、おら!サボって

ねーで刺せよ早く」

佐藤「あぁ、すまん、ほらよっと」


佐々木「……だがアイツには大義がねぇ、上の器

には成れねえ、兄貴のカリスマは本物としか言い

ようがねぇ、俺でさえ一目置いてるからな」

佐々木「いつか俺がアイツの上に立ってコキ使っ

てやるさ、まぁそれまでの辛抱だ」

佐藤「あぁ、期待しないで待ってるわ、おっと来

たぜ大将が」


栗栖がその場所へとやってきた。

栗栖「……おい誰がこんな指示をした?」

佐々木「あー俺の判断だ、この方が面白いだろ?」

栗栖「……気に入らないな」

佐々木は目を細め栗栖に睨みつけた、


佐々木「何が気に入らねぇってんだ?お前がやっ

てるのと何ら変わらんだろうが?あん、お前の兄

貴ならきっと俺の事を褒める筈だぜ?だろ?大体

な、前から言いたかったが、俺達はお前に付いて

んじゃねぇ勘違いするなよ、お前の兄貴に付いて

んだ」


栗栖「……そうか、じゃ俺はもう手を引くわ、後

はお前等の好きにしろ」

佐々木「ケッ怖気付いたのか?まぁ見てろって面

白いモン見せてやっからよ」

栗栖「……」

佐藤「おい!来たぜ!」

佐々木「おいでなすったか!」


ーー晴達ーー


ユキを背負い晴とハクを先頭に通路を走る、ハク

はリュックから取り出した板を削り、自転車のゴ

ムチューブで作った水中銃の様な物を正人等に渡

した、真っ直ぐな棒に塩ビパイプの円柱を取り付

け空洞の中に『かえし(あご)』の無い先の尖っ

た棒に紐を通した物を渡す。


【かえし】

【鯨漁などで使われるモリ。モリが肉の中に入っ

た時、釣り針の様に抜けないように細工した物】


ハク「この武器は三つしか無いんだけど、念の為

渡しとくね、かえしが付いてないから、鉄棒の尻

に付いてる紐を手繰り寄せれば何度でも使えるか

らイザとなったら使って」


武器を手に入れ意気揚々とする正人、時男は先行

して道案内しながら 晴達の先を走る。

「タッタッタッ」


晴「……」

時折見える脇道に目をやる晴が怪訝な表情を浮か

べた……。

晴「ハク、この通路怪しく無いか?」

ハク「そうだね……罠、だろうね」

狭い裏通りを駆け抜けるハクが見たのは並行して

作られている筈の道、それに繋がる脇道に不自然

に置かれたゴミや自転車、時男や正人達は逃げる

ので精一杯で気付かない様だが、慌て作った感、

高さ自体は高く無い、男なら余裕で越せる感が正

人等にとっては気付かない要因だ。


女性を抱え、後ろからゾンビに追われ、行き止ま

りの危険性もある通路に意識的に行かせないと言

う意図が垣間見える。


晴は左手の通路、ハクは右手の通路を打ち合わせ

た訳でも無いが息の合った連携を見せ確認し合っ

ていた。

晴「ユキ、もう走れるか?」

ユキ「あ……うん、多分大丈夫」

正人「此処を抜ければ大通りに出るぞ!」

時男「やほー!逃げ切れたぜ!、大通りを抜けれ

ば市街に出る!ゾンビ密集地獄から開放だ!」


しかし大通りに先に出た彼等が見た光景はーー

正人「……」

時男「……何だアレ」

其処には有り得ないモノが見えた……


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