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女レイダー


A「あんた達がコイツの言ってた刺客か……


純衣の見た目と強さのギャップに自分で見た光景が

信じられないと言った表情だ、

童顔にして決して太いとは言えない腕に括れた腰、

どこにそんなパワーがあるのか……と

更にもう1人の男、顔が穏やかで誰もが第一印象を

幸せそうという印象を持つような、

太い体型が更に何処かのゆるキャラを思わせる、

だが、ただの脂肪ではないという事はわかった

お相撲さん程でもなくマッチョでも無い

見る奴からすればただのポッチャリ君だ……


「いや、ジロジロ見てすまない、

しかし驚いた……選手なんだろ?

申し分無い強さだ、こりゃひょっとして

本当に雪丸の無敗神話破る可能性あるぞ……」


純衣「?」


状況が飲み込めてない純衣に相葉が慌てて駆け寄り

耳打ちをする、状況を説明する暇は無いことから

ハクのいる場所へと案内し、そこで奴に聞けと

純衣はハクの名前を出すと驚く程あっさり

それに従った、裕太はその状況を瞬時に察し

今はそれに従うことが最善と思い、同じく彼等を

守りながらコミュニティへと向かう、

相葉は道中に話を彼等に伝えるのだった。


思わぬ急展開で純衣の出場を期待する

監査役達だったがハクが嫌がる事はわかっていた

裕太は伝言内容から察し、純衣ではなく

自ら選手として登録することとなった。


A「開けろ!客人だ」

入り口の門番が純衣を見ると口笛を鳴らす


門番A「うほっ!いい女じゃねぇか!売女か?」

言い終わった瞬間、門番は吹き飛んだ……

門番B「何しやが!あ……」

Bももれなく吹き飛んだ……


相葉「あの……ここでは大人しく……」

門番C「この!いきなり何しやがんだ!クソ女」

瞬時に棒が門番の額目掛け飛ぶが肩を叩き

落ち着かせたのは裕太だった。


裕太「我慢、我慢、先ずはハクに会うのが

最優先……でしょ?」

瞳を輝かせ首をブンブン縦に振る純衣

門番に怒らせないように相葉が注意を促す

相葉「この方達は闘技場の選手ですので……

言葉には気をつけて下さ……い」

ビクビクしながら倒れた門番を見たが……

門番は泡を口から拭いて意識が無かった。


門番C「……そう言う事か、

しかし……まさか女とは」

監査役「いや出場は男の方だ」

純衣「まさか?それって女が男より弱いと

言うことかしら?守る相手が居る事こそが

強さなのよ、byハク」

門番は倒れたAを見て首を横にブンブン振った


門番C「い……いや、充分実力はわかった、

男の方も強いのだろう、通って良し」

無事、門を通り抜けると颯爽と歩く純衣に

レイダーの視線が一斉に集まる。

レイダー「おいおい、こりゃまた、とびっきりの

上玉が来たぜ……」

レイダー「いい身体してやがるな……」

デレデレの雰囲気に女レイダー達は面白くない

颯爽と歩く姿は凛とした姿勢に瞳が綺麗で上品な

立ち振る舞いを醸し出す、現代でも彼女が出す

雰囲気に皆一目を置く程のものだった。

数人がジロジロと舐めるように純衣の周りを回る

レイダー女「ケッあんな可愛い顔して男にケツ

振って媚びてる女どこがいいんだい」


『そりゃお前達だろ』と男レイダー達は

心で思うも女は世紀末では基本弱者の部類に

入る事から、極限状態での戦闘や食料の奪い合い、

虐待等、力関係が重点のこの時代では被害に

遭うことも多く、特に見た目の良い女は

更に被害が多い故に存在自体が希少価値はあった、

故に怒らせると後々面倒くさい……


レイダー女が純衣の背後から近づく

ジロジロと彼女の周りをグルリと回ると

棍棒で背中から突く仕草を見せた瞬間、

純衣が振り向いた途端、相手から見れば完全な

死角の脇から出た棒の先は既に女の鼻先に……


レイダー女「いつ間に……」

純衣の強さの一つ、無拍子は人の反応速度0、2秒

更に視覚効果でズレの無いその攻撃は相手の目線に

直線で来る事にある、相手の脳は棒の先から

どれ位の伸びで自分までの距離を測るがそれが

脳に伝わる違和感を感じる時間には既に攻撃は

相手にヒットするという物である。


レイダー女達「……コイツ選手じゃないんだろ?」

監査役「あぁ一応な」

レイダー女「ハッ、私に喧嘩売ろうってのか?

