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ハク戦 25 防衛戦








中馬「駄目だ!既に囲まれている、見張りも立てレーダーにもあれ

だけの人数が接近すれば分かる筈、いつの間に……」

レイダー「奴ら驚いてやがる、お前らが此処に到着する前に既に配

備済みだった訳よ、地の利は此方にある、情報さえ早ければ戦いに

負ける筈は無ぇ」


 気配も無く忽然と現れた敵に危機的状況に立たされた自衛隊だっ

たが彼等にはまだやらねばならない指令が残されていた。

中馬「この防衛線は絶対に取られる訳にはいかない、だが第一任務

のドローンは全て今しがた全機飛び立たせたのが幸いか……がまだ

任務はある、避難民の救助に向かわねば我らだけで無く皆ここで台

風にやられて一貫の終わりだ」


 即座に隊は銃を手に取り自分らを中心に円陣を組んだが、この時

点で負けは確定していた、敵からすれば的が中心に集まり狩りには

うってつけの陣になっていたからである、だがそうするしか無かっ

たのだったレーダーは磁場の影響でうまく作動せず味方の見張りも

地の利があるレイダーが有利だった、情報戦では明道が更に上に立

ち自衛隊が陣を取った頃には既に密かに囲み作戦が済んだ後であっ

たからである。


秘書「……ボス、先程の光……異星人の宇宙船による攻撃であり北側

ゲートは土砂で完全に塞がったそうです」

目的地に近づいていた笠田に連絡が入る。

笠田「なんだと、ど、どうやって……何故味方である宇宙船が」

「……わかりません」

「だがまだだ負けた訳ではない、異星人の交渉に有利なのは変わら

ない、自衛隊の半分を始末する事さえ出来れば分隊の方で敵の戦力

を封じて仕舞えば後は台風が全て片付けてくれる……奴の仕業かハ

ク!決してお前の名前は忘れぬ!地球の害虫め!お前は、お前のし

た事は人間にとって決して許されぬ大罪を犯したのと同じだ!会場

に人はまだ居るな奴を殺せば幹部にすると伝えろ」

秘書「……だがそうなれば会場にいる者の生存率はさらに下がるか

と思われますが」

笠田「何度も言わせるな!奴等など駒の一つに過ぎぬ、大義の為に

犠牲になることの名誉は与えてやる、生き続けようがくたばろうが

その犠牲を私が名誉に変えて語り継いでやる」

「今はわしと幹部さえ残ればそれで良い、急げ、それでも間に合う

かどうか分からんぞ!あと5分も立たず風は一気に強くなる筈だ、

戦いが始まればコミュニティ内に逃げ場は無い、この近くの場所に

隠しシェルターがある、其処なら地下だ、収容人数も多い」


ーー明道ーー


明道「自衛隊はもう絶望的状況だろう、俺達の策中だろうからな、

だが目的である避難民を笠田の罠に到着する前に必ず抑えろ、でな

いとハクに顔向け出来ねぇぞ、気合い入れてけや!」

『自衛隊の方は間に合わねぇだろう……だが目的は果たさせてやる、

奴等は国の為に働く覚悟があっての犠牲は仕方の無い事、ハクが悪

い訳でも無ぇタイミングってのがあるからな、元々全てを救うなん

て事は出来ねぇ、それは仕方の無い事だ、お前を庇う訳じゃねぇが

現実を知るってのも経験だ、お前みたいな甘ちゃんには特にな、意

図せずとも、お前の策のタイミングはせいぜいコミュニティ内の人

間の延命止まりだ、そうだろ?脱出させた奴らも俺たちが居なけれ

ば待ち伏せと鉢合わせ殺されていただろう、そしてそれはドローン

の策で自衛隊を動けない状況を作ったお前の策の為に今殺される人

数はざっと自衛隊の分隊100人、わかっている、全ては無理だ、タ

イミングもアレしかねぇ、戦いながらでも策を完成させた事も見事

