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場外乱闘2





 雪丸の言葉にハクの言葉、全く相対する力の根源で

ありながら奇妙な一致を感じる武丸ではあったが滅多

に微笑まない雪丸とハクとの掛け合いに不思議な仲間

意識を感じた、その中で何よりも雪丸の嬉しそうな表

情を浮かべたように感じた様に武丸の目には見えた。


武丸「師匠……今まで楽しそうな顔なんて見た事が無

いのに」

 隣にいるハクを見るとボーと雪丸の戦いを傍観する

彼に極めた強者との差を感じざるを得ない程に呑気な

ハク、対照的な2人に違和

感しかなかったが師匠のその真実に不思議しか感じな

かった。

雪丸「力の無い者が対抗出来る力技の一つは膝蹴りだ」

 わざと距離を空け一呼吸空けさせる雪丸にレイダー

は思考する事も無く常によくあるパターンのタックル

を仕掛けてくる、苦し紛れに身ごと突っ込んできた相

手に対し手で首をガッチリ掴み固定した雪丸は片足を

半歩下げながら相手の態勢を腕でグイっと引き寄せる

ように下へと押し込むのであった。


ハク「心理学的な事を言うと人の行動って意外と極限

なれば皆同じ行動をするんだよね、人を見ることも大

事、それは見本となる物があればそれを活かすのは対

象物でもあるんだ、片側だけでは足らない、それは両

方あって、そして自分と言う真ん中があって結果が出

る鳥の翼みたいなもんだね、全てのものは三つで構成

される原則」


武丸「戦いは体だけでなく頭も使う、頭ではわかって

いたつもりだったけど俺の場合は考えれば考える程に

力の限界を感じるだけだった……解決に向け考えてい

たのではなかったかも知れない、こうやって師匠の場

面も何度も見てきたけど今初めて経験に感覚が追いつ

いた気がする、そうだよな、見てる対象が見本だけな

んておかしいよな……技や勝負には相手がいて初めて

成り立つものだ、そしてその中心に居るのが自分か」

ハク「戦いだけではなく仕事でも物作りも政治も結果

も飛ぶ事すらみんな、みーんな全ての行動と結果には

繋がるんだ、人の生きること自体が全てのある物を借

りて生きている様にね」


レイダー「なっ離せ!クソ野郎」

雪丸「肘、膝の打撃は力の源の体の中心に近い事にあ

る、関節が多ければ多い程に打撃は弱くなる、それは

力の伝達が分散する事にある、力の源である体の中心

に近い、つまり胴に近い攻撃は元々威力は大きいが二

点では駄目だ、三点方式、体の捻り関節1、肩関節や腰

関節の力2、膝肘関節の3だ、腕で倒すなら関節の多さ

を補う力の思考が必要だ、関節を突きのように一直線

にして関節への力の分散を減らすか腕の筋肉で分散を

防ぐか、足の踏み込みやスピードで補うかその補う数

が多ければ多い程マイナスと同時にプラスも増える、

常にプラスもマイナスも純粋に三点に近づく様にする

事が力の伝達が最も効果的と言う事を忘れるな」

武丸「支点力点作用点というわけですね」


レイダー「くっちゃべってんじゃねぇぞ!授業じゃね

ぇんだ」

 既に恐怖はよりも怒りに顔は高揚し血管が凡ゆる顔

部分の至る所から浮き出る、押し倒せば何とかなると

いう単純思考から既に抜け出せないレイダーの行動は

最早愚かであった。


ハク「敵を怒らせる事は思考を止めさせる事でもあり

行動を単純化させる、怒りを誘い敵を弱体化させる事

も出来るね、これ心理戦って言うのかな、気をつける

のは初撃は強い事が多い事、だけどこれ残り少ない彼

のエネルギーを一気に消耗する行為だから1分も立たず

一気に弱くなるから避けに徹するといいよ、しかし茹

で蛸みたいだねぇ……ふふ、あ、雰囲気に呑まれたら