あんた1人じゃ強いのか知らな行けどね、

この時代に卑怯なんて言葉は無ぇんだよ

少しはやる様だが、この人数相手に喧嘩売るなんざ

頭は見た目通り馬鹿らしいね」

その言葉に呼応するように周りにいる

女レイダー達が嘲り笑うのだった。


純衣「……」


レイダー女「おい何かいいやがれ、無視か?

いい根性してんねぇ……

おい!皆でここの流儀教えてやろうぜ?」

純衣を中心に其々が武器を持ち取り囲んだ。


「やかましいぞ!」

その騒ぎに笠田の命令を受けた暗器が得意な

黒田と小杉が選手が来たとの報告を受け

見に来たのだった。


『黒田圭』は暗器と呼ばれる武器を使いこなす

中国や日本では古武術に割り当てられる忍術に

近いものだ、その特性は独特の武器を使う

ある時は袖に隠したナックル状の伽爪や峨嵋刺、

見えぬ位置の靴や足にナイフを仕込み攻撃する、

投げナイフも然りだ。

相手に見えない殺人術、隠した暗器を巧みに使い

敵を気づかせず倒すというスタイルはある意味、

無拍子に近いスタイルと言える。


拍手をしながら純衣に近づく黒田、服は黒ずくめ

のコート姿、腐った魚のような目をしており、

目の下は寝不足なのかクマが酷い、

顔は青白く不気味な雰囲気を漂わせる男だった。


黒田「女、下がれ邪魔だ」

レイダー女「だってコイツ」

黒田「下がれと言ったぞ?俺は……」

レイダー女「チッ……わかったよ、

あんた、覚えときな、選手で無いお前は此処で

何があっても命の保証は無いからね、

せいぜい歩く時は横のおデブちゃんと

一緒に歩くんだな、まぁおデブが居たって

意味ないけどな気をつけな……」


裕太「……捨て台詞は男女関係ないんだ」

女レイダー「あんだと?黙ってろ!デブ!」

裕太「僕、気のきつい女……苦手」


黒田「雌豚共の話し合いは終わったか?