だ、だがそれでも犠牲は犠牲、本来はお前は誰も救えてねぇって事

だ、良い例が俺達だ、俺達が俺達になった理由、理想論だけで人は

生きてはいけねぇ……」


中馬「発砲用意!良いか俺達の背後にも敵がいる、同志撃ちの可能

性は高い……向こうも簡単には撃ってこないはずだ」

レイダー「て思ってるだろうがボスの命令は円の半分の一斉射撃だ

向こう側の味方の大半は味方の弾でやられるだろうがそれも策の内

連射でぶちかますぜ、こちらの方が早く撃てばそれだけの事……

いいな円の半分の端に配備組は向こう側の配備の仲間を撃て、無線

での攻撃は1、2、3だがこちら側は1で撃つ」


マイク「準備はいいな前衛組、一斉射撃だぞ合図は1、2、の3だ」

「ガー……了解3で単発発砲」

「そうだ間違うなよ3だからな、同志撃ちを防ぐ為単発だ、先に発

砲は此方だ自衛隊が撃つ前に仕留められる、いいか1で単発だ」


中馬「……このままでは全滅は免れない」

隊員「隊長、矛盾ほこたての隊列を」

中馬「しかし」

隊員「このままでは全滅は確実です、民間人の救助が最優先、無駄

に双方の命を捨てさせるおつもりですか!」


矛盾の隊列ーー

 円陣を内円、外円と二つに分け外円隊は盾となりて矛を守る盾と

なる、内円隊は外円隊の肩に銃を置き発砲する背水の陣とも言える

背水の陣とも言える隊列。

中馬「……無駄か、そうだな、皆すまない、此処で果てるとしても

任務は明日を繋ぐものだ、矛盾の隊列!」

外円隊「必ず敵を倒す……意識ある限り立って盾となり繋ぐぞ!内

円組及び生き残り動ける者は車で正面突破しろ、動けぬ俺達に振り

返らずただ真っ直ぐに行ってくれ、後の事頼んだぞ……」

内円隊「分かっている、必ず繋ぐ、直ぐに倒れるなよ……」

外円組「分かってる意識が飛んでも立ってやる!」


中馬「空気が変わった、来るぞ……空砲無し、頬当て!」

自衛隊もまた緊迫の中銃を構えた。


レイダー「無駄な事を、円陣だから交渉が先だと思っているかも知

れねぇがここは平和な日本じゃもう無ぇんだ、此方が撃つまで発砲

はしない筈、俺らの勝ちだ、行くぞ構えろ!」

惨殺の時が今始まる瞬間運命は変わったーー

 闇夜に紛れたドローンが一斉に降下、ハク達の場所に配備したそ

の数に比べればかなり少ないが円を描き円陣レイダーの目の前にま

た円陣を組むように彼等の目線の高さを空に浮きながらで止る。


中馬「まっ待て!なんだ……これは俺達が送ったドローンが何故」

 敵150人に対しドローン200機程が銃を構える一人一人の眼前に

配置し停まっている、その内一機のマイクからハクの声が聞こえて

来たのだった。

「あー聞こえます?聞こえるよね、うんうんわかった」

レイダー「何だ?返事もしてねぇのに、このとぼけた声は奴か」

「うむ、奴である……」

 不気味に飛ぶドローンに警戒しつつ銃を構えるレイダーにハクは

言った。

「わかってると思うけど火薬はそっちに詰めるだけ積めたし円陣組

んでるんだよねぇ……上空から空撮してるから良く見えるけど自衛

隊との距離を考えたら撃てばドローンが爆発するよ、自衛隊は影響

受けない距離だけどそちらは吹っ飛ぶよ痛いよきっと」


 一人に一機、動画撮影用ドローンで機能は対象物を追尾する、こ

れは既に2025年には多くの物が安価で売られるほど復旧し、203

5年には一般の警察でも配備される程、性能は高い。


 目線はドローンに搭載されている箱だった、上空に司令塔である

カメラ搭載のドローンも数機目に入る。

レイダー「会場のドローンに爆薬は入って無かったと言ってたな」

『アクティブトラックタイプか……玩具でも逃げれねぇか、指令ド

