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世紀末異星人侵略世界でスローライフ【解説付き】  作者: しおじろう
民家攻防戦
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昔話 3


コイツ(ハク)とも少し距離が縮まった感が出た、

俺は逸脱した彼の行動を知りたくて大柳と話をす

る事にした。


大柳は言いずらそうにしたが口の硬いで有名な俺

を信じて口を開いてくれた。


教室でバケツの水をかけられた時、大柳は酷くお

腹を壊していたらしい、下痢の為、限界に近い状

態で俺に腕を持たれた時には既にもう立つとヤバ

い状態だったらしく、保健室までは保たない状況

を恐らく察したハクは大野の鞄から香水を取り出

し、お漏らしした事を誤魔化してくれたのではな

いかと言う事だった。


ハクは先生にも理由を絶対に話さなかった。

そして昨日のような出来事は、他にもあった様だ。


クラスの仲間に絡もうとする六年生が現れた時、

大抵ハクは6年生にちょっかいを出していた。

晴(アイツ……身代わりのつもりか)


しかしその真意はクラスメートには伝わっていな

かった、上級生に喧嘩を売る『ヤバいヤツ』そう

認識していた、俺も見た、私も見た、という悪い

噂が噂を呼んでいたようだ、真意を話さないハク

を不思議にも思った晴だったが言葉より行動で示

すハクの行動は晴も嫌いではなかった。


ある日俺が通う空手道場に親に連れられて来たハ

クがいた、道場が同じ事もありハクとは話す機会

も増え、俺なりに段々コイツの事がわかってきた、

コイツはかなり優しい、それもとびっきりのヤツ

だ。


しかし学校では何故か俺には近寄らない、俺から

何時も話しかけるが道場とは違い、俺から避けて

る様にも感じた、こいつの性格からして巻き込む

のを避ける為だろうが俺はそんな事を気にしない、

俺はハクが気にったからだ。


しかし知りたいコイツの強さをーー


俺はワクワクした、遂に道場でコイツの強さを測

る絶好のチャンスが到来した、数週間は普通に練

習、そしていよいよ念願の組み手だ。


俺は手を上げハクとの対戦を申し込もうとしたが

ハクに先に手を上げられ、ハクのご指名は道場内

で中学生の中では一番強い仲君だ、俺も当然勝っ

た事はない、それも当然、小学生は小学生とやる

のが普通だからだ。


ハクは懇願した、何故そんなに仲君とやりたいの

だろう……『はっ!』実は強すぎて小学生とは話

にならないからか!と思った俺はハクと仲君の対

戦を食い入る様に見た。


道場には太い柱が一本立っている、そこが邪魔に

なるので試合は柱の無い場所で行われる。


師範「試合開始!」

睨み合う2人、しかし身長差もありやはり大人と子

供感が……この不利な状況をどう打破するんだ?


互いが様子を見る、仲君は防具もつけている事か

らどんな敵でも容赦はしないタイプだ。


師範が声をかける「ほら!手を出せ!お前ら」

先手を打ったのは仲君、飛び込む様にハクの顔面

に向かって正拳突を放つ、ハクはそれを避けもせ

ず、いやそもそも避けれ無かったのか、まともに

それを受け、小さい身体はすっ飛んでいった、


師範「一本!」

「大丈夫か?ハク、やはり仲とはまだ早いぞ、

お前……」

ハク「……三本勝負な筈ですよね」

師範「まぁそうだが……しかし心意気は認めよう、

だが次で終わりにしよう」

晴(当然か実力の差がありすぎる)

師範「よしラスト始め!」


仲君は先程 の感触から相手は格下と判断、相手

は小学生というのもあり、流石に手を抜いてくれ

た。


しかし……

ハク「練習になりません、本気でお願いします」

そういうハクに仲君も本気を出した、仲君は真面

目に空手に取り組んでいる、ハクの意気込みを感

じ手を抜く事はハクを侮辱すると思った様だ。


仲君はいい人だ。


するとハクは先程と違い、攻撃を避け出した、避

ける避ける、それは凄かった、ムキになる仲君で

あったがハクを捕らえる事は出来ずに時間が経つ、

そして1分が経ち、仲君の猛追がやがてハクを捕ら

えだした。


ハクは軽いせいもあり気持ちいいほどすっとんだ、

師範「なぜ攻撃しないハク!」

押し黙るも仲君の猛追の前に撃沈した。


それから次の週も次の週も乱取りになると自分よ

り格上の相手をするハク、俺も3週目にはハクより

早く先生に手を挙げ先にハクとの対戦を申し込ん

だ、毎回、先に手をあげようと狙ってはいたが、何

時も先にハクに手を上げられるからだ。


すまんハク、俺は君とやりたい(笑)こうして、よ

うやく対戦する事となった俺達2人だった。


試合は何時もと同じ様に進む、先に一度殴られる

のはハクの特徴か?という程何も動かないハク、

それは俺もわかっていた、二本目からが勝負だハ

ク!と、これも毎回、同じパターンであった、攻

撃に転じる暇がないのか避けに徹するハク。


そして追い詰める俺、上級生と違い、追い込むの

に時間はかかったものの、追い込みに入るとハク

はなす術もなく吹っ飛ぶ、こうして乱取りの幕は

閉じた。


次の週ハクは師範に申し出た、この道場全体を試

合会場にしてくれと、納得を拒む師範……

ハク「実戦では四角い場所ばかりでは無い、あら

ゆる状況を練習するの、もたまにはいいと思いま

す」との事だった。


ハクの意見は取り入れられた。

こうして会場が道場全体になり、この道場で年に

一回行われる乱取り大会が始まった。


※ 乱取り 防具等を使用し違いが突きや蹴り等を

実際に当てて実戦形式での組み合い。


※演武 決められた型、もしくは自由、等、様々だ

が、技の正確さや美しさ等を競い合う、個人、団

体ともに流派により様々


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