選手は豚の方か……なかなかいい筋肉だな」


裕太「さっきから豚豚って……傷つくなぁ……」

純衣「裕太は豚じゃないよ?その筋肉は人間が

本能で抑え込んでる筋肉の限界値を支える為に

肥大した裕太の特性だからね」


黒田「へぇ……稀にいるタイプか面白いね君、

分泌物異常って奴か」

小杉「そうなのか?」

黒田「喧嘩した時異常に痛みに鈍感になるだろ

それに火事場の馬鹿力ってやつ、

脳内エンドルフィンとかの分泌物異常な奴が

たまにいるんだよ、まぁ制限付きになるけどな

それに武器とスピードタイプの俺が最も相性が

いいタイプだ……その脂肪の厚さを切り刻んで

見てきたいなぁ……」


純衣「怖っ……グロ趣味」

黒田「口の悪い女だな、まぁいい、女とやっても

つまんないし、大体女が強い事自体有り得ない

女は男に股開いてなんぼでしょ?」


裕太「女性は子を産み未来へと繋げてくれる

その言い方はちょっと許せないな……」


黒田「真実を言ったまでだよ?何怒ってるのか

わからないけどさ、まぁいいや、俺も大会に

出るんだけどさ、豚くんとの戦いよりも俺……

その女とやりたいなぁ……大会中のAVもまた

盛り上がるんじゃない?ギャハハ」


裕太が純衣の前に庇うように前へ出た。

裕太の後ろで身を隠しながら黒田を覗き込む……

純衣「何この気持ち悪い奴……」


黒田「可愛いなぁ、それにその目……

この時代には珍しく輝いてるよね、

この時代にそんな目をする奴は少ないよ……

そういう目をするって事は、あれか希望とか夢とか

語ってるクチ?クククっ今だに居たんだねぇ……

その目……腐った魚の様な目に変えてからヤッたら

……ヒィ!ぞ、ゾクゾクする!」


純衣「……怖っ」

「あんた寝不足で頭おかしんじゃないの!

8時間は寝なさい!」


黒田「寝ると脳に蛆が湧くんだよ?

脳に良く無いじゃないか」

裕太「……何かやってるね、関わらない方が

いいタイプだ、純衣は僕の後ろから出ないで」

純衣(アイツ、着てるロングコートに武器大量に

仕込んでるよ、気をつけて……膨らみから見て

コートにナイフ、それも二つ……か足の先も作業靴

の底が二重になってる、何かある、

それに袖の膨らみも何か隠してる)

裕太(大丈夫、何が来ようが盾があるから

純衣は僕の後で隠れてて)


黒田「さっきさ門番に言ってたハク?その人物に

惚れてるからそんな目が出来るのかぁ……な?

こんな時代に純愛ってか?なるほどね

チッょっと待って純愛……おえ気持ち悪い」

そういうと本当に嘔吐する黒田。


純衣「……関係ないでしょ、それに世界が

変わろうが私が変わる訳じゃない」


黒田「へぇ……ならその相手も闘技場出るのかな

そいつが殺されたらその目は出来なくなるのかなぁ

それも面白そうだねぇ……そうなったら悲しい?

泣く?この世に相応しくおかしくなっちゃう?」

純衣「……」

黒田「小杉ちゃん、決めたよ、そのハクって人物が

登録メンバーに居たら僕が対戦相手になる様に

仕組んどいてね」


裕太を押し退け純衣が前に立つ、その目は強く

怒りに満ちていた。


純衣「どういう意味?」

黒田「そのまんまの意味だよ、だってこの世に希望

なんかあっちゃイケナイでしょ?希望は理想

絶望は現実、そうしないと、皆が希望を持ったら

それは力関係に逆らうレジスタンス的な物が増えて

それは結果争いが起きて犠牲が増える訳でしょ?」


「皆が皆、現実を受け入れ、人間は種という価値を

この地球に残すのが正しいと僕は思うんだよね

好きとか嫌いなんかで尺度測ったら子供なんか

生産性が悪いでしょ?なんか間違ってる?

常にこの世は太古の昔から家や位の高さ、

生きる為に種族を残し反映する為に

そうしてきたじゃないか、戦国の世も

世界大戦時代にも元々自由で結婚とかする方が

おかしいんだよ?歴史知ってるかな?

それに女は男の財産が中心、どんな綺麗事

言ったってその事実は変わらなかっただろ?

男も女の見た目や体を求めその関係性はちゃんと

保たれてきたじゃないか?

心?そんなもの最初から無いんだよ、

結婚してから好きになる?んなの言い訳でしょ、

根本の先にメリットを考えたその答えは常に

自分への妥協、言い訳の正当性を保つためのもの」


純衣は髪をときながら、

つまらなそうに話を聞き流していた

黒田「……話聞いてる?お馬鹿さんなの?

