内部侵入
その頃ヌク達は手薄になった施設へと侵入、その準備はクリスが
既に用意していた。
ヌク「目標の通路まではもう少しじゃ、着くまでに経過を言う、あ
り合わせの材料で衛星からの通信を得ることができたが台風は歪極
まりない動きだそうだ、だが問題はその動きに他の場所で複数の台
風がそれを中心に発生する可能性がある」
孝雄「まさか……ジオストーム」
「規模は小さい、恐らくだが地球上全体で近未来起こる可能性は高
い、この周辺地域の磁場がおかしい影響もあるだろう、原因は奴等
の宇宙船の影響だそうだ、もう一つ懸念する事が起きている、衛星
からの情報では関東方面に集中するゾンビの群れも見つかった」
誠「何かおかしいな……だが今はそのヤベェ奴は大丈夫なんだな」
ヌク「そこはわからん、だが異常な動きの台風はもう運任せじゃ」
純衣「到着時刻はわからないって事ね」
孝雄「そんな場合じゃないと言うのに、どうする、台風の混乱に乗
じ逃す策は、早く着き過ぎたとて何処に身を隠す、」
ヌク「ハクには悪いがタイミングを測ってる場合ではない、事前に
着いて待機しながらも同時に行うハクの策も必要だ」
孝雄「戦いながらですか……相手が雪丸でありながら時間も調整し生
きながらえながら策も行うなんて」
ヌク「遅うなった、日も暮れた、いいかここからは時間の問題だ、
準備はクリス、相葉達が既にしてある、時間にして後一時間程で風
が強くなる、いよいよ来る、同時に雨も、そうなればハクは不利に
なるのは明白どうやって事を納めるかは知らぬがあやつの事だから
大丈夫ではあろうがここからは二手に分かれ急ぐぞ」
純衣「……大丈夫かしらハク」
経路はイヤホン型の敵の無線機を使い随時混線やチャンネルを自
動で変換するようポルキが仕組んでいた、勝木達はモニターでそれ
を確認し随時安全な道を誘導したのだった。
勝木「いいか出来るだけ敵の少ない場所を誘導するが万全とは言え
ねぇ、かち合った時は倒すしか手がねぇ、必ず倒せ、出ないと連絡
された時点で終わりだ、その為の姐さんと誠を此方に呼んだ理由だ
からな」
純衣「分かってる、敵の力は試合で裕太が身をもって見せてくれた
人間が勝てる事も裕太と雪丸が示してくれた、勝てぬ道理は無い、
皆が私を守ってくれた……おかげで一番体が無事なのは私、だから
だから必ず倒す!」
誠「相手は大型だ、もし力不足で倒しきれない時は任せとけ、目は
役に立たねぇかも知れないが俺がお前の力になってやる」
純衣「頼む……止まってる時間は無い、誠頼りにしてる」
誠「お前が俺に物を頼むなんてプレミア級の出来事だ、任せとけ」
ヌク「此方も急ぐぞ、ワシ達には奴等ほど力はない、だが知識はあ
る、それが通用するかは出たとこ勝負だが最早そんな事を言ってる
場合ではないからな」
孝雄「くそう、私にその力があったなら……いざとなれば盾となり
ヌク殿だけでも行かせる」
ヌク「すまぬ……悠長な事言っとる場合では無いからな、本来なら
ば孝雄と誠、純衣とワシが均等戦力の配分ではあったが、失敗は許
されん、故のこのチームだ、策は多いに越したことはない、両方が
到達するのが一番えぇがせめて1チームでも、孝雄あえてその役目
任せるぞ」
勝木「最優先で安全な道はお前らに教える、別ルートの純衣達の方
が危険はかなり高い、気をつけて行け」
孝雄「おそらく一度……一度だけだ私が盾になれるのは、勝木、頼
むぞ、先ある子供達、守べき美しき女達の為に、そして罪の無い奴
隷として生き最後は実験台とされるしかない同胞達の命の為に!」
勝木の案内により二手に分かれる事となったチームはA誠、純衣
は敵内部の通路とは全く別ルート内臓の隙間に潰瘍等を処理する為
に広げられた作業通路を、Bヌク、孝雄は解除出来る数が多い往来
の通路を通って各目的の場所へと侵入を開始する、内臓は幾つもの
防護策が施されてはいるものの外傷が弱い臓器へのダメージを加え
その痛みによる筋肉の収縮により東京方面へと繋がる通路を遮断す
る事が目的だった、外壁に補強された通路ではあったが生命体の内
臓を利用する母船のメリットでもありデメリットの部分を突く作戦
だ、筋肉の収縮は人でも胃痙攣や麻酔なしでメスを入れた状態での
筋肉の収縮の力は凄まじい、外壁を補強しようが簡単に人工的に
作った外壁など粉々に破壊する力を持っているのである、そこに目
をつけたヌクの策であった。
更には普段なら3重に仕組まれた外部侵入者用の警報アラームが
作動するのだが侵略時とは状況が違う今、一つ目は奴隷となった人
間の運搬作業を行う為に随時切られている、そして二つ目の警報も
祭りの参加を含めグリマン自体が移動する為に多くの通路が移動の
為に開かれ修繕作業の為に作業員以外のグリマンでも普段は入れな
い様な場所も解除されていた故に危険区域ですら最低限のアラーム
のみ作動していた。




