表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/237

純衣戦 8 快闘

戦闘は激化していた、誠、クリスも奮闘するも戦い

は互角、彼らの恐怖は命の終わりを意味する、人の

最後の失いたくない絶対的なもの「命」の為に戦う

彼らに後は無い、それはより現実的な方へと従う、

黒田と純衣、比べるまでも無かった、仮に天使と悪

魔を天秤に掛けても人は悪魔に心囚われそして地獄

へと落ちるだろう、結果が同じでも、人は生の為に

生を捨てる生き物だから、恐怖と言う猛追がハクの

仲間を追い詰めていく、其れは来栖チームも同じだ

った実質は1人対2人という状況に追い込まれていく

一対一でも油断のなら無い強敵の実力にヒロも懸命

にカバーするが実力と経験が違いすぎた、あらゆる

隙を突き、衆の攻撃対象はいつしかヒロを殺す事に

シフト変更していた、定石は強い者を倒す事と思い

がちだが、それは状況による2人で追い詰めなけれ

ばならない程来栖は強かった、こう言う場合、弱い

者を先に倒し確実に勝利を掴むには効率がいいから

である、元々攻撃主体であるレイピアでの味方を守

りながら戦うスタイルは来栖の本来の実力を発揮出

来ず苦戦していた。


ハク「行くよ!」

裕太「おう」

体に何やら巻き付けたハクの足を両手で持った裕太

が猛然と襲いかかる衆に向かい突進する、短直に見

える横殴りの人間棍棒というべき攻撃は衆に軽々と

避けられたかのように見えた、だが衆の眼前に見え

たものはハクが背から回した棍棒だった、人の体重

の全てがのる棍棒の威力は凄まじい、それは緩やか

に見えるプロボクサーのパンチにも似ている、当た

ればその衝撃は計り知れない、それは緩やかに見え

る点では丸太も同じだ、当たれば人は軽く吹き飛ぶ。


衆「コイツらなんだ、何なんだ、この攻撃は方法は

下がるしか」

裕太「逃しはしないよ、ハク速度上げるよ!」

ハク「ひぇ!わ、わかった」

 一気に速度を挙げ裕太が前に出るとその怪力で振

られた人間棍棒は勢い凄まじく少々下がった位では

棒を持つハクの射程距離から逃げられる筈はなかっ

た、咄嗟に剣をハクに突き刺しはしたが腰の引けた

斬撃は体に巻いた防御壁を切る事もできず剣と同時

に玩具の様に宇宙へ大きく弾け飛んでいった。


ハクと裕太はサークル時に大きな力に対抗すべくサ

ークル内で全員誰と組んでも力を発揮できる策を既

に練習済みだった、其れは力の強い裕太がハクを武

器として扱う攻撃方法だ、体重の軽いハクをまるで

ジャイアントスイングの様に振り回すこの策は武器

であるハク自体が防御と攻撃を兼ね備えている、遠

距離であろうが中距離、近距離を問わず武器自体が

其れを縦横無尽に変化させる為の策である、その実

力は戦闘開始僅か5分も持たず敵の衆1人を最も簡単

に撃沈したのだ。


ハク「終わった……回転には訓練したけど未だキツ

い、おぇえ」

裕太「遠心力がかかるからね、でも短時間勝負なら

武器自体を人に変える発想はなかなか出来無いから

即座に対処にも難しい上に変幻自在、胴体に本を縄

で縛って固定してたから敵の打撃にも強い」

 頭に一気に血が上った事による目眩と回転作用で

フラフラになりながら口を手で抑えながら純衣の背

後につくハクだった。

ハク「ハクが吐く……by晴おぇ」


 裕太は自身の戦いを早々に終わらせると試合場に

入ってこようとする熊1匹と戦いに入った、彼の武

器の盾を巧みに使う、盾の先端と尾に2本づつの突

起が細工してある盾はかなり強い衝撃を地面に刺す

事で自身の力と地面の力を借りれる簡単細工な細工

を施した物だった、そして動物と違い人が持つ技を

駆使する戦い方に裕太の馬鹿力が加わり試合会場を

懸命に守るのだった。

『人が地球で生存競争に勝利した理由はそこにだ』


菅「ハァハァ……これ持ってきたよ、貴方が真の力

を発揮する為に必要なものだろ?」

 刺された腹を支えながらも重い荷物を運び出した

菅其れは棺桶と言う名の武器庫だった。

菅「私が……サポートに入るから必ず勝って」