女は感情で物事を聞かないから仕方ないかぁ」


純衣「アンタの話がつまらないからよ、

グダグタ御託並べてさ、なんで私がアンタの言う

歴史に出てくる統計上多い傾向に合わせて恋を

しなきゃならないのか全くもって……

さーぱり……わかんなーい」


「恋はね……将来の不確定要素なんかないの、

それは2人で作っていくものだから、

今ある気持ち……その人の事を考えるだけで生きる

力が湧き、瞬時に目の前の世界が明るくなるの

条件やお金、見た目だけで得られる物ではないし

今もそう……ハク」

クネクネし出す純衣


裕太「見ていてこっちが恥ずかしくなるよ……」

黒田「……アホですか」

「しかし見てるだけで何でしょう……

やっぱりムカつきますね……ああああムカつく

女は痛い目に合わないと現実が分からないんだよね

その感情、血と痛みと恐怖の中で貫き通せるかな」


そう言うが素早く服の裾から出したナイフを純衣の

顔目掛け放つ、が純衣はクネクネしながらも

棍棒の先をひょいと軽く前に出すと

その先にナイフが当たり弾け飛んだ。

そのナイフは相葉の足元の地面を抉り跳ねた、

相葉「ぎゃ!危ねぇだろうが!」


黒田が構える……純衣は相変わらずクネクネ

緊迫した空気の中、純衣の周りだけは、お花畑

黒田が更にナイフを出し腕をだらんと垂らした

状態から『腕を差し出すように前へ

突き出し投げた』


だが純衣は構える事なく棒をクルリと回転させ

『下から回した棍棒に』ナイフは当たり、

それは大きく弧を描き上空に弾け飛んだのだった。


純衣「変態投げナイフなんか通用しないよ」

黒田「……こんな簡単にナイフ避けられたのは

初めてだよ」


純衣「投げナイフの軌道はその腕の振りと

同じ軌道でしか飛んで来ない、左上斜めから

右下斜めに振れば鏡同様、そして動きと逆、

右下斜めから左上斜めに、縦なら縦に同じように

棒の先を合わせただけだ、け、ど?」


女レイダー「マジか、確かに直線で飛ぶナイフは

腕の振りの力を利用するから反転鏡の要領で

巻き戻しのように真似すれば軌道は必ずそこを

通るわね……」


黒田は言葉を発した女レイダーに近づき胸グラを

掴み殴り吹っ飛ぶ女レイダー


黒田「横から口出してんじゃねぇよ!それとも

何か?軌道がわかればお前も俺の投げナイフ

避けれるとでも言うのかお前如きが

講釈たれてんじゃねぇぞ!」


女レイダー「そ、そう言う意味じゃ……」

黒田の顔が真っ赤になり怒りが止められない

裕太「切れる典型のタイプだ、彼に言葉は通じない

それに切れると自分を抑えられないようだ」


女レイダーを救おうと裕太が動くよりも先に

純衣は疾風の様に駆け出した。


黒田「男にすがるしか生きれねぇ奴が!奴がぁ!」

横たわる女の腹に靴の先を当てるように蹴る寸前

純衣は女の前へと滑り込み蹴りを腕で受けたが

強烈な蹴りに衝撃は吸収しきれず純衣と

女レイダーは2人同時に地面へと転がった。


女レイダー「アンタの世話にはなんねぇ!余計な

事してんじゃねぇよ!」

そう言うと女レイダーは純衣に向かい唾を吐いた、

レイダーは先程の反射神経の良さに当然純衣は

避けるだろうと思ったが、唾は純衣の腕にそのまま

かかったのだった……


「アンタ……」

よく見ると腹を押さえ苦しそうにうずくまる純衣に

思ったより華奢な体だった事に驚いたのだった。

すぐ様裕太が純衣を庇うように壁になり

立ちはだかる。


裕太「女の子に……暴力か……

僕……かなりムカついたよ」


優しそうな裕太の顔が強い目線で黒田を睨みつける

裕太「男より女の方が力が弱いのを知っての行動

だよね?……」

裕太の腕の血管がはち切れんばかりに見えていた。


裕太の肩を叩き、前へでる純衣、左手で腹を押さえ

右手で棒を杖のように支えながらも

純衣「アンタ……今この人の腹狙ったろ

女の腹はな……大好きな人の子供が眠り成長する

大切な場所なんだよ……」


女レイダー「……アンタ」

何かに気づかされた様に純衣に走りより自分の

吐いた唾が当たった場所を袖の生地で懸命に

拭き始めた


黒田「おい!女、てめぇ俺の行動の逆らう気か?

