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ハク戦 14




 報酬に目が眩んだレイダー達の目がギラつく、シールドマンの助

言もあり、圧倒的な強さを雪丸に見た後のハクの顔は一層緩く見え

るのは当然の事、地獄に仏とはこの事かとハクを囲んだ事に心底自

分の判断を褒め称えずにはいられなかった。


『俺天才!いくら人数が揃っていても雪丸相手だぞ……アイツら馬鹿

だよん!皮がズル向けだぞ?もはや触れる事自体が危険だっつの、

この時代にあんな技喰らったら感染症で1発終わるわっ!』

『こっちで良かった……見ろよあの雪丸の顔、鬼だ、ありゃ悪鬼だ、

おおおっ振り返ればこのクソガキみたいな奴が天使に見えっぞ!』

シールドマン「おら!喜びに浸ってる場合じゃねぇぞ、向こうの奴

等らがこっちに鞍替えする前に行くぞ、報酬は目前だ、俺の後に続

け!」


 デカい図体に体重は100キロ近くあろうかという立派な図体を大

盾にすっぽり隠す様にクラウチングスタイルで構えた、脹脛の筋肉

に血液が集まる様はアフリカのサイを彷彿させた程雄々しい。

「へへへ行くぞ!」

土を抉り踏み込む足跡から土砂が舞う、図体の見た目より遥かに素

早いスタートダッシュはまさに地面を駆けたのだった。

『どうするよ?盾には狭いが視野を確保する穴は空けてあるんだぜ

お前が如何に早く後に避けようが俺は全力でお前に突撃するだけに

集中する、つまり後は警備で槍がある限り下がるのには限界がある

当然そのまま貴様事突っ込んだとて盾でダメージは無ぇ、ならサイ

ドに逃げるか?盾の大きさは横幅は2メートル近くはある、それに

後からレイダー引き連れての行進だ、生半可なサイドステップでは

奴らの餌食、お前の動きは確かに早いが一足飛びに3メートルも飛

べやしねぇよな、早く動けば多少軌道修正は出来る、なら力任せに

爆発させて停めようとするか?チ、チ、チッ爆風で威力は弱まるだ

ろうがここまで加速しちまえば後は惰性でも前へ動く、このえげつ

ねぇ突進はさっき見た爆風如きじゃ停まらねぇ、ぶっ飛ばしてやる

手加減はするなとの事だからな、念には念で保険も掛けてのレイ

ダー保険だ』


 地響きのする凄まじき圧が距離を縮めて行く、ハクは彼らに対し

素早く回転し背後を見せたがすぐ様振り向いた彼の腕には白いシワ

だらけのビニールが腕に貼りいついている、口には小型カプセルを

咥え一気に首を捻る動作をした、カプセルの中に圧縮された空気が

一気にビニールの中に空気を送り込み『ボン』と音を立てた。

『何してるか知らんが乗りに乗ったスピードの鋼鉄の盾だ、衝撃を

弱めるつもりなら甘い、車と正面衝突する位の破壊力だ、ぶっ飛ば

して後ろの槍で串刺しか衝撃で骨の何本か貰っていくぜ!』

「喰らえ!」

 眼前に迫る圧力に怯まず動きを停めるハクの足は柔らかく少し膝

を曲げた、相手のスピードは時速30キロに乗っていた、重さ30キ

ロの盾を持っての時速は脅威的だ、特化したトレーニングに環境、

ドーピングで一時的に仕上げたものだった。


ーー100メートル換算で時速の目安ーー

9.5=37キロ

10=36

11=32

14=25


明道「さてどうする?広い場所ならお前なら足で問題無かろうが、

槍兵に囲まれた場所だ、下がろうが限界はある、狙ってるのか?

当たる瞬間に避ける事を、瞬発力は確かにお前の方が上だがいかに

横に逃げようが当たる瞬間避けた所で後方のレイダーが網のように

横へと広がり終わりだぜ?」

来栖「……」


 眼前に迫った攻撃に軸足を捻り込み踏ん張る為のスタート地点を

瞬時に作り敵に背後を向けダッシュをし始めたハク、それは100

メートルを直線で追う者と追われる者の形になる。


スピードはシールドマンと同等、だが今度の脅威は眼前に迫る無数

の槍先である、目前に迫る槍先に勝利を確信したシールドマンが勢

いついた時、シールドマンの盾がハクを捉えた感触が伝わる。

シールドマン「捉えた!感触がある、終わりだクソ野郎!」


 勢いを弱め満足顔のシールドマンは吹き飛び串刺しになったか、

骨が折れのたうち回るハクを確認する様にあたりを見回した。

「どれどれ……」

だが辺りを見回してもその姿は目に入らない。

「あれ?」

槍兵達が構えを一層強くしているのが目に入った。

「?何してんだ、おいハクはどうした」

槍兵「盾!盾!」

シールドマン「盾?」

訳のわからない事を言う槍兵が声を荒げる。

「このデカ物!盾を見ろってんだ!」

シールドマン「あ?誰に向かってもの言ってんだ!この美しい肉体

に対してデカ物だと」

 雑魚兵に怒りを覚え叫ぶが、意味が分からない彼も状況を把握出

来ず困り果てた目線は明道のへと移る、そこには腹を抑えケタケタ

と笑っている姿が目に入る。

「……どゆこと?」

 素直に皆が言う様に盾を表側を覗き込むとハクがベタッと張り付

いているのが見えると驚嘆の表情を浮かべた。

「ななななな……何でぇえええ!」

ニタリと笑うハクの顔がこれまた一層憎たらしく見える。

 感情に任せ盾をブンブン振り回すもハクは張り付いたまま笑って

いる。

「この!ならばこのまま潰してやるわ!」

 盾を大きく振りかざし地面へと押しつぶす様に叩きつけたがハク

は既に彼の目の前に立っていた、盾には脱ぎ捨てたアウターだけが

風になびき張り付いている。

「へ?は?」

 キョトンとするシールドマンの方へ素早く詰め寄るとデコピンを

して猿の様に素早く後方へと移動しこれまたニタリと笑った。

「……この野郎」

 オデコにぶっとい血管を浮かばせ激昂するシールドマンは大声で

叫んだ。

「テメェら!俺の横に並行して並べ!ぶち殺してやる…」

「いいか、さっきより勢いは小さいが確実に仕留める、槍との距離

もさっきまでと違って短ケェ、今度は槍兵も纏めて吹き飛ばすまで

突っ込むからな、てめえら槍怖がって勢い緩めたら俺がお前らを虫

のように押し潰してやるからな……並んで潰すぞ」


明道「面白っ!正面に合わせ速度を調整したか、その上で衝撃を緩

めるゴムボールの空気圧を利用し相殺した上で更に槍兵への吹き飛

ばし対策まで完璧にこなしやがった、まさか張り付くとはよ、俺も

想像しなかったぜ」

来栖「接着剤も使いこなしてるな……速乾性が劣る分粘度を強化する

事でそれを巧みに利用してると言うわけか」

明道「見ろよ、もう切り離して新しい、あれはバランスボールか?

既に装着してやがる、空気入れる前は萎んで重さも軽い上にかさば

らない、持ち込みも安易だからな」


来栖「見事と言いたいが不安しかない……」




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