此方が弱くなるから気をつけて気合いもだけど戦いに

おいて最大の力の源は心の強さ、動じない事は思考、

動けるエネルギーの調整、配慮、思慮これらがまとも

に動かせるのは頭が正常である事が絶対条件だから」


武丸「お前の仲間の誠ってヤンキーはそうは見えな

かったぞ」

ハク「それは違うよ、彼は怒りをエネルギーに変えて

いくタイプ、怒れば怒る程に頭は冴えてる筈、その単

純思考の中で決めた事は迷わず突き進む強さが彼の持

ち味、その思考の怒りのエネルギーは恐怖を喰らい前

に進む勇気を生むからこそ隙を見逃さない、決して迷

いの中に自己の為に怒り見失う事はない、彼の怒りは

守る為の力であり冷静さの源でもある、個性がある様

に基本は同じでも発揮する為の方法は人それぞれ」


雪丸「心と体は常に一体その中で生まれる技

雪丸「突っ込んでくる相手に力無き者は力で対抗する

事はない、引き寄せる事により相手は転けまいと足を

踏み出す、この行動は既に相手からは身を守る行為で

あり攻める行為ではない、その力は削がれ同時に腹筋

に、背筋に力が入らない状態の体を自身の体重をのせ

下へと押しやると同時に膝を曲げ身を縮ませるのだ、

相手とは逆、こちらの行動は腹筋に力を入れる動作に

力を乗せる上からの力が加わり簡単に力を倍加させる

事が出来る!更に力を加えるならば初心者は足の筋肉

と腹筋だけでなく全ての筋肉を硬直させろ!そしてそ

れは当たる瞬間にだ、腕だけで上がらぬのなら胸筋と

腹筋、あらゆる適合する筋肉の力を乗せ足せ、動きだ

けに囚われるべからず」


武丸「……さっきお前が言った事と同じ」

 雪丸は膝蹴りで敵と接触した時点から一時停止した

ように動きは止ったかのように見えたのに対し敵は逆

にその場から跳ねる様に大きく後へと吹っ飛んだ。

雪丸「最初に覚えるの打撃は2種、一つ目は重さ、そ

して……」

 瞬きする間もない動きで更に吹っ飛んでいる最中の

敵に対し蹴り上げた右足を地面に叩きつける瞬間右足

の筋肉が大きく膨張したと同時に前方へと追撃するよ

うに前へとステップを踏み駆け寄ると雪丸の第二の膝

けりがレイダーを襲う、それはさっきとはまるで違う

敵の体を突きに蹴るような膝蹴りを放つと敵は先程よ

りも更に大きく敵は雪丸との距離を一層広げるように

川で石切りのような動きで地面へと何度も体をバウン

ドさせながら地面へと滑り流れた。


雪丸「突き抜ける蹴りは敵の脳を揺さぶり意識を飛ば

す、吹き飛ばす打撃は距離を開け更なる危険回避と同

時に己の打撃の追撃範囲の力を増す用途にも使える、

時と場を読み使いこなせ」大きく構えた雪丸の足元に

は竜巻の様な砂塵が舞っていた。

「武丸、力無者が力のあり者に対抗するには逆の持っ

ている性質、力とは何だ」

武丸「……そうか筋肉は重い、無いと言う事はその分

早く動ける事か体重のない分相手よりも早く動ける事」

雪丸「そうだ、そしてハク、お前の力の源だろう、相

手の攻撃の当たらぬ距離、判断の速さ、そこに見える

世界は普通の常人とは違う景色の中でお前は発想の力

で新しい常識とは違う力を鍛えた、人は常識の中に可

能性を広げたがその発想は常に違う視点からヒントを

経てそれを常識に変えより進化したが常に発想の新し

さはまだ人が手をつけられてはいない進化前、つまり

無限の可能性がある、対する相手は未知の領域にどう

していいか分からず困惑し警戒する、そしてお前の

ペースに引き込まれる」

ハク「……」

雪丸「答えぬか……」

雪丸「まぁいい、武丸正解だ、力に対し同じ力で対抗

する必要はない、力には種があり種は違えど本質の力

は同じだと知れ」



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