ここでの居場所無くなるのわかってて

やってんだろな」


女レイダーはそれを聞いても拭く動作をやめない

「……そのごめん」

純衣「お腹大丈夫?」

女レイダー「私よりアンタの方でしょ!

……ごめん、人間社会崩れてからさ……人に優しく

された事なかったからさ……女同士は人を蹴落とし

生活を安定、男は女を性の道具にしか思ってない

奴らばかりでさ……」

純衣「……」

女レイダー「私のお腹、そうだよね……

私の存在価値、あるんだよね、また男を心から

惚れる男って……いるよな、アンタみたいに

目を輝かせて男の話できるようなそんな男、

いるんだよ……ね?」


純衣「いるよ……アンタが道を間違えなきゃね、

こういう奴らの側にいたら、そう言う奴らしか

寄ってこないし目にも入らな無くなる

アンタが思う世界は自分をつら抜いた先にいるよ」


純衣が黒田の方へと向き直し言った。

黒田「女!拭くなってんだろーが!」

女レイダー「私、夏帆ってんだ……」

黒田「聞いてんのか!」

純衣「夏帆ちゃんね、いい名前だね」

夏帆「……」


夏帆は純衣の更に前へ出た。

黒田「おいおい……今度はクソが相手か?お前如き

後でコソコソしてねぇとその大事な腹にナイフ

宿すことになるぞ」

夏帆「……は?もうアンタの脅しには乗らないよ

アンタ達(仲間女レイダー)私はこの人に着くよ

女だってさ夢みてもいいよな?」

黒田「あ?夢だ?ほら見ろ……すぐ調子に乗る

お前がいらない事して、こいつらの今後どうなるか

予測つくか?つかないだろ?あぁ?棒使い」


「逆らった事によりコイツらはこれから此処で

歩く度に毎日男に攫われ遊ばれた挙句殴られ……

うぅ可哀想、挙句、人が見てない場所で誰かに

殺されるのさ、それが幹部護衛に逆らうと言う事だ

それはお前が夢を見せたからだ、言ったろ……

親切にさぁ……夢を見る希望を見ることは現実を

見ないって事なんだよ?」


夏帆「どうせ生きてたって……今気づいたよ

お前が言う生き方した所で生きてないってな」

夏帆の前に呼応した女レイダーが守るように

前へと立ちはだかった。


黒田「何人か見せしめにしたら落ち着くか……

腹にナイフ宿しとけ」

その時、夏帆と女レイダー達を押し退け純衣が

前へ出てきた。


純衣「宿らねぇよ」

裕太「あぁそうだね」

純衣「裕太、ここは私に、ここの女の子達

頑張ったんだ……此処は女である私が彼女達の力に

なるべきだ」

裕太「……」

裕太は一歩後へと下がり盾を構え出した。


裕太「君たちの行動の結果が今僕が君達を守る

理由だよ」優しく微笑む裕太だった。


純衣「アンタ大会でるんだってね?ハク狙いで」

黒田「あぁ出るさ、ハクね、覚えたよ、アンタの

大事な物切り刻んでアンタの前へ肉塊として放り

投げてやるよ」


純衣「裕太……試合私が出る」

裕太「えそれはちょっと……」

純衣「ハクの事言いやがったんだコイツ

私がそれに対し指を咥えて待ってろって……?」

裕太「……怖い」

「でも駄目だよ」


純衣「それにこの子達に恋愛パワーを

見せてやりたい、未来は自分の中にあるって

愛は何者よりも強いって、私はハクのために……」


『戦いたい』


裕太「……もう駄目だ僕じゃ止められないよハク

わかったよ」

振り向きとびっきりの笑顔で笑う純衣に周りの

男レイダーから歓声が上がった。


レイダー「おい黒田!いいじゃねぇか!