黒田「……愚かな女、罪滅ぼしのつもりか」


ハクも同時に純衣の背後に回る。

ハク「ヌクさん!時間は?」

ヌクは戦いながら言った「ホホ、気付いとったか20

分位かの」

純衣・ハク「了解」


黒田「いいかミスするな、お前の命尽きるまで私に

尽くせ」

菅「勿論……だよ」


 黒田が猛然と駆けると襲いかかる、だが余裕があ

る動きで純衣は其れらを尽く避けるも次第に動きが

小さくなっていく。

黒田「気づくか保護色仕様だったが目のいい奴め」

辺りに鉄製のマキビシが敷かれていたからだ。

黒田「お前の動きは封じさせてもらった、お前が如

何に動きが速かろうが加速を失っては避ける事も出

来ず攻撃力も弱体する羽根をもがれた何とやらだ」

ハク「純衣!これ使って!」

投げ入れられた棒をしっかりと握りしめる純衣

純衣「アンタのやり口は好かないね、アンタご自慢

の強さは所詮、家事にも劣る」

黒田「血を流し身に付けた芸術に対し家事だと?

戦闘を貴様、また私を侮辱するのか!」

純衣「来な、見せてやる」

 純衣の棒の先を地面に着けるとまるで掃除をする

様に履き始めた、驚く事に棒の先端に鉄製のマキビ

シがどんどん付着していく、そう中には強力なネオ

ジム磁石が中に仕込まれていた。


純衣「さて片付け出来無い子にはお仕置きだ」

 幾つも重なったゴミを利用し無拍子の乱打を浴び

せる、黒田が避けようとするも長く歪に重なってく

っついたマキびしはまるで踊るように動きを変化さ

せ黒田を襲った。

ハク「鉄って磁石とくっ付くとその鉄自体も磁石へ

と変化するからね、君が散らかしたものは純衣が掃

除してくれるよ」

 独特のうねり、予測のつか無い動き、ソレは鞭と

いうには歪な、磁石特有の接着しながら動く挙動に

黒田も完全に避けきれ無い。黒田「見た事もない挙

動……くそぉおお!」

 堪らず大きく後へと下がる黒田に対し純衣はグリ

ップを回した、そして大きく野球のバットを振る様

に振りきると一気に付着したマキビシが黒田に向け

無数に飛んでいったのだ。

ハク「磁気シールドとアルミが仕込んであって手元

の捻り操作で磁気遮断が自在にできる仕組みです、

とはいえ中にグリップ回せばシールド上に上がるだ

けのシンプルな構造だけどね」

黒田「何!」

純衣「もう!こんなに散らかして、まだ掃除しなき

ゃほれほれ」

 集め重なったマキビシを綿菓子でも作る様に巻き

始めると棍棒の先に付いたソレは綿棒の先の様に丸

く重くなる、引きずる様に回転し始め黒田に向け投

げつけると受けた黒田の剣に当たると磁力体から外

れたマキビシはバラバラになり彼の体を容赦なく襲

う、形を変えマキびしを集めてはお掃除のように丁

寧に隅から隅まで姑の様に掃いては投擲を繰り返し

た。


菅「これ!マントで防いで!」

 無意識に呼応する黒田は菅から投げ入れられた

マントを身を翻し回転する、マキビシを絡め取る

様に布に巻き付いたマントは彼等の周りに落ちて

行く、だが全てというわけにはいかず幾つものマ

キビシは菅の体を傷つけていった彼等までの道が

安全になった地面を疾風の動きで純衣が黒田との

距離を詰めると棒の先を反対側に切り替えた、そ

の片側の先は100均にある滑り止めが巻いてあり、

その摩擦で棒をマントに捻り込む様に突いた後、

一気に引くと黒田の手からマントを奪うと器用に

棒でそのマントを畳んでいた、散らかったマキビ

シに踏み込む事もできず立ちすくむ黒田の足元

で菅が手を血だらけにしながらもそれを掻き集め

る姿が黒田の目に映った。

純衣「ほら!散らかったら身動き取れ無いでしょ!

掃除一つも効率、角度、発想、隅々まで見張る視野

の広さや細かい動作が必要なんだ、アンタのやって

ることは細かい小細工ばかりで男がやりがちな広い

視野を持たず細かい所だけ見てるからそうなのよ」


ハク「……グサ、女子は広い視野だけが多くて細か

い所を見るのは苦手だよね、全て出来るのがプロ、

純衣に隙はない!僕が隙だらけな分!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