ハク戦 6
レイダー「たくっ何回ステージ変えさせるんだ」
レイダーC「だがよう……考えようによっちゃステージという枠に捉
えられないって事だよな……考えたらどの試合もコイツらの殆どが
リングの形状を保ってた試合は無いよな……今までの試合でそんな
の一度も無かったろ、っその上にコイツだけは殆ど戦いもせず何も
しないのに3回場所が変わってる……まさかアレか」
レイダーR「アレなのか」
3人がハクの顔を見る。
レイダー「……」
レイダー「いやあれはあれでもアレだな」
レイダー「馬鹿……だよな?多分」
道明「あははっ確かにありゃ馬鹿だ」
レイダー「なんだコイツ?お前も馬鹿か」
「馬鹿は馬鹿でもアイツは本物だ、お前ら中途半端な馬鹿とは違う
かもな」
レイダー「何だと!」
司会「おいそこ!無駄な体力使ってんじゃねぇ!いいか此処からは
ボスの命令だ、施設内の者は全て警備に回れ、道明!テメェもやた
らとコイツら刺激すんじゃねぇ!」
レイダー「コイツ……いや貴方は道明って傭兵部隊最強の、す、すま
ねぇ、しっ知らなかったからよ」
道明「気にすんな同じ人間だ、上も下も無ぇ、だがよ名前知って態
度変えるようだからお前らは中途半端なんだよ」
ハクに時間を与える事勿れ、台風の接近も伴い施設は慌ただしく
なっていった。
司会「おい、お前ら、周り囲め!特に市街地戦になれば初回と同じ
になる、人数を増やせ出来るだけ多くだ」
レイダー「ってもよこの広い中央広場に奴らを取り囲むにゃ人数が
全然足りねぇぞ」
司会「……柵があっても乗り越える、かと言って今までの試合で場
所も運営人数ですら怪我人続出で人手も無ぇ、とは言えこいつに
限って油断は出来ねぇが奴に裂ける時間もネェ」
事実そうだった当初誠戦から始まりリング自体は使えない程の損
傷の上に純衣戦では隣会場の広い場所で行われたがリング所では無
い、途中のハクの乱入により外壁は大きく大破、多数のゾンビ熊や
人型ゾンビの侵入により試合どころでは無かったがグリマンの更な
る乱入により鎮圧はされたものの被害は甚大であった、外と隔絶さ
れた防護柵の簡易修理に人では今でも割かれていた、台風は表と裏
ハクもだが彼らにとっても残された時間は無かった。
司会にレシーバーから連絡が入ると頷き、口を開いた。
司会「試合は続行だ、心配すんな、だが人手は足らない、此処に所
属するレイダーには全員武器を配る、対戦はあの雪丸だ、先程の二
の舞にならんよう平地とは言え囲む輪は大きく取る、でねぇと雪丸
に人数を混戦で潰された日にゃ試合はもう出来ねぇ、そこでだ仮に
混戦なったとしても遠くから防御や攻撃に使える槍を配る、過去の
戦争でも馬対策にも使われてた合理的な武器だ、これなら雪丸とて
簡単に柵防御人を蹴散らす事は出来ねぇ、それでも囲むにゃ足ら
ねぇ人数も奴隷棟に配備してる人数を回すって事だ」
道明「成る程ねハクに伝聞だ、時間が無ぇ、だが見極めてぇ、これ
から三つの手助けしてやる、それをどう使うかお前次第だとな、だ
が油断もするなよとも伝えろ、当初通り俺たちはどちらかって言う
と敵だともな、そこで答えを見せろ」
仁「何でそんなにアイツに固執するんだ?」
「逸材はな、そんなにいやしねぇ、ましてこんな世界だ、時間が無
いのは俺らも同じだチャンスと思えばそれを逃す時間は人間には
無ぇって事だ、後言った通りお前らも持ち場につけ」
仁「助けるのか?」
道明「まだだ、まだ見極めてねぇ、その為の配備だ、俺が合図する
まで周りと同化しろ、笠田はこの機会を利用しハクをどさくさに紛
れて殺す気だろう、お前らも笠田に悟られぬよう同じ行動を取れ、
いいか手を抜くな全力でやれ殺せると思えば殺せ、どちらにしろ
殺れれば笠田への点数稼ぎになる」
仁「本当に殺しちまうぞ」
道明「時間が無ぇって言ったろ?此処で殺されるならそれまでの奴
だってこった、どんな状況でも運と閃きが無いやつに時代は変えれ
ねぇ、俺らが参加することでハクには一層厳しい状況になるには間
違いねぇ、だからこそ余計奴を図るには此方も時短になる」
仁「……どんな理屈だよ、災難な奴だ」
道明『災難ねえ……さてどう出るか』




