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内部環境




クリスの元に集められた女3人と男2人。

クリス「いいかお前達に道筋を今から教える、年順に並べ」

言われた通りに並ぶ捕虜達1人3つずつ進むべきルートを教えた。

クリス「言った通りだ三つは確実に覚えろ、分からなくなっても歳

の順だ、混乱の中でも並ぶ順番は間違えないだろう、途中体液がか

なり漏れ出している場所がある、血で書いてもいいが消えたり滲ん

だりする可能性は高い、故の三つの記憶だ」

萌「わかった三つなら覚えられる」

クリス「いいかそれとこの中では一番幼い萌、お前がリーダーだ、

混乱の中、平常心を保てるのは此処で俺に一番に声をかけたお前以

外ありえない、皆聞け、何があってもリーダーは萌だ」

桜「なんで?こんな幼い子に、私の方が」

クリス「黙れ、話し合いは無用だ、混乱であろうとも何が起ころう

とも前へ進む事ができるのは勇気だ、故の一番先に行動できた萌が

最も相応しい、年は関係ない、資質の問題だ、もう時間が無い、

行け!」

萌「嫌だ!クリスさんも一緒に!」

クリス「……ありがとな、だが優しさを履き違えんじゃねぇ、俺の

望む希望を此処は優先してくれねぇか?俺はお前達を逃す為に此処

に来た、此処でお前達と一緒にくたばる為に来たんじゃねぇ、目的

があって来た俺の意思を無視してその選択をしたなら俺は萌、お前

を許さねぇ……」

萌「……」

クリス「何が本当の優しさか……余裕のある状況じゃそれもいい、

だが選択を迫られる状況だったなら本質を見抜く力に優しさを持て

それがリーダーであり正しい道へと導く、皆にいい顔するのがリー

ダーじゃねぇ、時には恨まれる存在になろうとも本当の優しさを貫

く強さを持て、それに俺は大丈夫だ」

 彼の目に諦めと感じるものは微塵も感じられなかった事に戸惑い

と安堵が彼女を後押しした。

萌「……わかった」

桜「大丈夫っていう言葉が一番大丈夫じゃない人が言う台詞なんだ

けど」

クリス「おいおい此処にも突っ込み役がいるのか?はっはは、桜、

お前は状況を冷静に判断出来る奴だな、副リーダーはお前だ、支え

てやってくれ、他のやつは会話に入ってこなかったな、それを意識

しろ、切迫した状況で行動が遅れる奴は思ってから行動が遅いタイ

プだ、此処はこの2人に従え、だが貶してる訳じゃねぇ、中には思

う事もあるだろう、そういうタイプは熟考しろ、その答えに感情を

乗せず自信がついたら言え、その答えは正解に導く手になる、直感

とセンス、そしてそれを補う熟考、誰も劣ってる訳じゃねぇ、履き

違えんなよ、だが決断はリーダーがしろ、それがチームだ」

桜「……受け入れる事も優しさて訳だね」

クリス「あぁそうだ」

萌「……行こう!」

クリス「それでいい……」

優しい笑顔で笑うクリスだった。


 5人の陰を見送り壁にもたれ溜息を吐くクリスに反対側から灯り

に照らされ細長く伸びた新たな陰が近づいていた。

「……忙しいねぇ」

 骨折で頭痛が酷い体に鞭打って支えにした棒を頼りに身を起こす

左手にはコンバットナイフ、右手には銃を構え静かに脈打つ生きる

内臓の壁に溶け込む様に気配を消していく……


 薄暗い内壁の滴る体液が彼の頬を伝うも半目の中に宿る傭兵時代

の目が蘇る中ゆっくりとナイフを握る指の小指からゆっくりと人差

し指までしっかりグリップを絡ませていった。


『……1人、気配の大きさからしてグリマンではなく人間』

 影の位置で距離を測るクリスは身を丸く縮め動く足を起点に豹が

獲物を狙う様に息を殺し時を待った、一撃で相手を仕留める為に敵

の首を狙うナイフの切先が鋭く刃先を立てる、光が反射しない様、

体液を絡ませ滴る液が落ちたと同時に足に力を込め飛す寸前ーー


「……クリスとやら、居るか?」

自身の名を不意に呼ばれ動きを止めた。

クリス「何故俺の名を知る」

「俺の名は赤城、お前の仲間、荒木誠の知り合いだ」


 荒木誠の名を出した人物はかつて暴走族時代の話を誠から聞かさ

れていた帝狼の赤城だった、そしてこの人物はこの計画を担う1人

の重要人物でもあった、それでも警戒を解かないクリスではあった

が彼から見えない位置から彼が片腕が不自由な姿を確認後ゆっくり

と赤城の背後からその姿を現した。

赤城「俺の姿と誠の名を出しても尚、後から現れるとは警戒心が強

