理
それは原子の本だった、そんな知識は我らには地球
人よりより深く知っていた……原子と呼ばれる 原子
核、陽子 中性子で構成される全ての素となるもの、
その原子は等しく電磁波を発生、そして動き回り形を
変え……と言った私に放り投げられたもの、それは宗
教の本……そして経済学、宇宙とどんどん投げ入れら
れた。
ポルキ「お、おい待て……どういう事だ」
ハク「……知りたい?」
ポルキ「教えてくれ、知っているならば」
ハクは隣にいた誠に声をかけた。
ハク「誠は知りたい?」
誠「あぁ?知りたくねぇな、興味無ぇな」
ハクは近くに居る男にも声をかけた。
ハク「知りたいっすか?」
男「知りたい様な……どうでもいい様な」
ハク「そういう事なんじゃない?」
ポルキはその謎々に似た問いを懸命に考えた。
ハク「僕にもよくわからないけど、上手く伝える自信
はないんだ、ただ全ての事柄には共通点がある事は間
違いない気がするんだ」
所詮、猿に近い地球人から出される知識等、と私は
思ってしまっていた、現に原子の中に構成される更な
る構造すら発見できてはいない文明に答えを見つけら
れる筈は無い……と。
近くに居たヌクがハクの肩に手を置き言った。
「つまりはこの世は見える物だけ信じる傾向がある、
実は目に見えぬものの方が遥かに多く存在するという
のに、科学はそれを証明し更なる利用価値を生み出す、
だがそれすら既に空間の中に存在し当たり前のように
側にあるものを見つけただけの様なもの、強いてあげ
るなら火を山火事で発見しそれを利用する事で食事や
エネルギーとして利用価値を増やして生きてきただけ
の事、だがそれでは理解し難いもの発見できていない
もの、それだけでは理解できないものもある、それは
思想やこの世の中の理だ。
ハク「やるかやらないか、それは二つ、そして真ん中、
どちらでも無いで三つ、なんだかんだ言っても全ては
原子の構成もだけどそれで構成されてるだけ、そして
それが円を構成し全ての形が生まれるそしてそれは同
時にバランスを司る、それが円、星は円、原子は円真っ
直ぐに引いた線ですらそれは円の集合体、人の形も細
胞などの素は円の集合体、それは人であり宇宙であり
パソコンでありドローンであり本でありエネルギーで
あり人の思想であるって感じ?」
ポルキ「……」
ヌク「原子の構成は三つ、その形や形態は違えど生
けるものを構成する基本原則は円、そしてそれを割り
生み出したり、力を与えたりするのに必要なものは三、
一点、二点では構成できないものは存在するもそれを
間接的にいけるもの感じるものそして力になるもの、
生まれゆく生物の構成は元素と同じ三つの要素とそれ
を形どる円、地球が円ならば宇宙も円、円を描かない
ものは全て壊れそして円へと戻る……星も正確な円で
は無い、その形状が純粋な円な程長く存在しその円も
やがて長い時を経て壊れるが、その元は円に帰る、そ
の円の集合体が再び円を求め形成される、円に始まり
円に帰り円を生む、三と円、タレスの定理、見方を変
えれば組織の三要素、先ほど言った原子の構成、また
力の源、支点、力点、作用点、法則においてはフレミ
ング、視覚情報も然り、光の三原則赤、青、緑、色の
三原則など有名じゃが不思議と円と三角は別ではなく
似た性質を持つものだ、その三つで構成されるならば
全ての要素はこの大原則で構成されてる、その陽子の
中にもきっと三つの構成でなされていて全ての構成は
これで成り立ってるからこその宇宙の真理それは大き
くまとめると地球というその中を一つとすると進化の
過程の頂点が結果人間だとしたらその周りにいる生物
はその対象となる生物の周りを泳ぐ電子、つまり原子
を地球に例えるならばその他の生物はそれ以上に進化
できないように何かしらの力、法則という原理が働き
かけてると言いたいのじゃな」
ポルキ「感情は個々の生物にもあるが同じ時を経て進
化し続ける事は全てに共通する、が……それならば長
い年月を経てば全ての生命体は知恵を持つはず、牛や
馬、昆虫すらも何かを作り考え、哲学や経済、乗り物
や対話をし発展する筈……脳の大きさだけで測るなら
ばイルカ等人の脳より大きい筈だが進化がそれを止め
ている理由……だがそれが行われない中で何かの力が
働いている……そういう理論か」
ヌク「こじつけと言われればそうかも知れん、だがそ
うかもという曖昧ですらその中間、理解、不理解の間、
視野を大きくすれば見えてくるものもある、難しく感
じることはない、それは法則の中で生きる生物にはそ
れぞれ役割があってその答えは行き着くところは同じ
でも解釈や捉え方で様々な道がある、けど結局はその
理の中で生まれ生きていく生命体はその理のバランス
で成り立つからこそ生きていける、その理のバランス
は時を作り、また悪や正義といった観念という思想す
ら生む、だがその理に反した行為、それはその世界を
壊す戦争や侵略、殺人に限らず聖書でもある様な大原
則、大きく言えば民衆を殺す戦争、そして変えてはな
らぬ原則に関わる政治だ、独裁を防ぐ為に出来た任期
の延長などはそうだ、長く任期を得れば過去の独裁政
治の様に逆らえない力を生み出す事になる、人は利に
囚われ理を失い我が利を得るために目先の欲望に囚わ
れ、また状況が変わればそれに従い理を壊す……モノ
の正義は関係なく動く理を破れば同じく全体の理の力
が働きそれはやがて理に逆らう事により理によって破
滅の理となる、理とは法則でありそこに正義や悪と
いった概念は無い、その理に従いどう生かすか、それ
が生命体の役割であるとハクは言いたいのじゃな」
ハク「……分からない」
ポルキ「……分からない?自身が出した答えだという
のに?」
ヌク「それこそが真理では無いか、言葉や科学や思想
は全てが表す物では無いという概念もまた明確に答え
を出すという結論もまた真理、コイツの怖いところは
それを本能で感じてる所じゃ、わしも説明はしとるが
その真理を理解しているわけではない、その理解者こ
そが神様というのかもしれんな」
ポルキ「……それを彼は本能で感じれるというわけか」
ハク「あわわ……勝手に話が複雑化してる」
ヌク「お前はそれでええんじゃ、感じ言葉にするので
はなく行動でそれを成している、お前は自然で居る事
が真の仲間を集め、それはお前中心に形成され、行動
や思想、考えがお前の自由さ、発想、そして答えをだ
しとる、行動も言動もまたお前のいう真理の一つだか
らな」
ハク「……じゃそういうことで」
ヌクとポルキは互いに顔を見合わせ笑った、研究に研
究を重ね文学や科学にて真理を知ろうとする者、主教
や哲学においてその真理に辿り着こうとする者、どう
いう形であれ行く末は全て同じ到達点、行き着く頂の
進化は恋でもいい勉学でもいい、コマ回しでもいい、
ゲームでも掃除でも全てにおいて行き着くことが出来
る真理なのだから、そう彼らはハクを見て感じたの
だった。
ヌク「……だからこそお前はこの先大いなる渦に巻き
込まれるだろう……それもまた理を感じ取る者の定め、
いや……今はいうまいて」