闘技場でのストリップショー期待するぜぇぇ!」

レイダー「女が2度と男に逆らわない様に

見せしめだ!かなりの上玉だがお前に

くれてやるぜ、見せつけろ!」

「こんな上玉切り刻める何て羨ましいぜ!」


純衣「コラー!私はハクのもんだ!くれてやる

何て勢いでも言うんじゃねぇ!」

またも空気が変わり夏帆達が笑った……

その笑いは今までの引き攣った笑いではなく

心からだった、昔の平和な時代の頃のように……


黒田「……まぁいい、試合で現実の結果が

出る、その日をもって女レイダーから希望は消え

これでまた犠牲が出ない平和が訪れる

生贄にはうってつけの女だ……」


ーー純衣参加決定ーー


純衣談


「投げナイフの避け方?簡単よ、手に持ったナイフ

は必ず刺さる投げ方をする奴らは線で投げる

それは腕の回転、つまり腕自体を見る

その描く軌道の線の上に同じ動きで棒を出せばいい


下からだろうが上からだろうが弧を描く場合

そうねぇ……左上から右下に45度の角度で投げる

とするとね、同じように弧を描くように右上から

左下に向けて同じ軌道を描くの


人の投げるモーションでナイフが飛び出す

タイムラグは飛んで来る飛距離もある事から

キャッチボールをする様に受けれるわ

銃じゃあるまいし人間の反応速度なら

十分対処できるわ

弓矢を掴む人も世界にはいる様にね


頭を使う必要は無いわ、ただその動きに合わせ

同じ動きをする、それだけよ、なまじっか悩むと

動きは遅くなるし、考える必要はないからね


刺さる場合の対処はそれ、刺さる目的はナイフの

先が常に進行方向に向いているからね、

投げる仕草も独特の線を描く、

タイミングが棍棒の場合、当たる面がもしずれても

弧を描く反対側があるから一周回る必要もない、

それに棍棒が半円を描くスピードは十分それを

補えるの、棒の根本から先全てに当たり判定が

あるからね。


夏帆「へぇ……今度教えてよ」

純衣「いいわよ、この時代女も強くなきゃ男

守れないからね、いい?女の方が戦闘向きなのよ

体の特徴は、柔軟さ、体操で言う昔の平行棒然り

衝撃を体で吸収できる本来の強さに、力は武器

反応速度は長さ、ハクが言ってた、

それにメッチャ強くなくていいのよ、できる範囲で

必要なのは自分の身を守こと、それが彼を守る事と

同じ意味を持つの」


女レイダー「どう言う意味?」

純衣「彼氏が傷ついたら悲しいでしょ?

私なら許さない相手」

レイダー「そうね、確かに」

純衣「男も女も同じよ、好きな相手が傷ついたら

心が痛いの……だから彼の為にできる事は自分の

身を守る、これが最も重要よ」


夏帆「相手の気持ちになってだね」

純衣「それそれ」

夏帆「ならさ……純衣闘技場で戦う時、コスプレ

してみない?」

純衣「えー!恥ずかしいよ」

夏帆「何言ってんの、そんないいスタイル

勿体無いよ、これ見て!革で作ったボンテージ衣装

これならハクって人もイチコロよ!」


純衣「……うぅ恥ずかしい」

女レイダー「そこウブなのね」

夏帆「くそ、可愛いじゃねぇか」

女レイダー「衣装は私たちが作ってあげるね

相手はあの黒田だからね、女の戦いでもあるわ

私達の夢アンタに託すよ」

純衣「託されても困るけどね、私は基本ハクの為に

戦うんだから」

夏帆「いいのいいのそれで!一番力が出るんでしょ

羨ましいなぁ、それ見て私達も勝手に勇気

もらうから、アンタはアンタらしく戦いな、

それにアンタの気持ち此処にいる女達はわかって

からさ……口だけの男と違ってアンタは態度で

私達に希望を見せてくれた、それに守ってくれた

此処にいる間は私たちがアンタ守から安心して」


女レイダー「きゃ!楽しみになってきた!楽しい事

なんか此処にきてから何もなかったけど、よーし

みんな!とっておきのお衣装作るよ!

女の力は他にもあるってこと教えてやんぜ」



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