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世紀末異星人侵略世界でスローライフ【解説付き】  作者: しおじろう
民家攻防戦
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栗栖


明け方になり準備を整えた晴は5人と離れようとし

ていた、しかし、その時、既に彼等の拠点となる

場所に居なかった筈のゾンビが12体現れたのであ

った、そしてそれは金属音から始まった……。


晴「……何か聞こえないか?バケツで何か叩く様な」


耳を澄ませ、言われた音を探す5人

正人「……」

時男「確かに、何だこの音……」

ユキ「怖いわ、何この音……」

正人「次第に大きくなる、こっちに来てるんじゃ

ないか?」


時男は側にある棒を持ち構え、周りを注意深く凝

視する……女達は互いに身を寄せ合った。


陸は震え晴の側へ

晴「……呻き声!ゾンビが来るぞ!」

角に映る黒い物体、そうゾンビであった。


ユキ「きゃーっ!ぞ!ゾンビよ!」

突然現れたゾンビに駆け出し拠点内部へ向かう女

達、ついで急ぎ時男、正人も続く、出遅れた陸も

走ろうとするが体がすくみ、足を絡ませ転んでし

まったのだった。


陸「はわ、はわわ、た、助けて!」

腰が抜けジリジリと後退するもゾンビは陸に向か

いにじり寄る、異臭を放ち、朽ち果てる寸前のゾ

ンビに恐怖心は一気に高まり、声も出なくなった

陸の顔は引きつった人形の様に見える。


正人「何してんだ!早く来い!陸!」

ユキ「時男!アンタ武器持ってんじゃん、陸助け

に行きなよ!」

時男「はぁ?やだわ、噛まれたらゾンビになっち

まう……」

美香「もう頼りない!棒貸して!」


そう言うと美香は陸の方へと駆け寄ろうとするも

足の早いゾンビは美香の前に立ちはだかるも対面

する恐怖に身がすくむ。

美香「やぱ駄目……こ、怖い」

時男「なっ怖いだろうが!」

言い争う2人ーー

美香「男でしょ!アンタが行きなよ!」

正人「俺らはドア開けて待ってやってるんだ」

陸!お前がこっち来い!締めちまうぞ!」


手招きするも陸の体は動かない、

ユキ「そ、そうよ!アンタが来なさい!早く来な

いと……本当に閉めちゃうよ!」

泣きそうな目で5人を見つめ、助けを懇願する陸

だったが、彼等はその場から動けなかった。


陸「だだ、だめ、足が足がすくんで……」

小便を垂らしながら後退りするもゾンビの足の方

が早く距離は縮む……そして遂に一体のゾンビが

陸の前に立ち、その身に乗りかかろうと屈んだ背

後に影が、大きな石を持ち上げた晴がゾンビ目掛

け石を振り下ろしたーー


晴「大丈夫だ!俺は誰も見捨てない」

目が涙でボヤけた視界に彼には晴がゲームに出て

くる様な勇者に見えたのであった、晴は陸を軽々

と肩に抱え、拠点の入り口まで駆け抜ける。

晴「おい開けろ!」

正人「駄目だ!もう一体すぐ背後にいる!開けた

ら、開けたら……噛まれちまうよ!」

晴「大丈夫だって!俺が何んとかする!」

時男「駄目だ!何とかしてから言え!」


晴「……」

「陸、下ろすぞ、ドアの前で待ってろ」

言うと振り向きドアと陸を守る様に立つ晴。


晴「さて困ったな……武器は無い、ドアを開けな

いとすると袋小路、背後に陸か」

(そうだ陸がナイフ持ってたな)

「陸!ナイフ貸してくれないか!」


陸はハッとした顔をするもナイフの入ったポッケ

に両手で守る様に抱え込んだ、

陸「こ、これは唯一の僕の武器で……」

晴「そうか、なら仕方ないな」


屈託の無い笑顔で答える晴がいた。

陸「……」

晴「いいんだ、気にするな、俺の選択肢はこう言

う時は決まって一つだ」


言うが否やゾンビ目掛け突進しタックルを仕掛け

る、晴の筋肉の盛り上がりが象徴する様な派手に

吹っ飛ぶゾンビ、それを見張り楽しむ向かいのビ

ルの屋上の栗栖達がいた。


佐々木「おー派手に吹っ飛びやがったぜ!アイツ

すげぇな!ゾンビにタックルかましやがった!」


栗栖「勢いのあるタックルだからこそだな、緩い

タックルなら噛まれて身動きのとれなくなった所

を一斉にゾンビが群がるからな、賢明な判断とは

言えないが、おの体躯ならそれもありか」


「自分の特徴を活かした良い攻撃と判断だな、し

かし何時迄持つかだな」

佐々木「第二弾行くか?」


栗栖「いや此処は先ず様子見だ、ゲーム一面でゲー

ムオーバー何てつまらないからな、それに見ろ、

はぐれゾンビが3体見えるだろアレ、あの場所に誘

導してこい、さてタックルマン、どうするかな、味

方はいないぜ?」



ーー拠点前ーー


2体吹っ飛ばすもタックルは敵を吹き飛ばしたに過

ぎず、一体も倒す事が出来ない、そうこうしてい

る内に誘導されたゾンビも拠点近くに誘導されゾ

ンビの数は総勢15体へと増えていった。


ひたすらにタックルをする晴の体にも疲れが見え

る、息を切らすも拠点前にいたゾンビはその前か

ら距離が離れた、ユキがドアを開け時男、正人が

陸をドアの中に引きずり込む、


正人「何やってんだ!お前!トバッチリ食う所だっ

たじゃねーか!」

正人は陸の顔面を力一杯殴りつけた。

時男「そうだ、鈍臭いのはいいが俺らの足引っ張

んじゃねーよカス!」


時男も陸を足で蹴ると、うずくまる様に身を守る

しかなかった陸は震え黙る。

美香「あの人、大丈夫?ゾンビとの距離も空いた

し中に入れてあげたら?」

正人「アイツが喰われている内に逃げる手もある」

時男「いや数が多い喰われたとしても全部が引き

付けられるとは思えねぇ……アイツ中々使えるか

ら入れてやったらどうだ?」


正人「確かにそうだな……」

正人「おい!晴!お前もこっち来い!」

こうして、6人は拠点ビルに籠城する形となった。


佐々木「おっ籠城する気だな」

栗栖「……みたいだな、おい閉じ込めてあるゾン

ビに餌やってこい、少し元気にさせとこう、ゲー

ムは始まったばかりだ」


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