ローンが常にプログラムを変更出来るって事か』

レイダーA「そうだな……ボスも変だと言ってたが山を崩す為に使う

のだろうと思ってたが……となると此処のドローンに搭載してある

のは本物か」

ハク「撃ってみる?痛いよ、怖いよ、救急車来ないよ?絆創膏ない

よ、痛み止めないよ、ないよないよ何もないよ~あ……そう言えば

台風だねぇ、組織の医療チームて何人いたっけ?災害時に怪我した

ら治療追いつくかなぁ……それどころじゃなくなるだろうねぇ、規

模がアレだしぃ、混乱の中、治療して貰えるなんて思って無いよね

未だ鉛弾使ってるから撃ち合いなったら摘出が前提かぁ……」

レイダー「クッ相変わらず腹たつ野郎だ……おい中止だ引くぞ」

「いいのか?ボスの命令に逆らったら」

「馬鹿か、命があってのもんだ、今から一斉射撃に入ってみろご丁

寧に、一人一人にドローンが目の前にいるんだぞ、ターゲットロッ

クされてる、ギリギリまでドローンが出て来なかったのはプログラ

ムに時間を費やしていたからだろう、となると逃げても攻撃しても

爆発でやられる、先に攻撃しようってたって最早反対側にも緊急号

令しか手が無くなった今、先程の策も出来ねぇとなれば同志撃ちも

免れねぇ、それに命掛けてボスに従う俺らでもねぇ……それがレイ

ダーってもんだろ、それにまだ、な」

レイダーB「だがコミュニティには戻れねぇな」

レイダーC「それでも此処で命落とすよりかはマシだ、作戦の為に

配給した銃に弾も用心深く大量に持たされた分もあるしよ、これ頂

いて一からやり直すか」

レイダーD「だな……今なら反対側の奴も仲間に出来るからな」

レイダーE「引くしか手は無ぇか……チッ」


 笠田が組織を作り替えようとした理由が此処にあった……命を賭

け従う者など幹部以下数名である、笠田はレイダーを治める為、褒 

美や安全を材料にまとめ上げた集団だった、祭りがそうであるよう

に娯楽を与える事もまた暴動や支配力を上げるものであり、裏返せ

ば与えられるものと与えるもの労働力50:50生活という社会の成

り立ちで構成されたものであった、そこに命と比べれば彼等の行動

は「真っ当」であると言える、軍人のように特化した使命感や組織

は50:50では無い、其処に人の命は定価の存在ではなくなり人の

意思や考えは等価を失い、考えることを辞めた指令はただの道具と

なる、生命体は繰り返す歴史の中で行き着くべくは組織ではなく人

であるべきだと、人ありきの組織、組織ありきの人では同じ文字で

も違う様に戦争というものは常に組織ありきの人に落ちた考えが起

こす人類で最も愚かなものであると後の人々は語る……そうほんの

世代が変わる時間、持って100年前後の平和の中に……。


こうして奇襲作戦もレイダーの撤退により防がれたのだった。

中馬「敵が引いた……」

「ならば、ここで待機、民間人は此方に向かっている準備をしろ」

『ハク、助かったぞ……これで全員無事に此処を脱出出来る』


狩屋「明道、自衛隊は全員無事だそうだ」

明道「何?どういう事だ」

事の経緯を知った明道は呆れ顔で顔を手で覆う。

明道「……お前本当に俺の事無視してんじゃねぇだろうな、手助け

出来ねぇって」

「クククッ……わかった分かった」

「お前ら……すまん笑いが止まらねぇ!」

向田「ヒャハハ!確かに笑いが止まらねぇぜ」

岸村「おい民間人救出は中止だ、自衛隊に任せよう」

明道「おい行くぞ、最後にやる事がある」

向田「とうとうか……また忙しくなるな」



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