いな、聞いてた通りだ」

「性格だ」

「武器は無い、上に片腕は見た通りだ、だが喧嘩なら足を引き摺る

お前に負ける気はしない、まぁお前もそう思ってるだろうがな」

「……」

「だが時間がない、黙って俺の指示に従え」

「……」

「チッ疑り深い奴め、ならハクを知っているか?」

「!」

「あいつも俺の知り合いだ、昔の話だがな」

 二つ名を聞き時間もない状況でクリスは警戒を解ふりをしながら

も切先は、背後からも喉元を向けながら言った。

「一つだけ聞く、お前はハクの敵か?誠の敵か?」

「敵でも味方でもねぇ、今は作戦遂行の同志って所だ」

懐から地図を取り出す赤城は後方に立つクリスにそれを渡した。

「信じるか信じないかはお前に任せる、だが時間も選択肢も無ぇの

は同じだ、さっさとナイフしまいやがれ、おら行くぞ」

振り向きざまクリスの体を軽々と荷物でも担ぐ様に持ち上げた。


クリス「テメェ俺は荷物じゃねぇ、おろしやがれ!」

「喚くなお前は今荷物以外何でもねぇ、いいか黙って聞け、別ルー

トだが軽く説明をしておく、俺はC棟収監者であり笠田の手下でも

ある、腕がこんなだからそれを利用してC棟の監視者でもある、あ

る男と此処を出る策を練ってはいたがグリマンにレイダー、厳重な

警備に手こずっていた……ようやくメドが立ったが脱出出来る人数

に限界を感じ仲間数人を引き連れ脱出する予定だった」

クリス「他の仲間は置いてけぼりか……偉そうな口叩くだけのこと

はあるな」

「皮肉か、結構、どう思われようがそれが現実だ」

「チッ……でどうする」

赤城「此処に来て最大のチャンスが来た、それがお前らだ、詳しく

は歩きながら話そうや、今はルートの説明をしておく、このエリア

は内臓エリアと呼ばれている場所だ、この先森林エリアがある」

「森林?そんなものが宇宙船内部に?」

赤城「いくら異星人でもカプセルと注射だけであの体格を維持でき

る訳は無いだろうが、知っての通りこの母船もバケモン級だが生き

ている、生命体とあらば飯が必要だ、

この飛行船は地上に下り植物が根を張るよう

に大地に今でも伸びている、その根っこ一つ一つが今後地下基地と

なる、そしてこの飛行船の大まかな構図はこうだ。


ーー飛行船構造ーー

 内臓内部以外皮膚が覆ってはいるが外から見える部分、外皮は強

い衝撃から耐えれるよう金属に似た地球では加工できない素材で出

来ていた、これは服の役目を果たしているアーマーの様なものだ、

アーマーの部分は全体を一つの船として形成するも三分の1ずつで

エリア分けされている、内臓部分は船の全ての指令を司り、その

体である部分を維持できる様内部に森林エリアが備わっている、そ

の部分は内臓機関へのエネルギー供給及びグリマン達の食糧を担う

場所であった、知っての通り酸素は彼らも人間よりは消費しないも

のの必要としていた部分を木々が担っている、船はそれらで作られ

た食物をも摂取し船自体のエネルギーを作り出している、その上に

排泄物も生命体であれば当然出るものを作物の肥料とし完全なる生

命体でありながら母船という居住空間も備たのであった。

太陽が発する光は人工で作られていたが複数の光を必要とせず惑星

の環境で進化した生物故に鉄分を多く含まない故の緑の血であった

と推測されるが船は巨人族と言われる侵略後の体を利用していいた

と思われた、酸素が濃く環境が整えば生物は肥大していく事は地球

の歴史からも推測できる、地球にもそういった生物は居た事実は沈

んだ島からもペンギンなどが発見されている事は有名な話である。

皮膚が外的な細菌やウイルスから守るが母船は内臓、筋肉の部分以

外必要としない、服の役割であるアーマーとの間に真空状態で覆い

皮膚の役割を担っている、体の酸素供給は内部で作られている為必

要性は無い、更には真空状態は宇宙空間である熱が無い絶対零度の

寒さから温度を伝わらせない役目も担い外壁のアーマーには武器を

装備、そのエネルギーの熱すら内臓部分に到達するのを防ぐ合理的

且つ機械にはない自己治癒能力が備わっているのである、更には遺

伝子クローン技術で特化したグリマン達の文明の高さは機械同様、

修理必要な個所を培養する事で新たに作り出す事が可能である事か

らも合理的な地球にはない新しい宇宙船と言えた。






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