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クリス12



通路の一つを目指す彼等、

先頭はシルブァ、シンガリはボルドに

守られた陣で戦闘は続く


ドームの中の気温が上がっていくのが解る、

先程同様スリープ状態だったのか地面から

続々と現れるゾンビ達。


クリスの足に地面から伸びた手が絡む、前転で

姿勢を立て直し銃を両手でしっかりと握り片膝を

つきながらも一体、そして勢いよく向かうゾンビを

更に一体の額を貫いた。


横転したクリスを見たゾンビ集団は立って行動する

イルガやモス達から瞬時に視点をクリスに

向けたかと思うと一斉に全力で駆け出した。


クリス「!」


クリス「気を付けろ!足元もだ、コイツ等、

倒れた者に集団で襲う傾向がある!」


クリスに群がろうとするゾンビ達


前方に居たイルガ達を通り過ぎ、弱った様に見える

クリス目掛け突進する。


黒兵「我々を無視?した?」


イルガ「撃て!」


彼等が一斉にクリスを守る為、背後から一射撃を

無数の弾を浴びせる、


ーーが、怯む事ないゾンビ達の動きは止まらない

クリスの装填された弾は凄まじい勢いで

消費されて行く、近ずき過ぎたゾンビは銃の土台に

した左手に持つコンバットナイフで刺し耐えたが

予備のマガジンを差し入れる暇など無かった。


頭を撃ち抜かれたゾンビ、接近し喉を掻き切られ

呼吸に苦しみながら、背後からの銃撃で倒した

ゾンビが続々と目標のクリスの脇を勢いが止まらず

すれ違う様に倒れ通り過ぎる様に倒れるが……


クリス(数が多い、チッ……駄目か)

クリスの目に続々と襲い来る集団の壁が倒せば

倒すほどに増え波の様な光景が拡がったその時、

爆発音と共に一気に視界が広がる、

即座に爆風で此方に向けて吹き飛んでくる

ゾンビ一体を身体で受け止め、ゾンビの体に

勢い良くナイフを突き立て爆発からの

衝撃の盾にしながら身体ごと吹き飛んだ。


クリス「クソ!ヤバかった!」


ラル「おい!イルガ!お前クリス事も

吹き飛ばすつもりだったろ!」


イルガ「……」


無言で即座に開いた空間に勢い良く

マシンガンライフルをクリスに向かい投げつける。


残りの弾を全て打ち尽くした彼の前方から飛んで

来るマシンガンライフルをシッカリとキャッチした

クリスがフルオートに即座に切り替え

マシンガンを構えた。


クリス「散れ!前の敵を撃つ!」

イルガ「クリスの前から散れ!」


同時に2人が叫ぶ


そう叫んだ瞬間、皆が一斉にその場から離れた


クリス「へっ!おっさん……やるね」

素早いコンビネーションにクリスのマシンガンが

即座に前方に向けて放たれる、吹き飛ぶゾンビ達


腰をあげ銃の撃つ方向を前だけに集中し

蹴散らし彼は駆けた。


サイドから襲うゾンビは二手に散ったイルガや

モス達が援護射撃し合流に成功


イルガ「走れ!進べき道はシルブァとボルドが

ゾンビを倒してくれている!此処はもう駄目だ!

遅れれば命は無いぞ!」


彼等全員の目に進べき通路以外の場所から

雪崩れ込む絶望的な多さのゾンビが視界に入った。


モス「チョ……多すぎだろ!飼育場とは

よく言ったもんだ」


ロフエル「んな事いってる場合か!走れ!」


駆け出しながら追撃のゾンビを撃ち続ける。


ラル「おっさん、お前、あの時狙ってたのか?

もしクリスにまで爆発の衝撃がいってたら

アイツも今は肉片だったぞ」


イルガ「集中しろ、だが……あそこで倒れる奴なら

この先もついてこれはしない、

倒れたらその時はその時だ」


ラル「……」


ラル「おい……俺はアイツみたいな反射神経

良くないからな覚えとけよ」


駆ける彼等の後を追うゾンビ、銃口から吹き出す

銃が線香花火の様に辺りに咲く


シルブァ「もう少しでドアに到着します」


ラル「もう少しで俺達もゾンビになりそうだ!

早く着いてくれ!」


『パン!パン!』


通路の壁の白が真っ赤に染まる

最早サイレンが回る赤の光は地獄の野次の様に

彼等を恐怖へと誘った。


素早くシルブァがドアへ到着し、キー解除に

取り掛かった。


シルブァ「ドアを開けると直線距離にして

100メートル程で階段に差しかかります

尚、通路の横のガラス窓が複数あり、監視下から

外れたゾンビの力で破壊される可能性は高い

此処から先のゾンビは飼育されて間がなく身体の

リミッターがありません」


モス「……どう言う事だ?」


『ガーガガ』


イルガの籠手型から連絡が入る。


ドロア「聞こえるか?ワシじゃ」


「いいかよく聞け、シルブァが言った通り、

その通路の先は試験体ゾンビの初期の奴達じゃ

ゾンビはなった瞬間は身体能力が高い、故に先程

出会ったゾンビには神経ガスを微量に放射し筋繊維

が千切れないかを実験していたゾンビ達だ」


「故に今度のゾンビは先程とは比べ物にならない位

足が早い、そして力は軽く人の5倍はある」


モス「生きて帰れる気が全く

しなくなって来たよ俺……」


ラル「冗談じゃねぇぞ!さっきのだって充分足が

早かった奴も大量にいたぞ!」


ドロア「無駄話はいい、そう言う事だ、

だが勝算がないわけでは無い」


クリス「……リミッターが外れて長く持つ訳は無い

そう言う事だな」


ドロア「お前の言う通りだ、其処を上手く

利用出来れば良いのだが」


シルブァ「各自、窓側及び通路の先にも警戒し

進んで下さいその先の部屋に保管室が有りますので

武器の補充が可能かと」


ドロア「コレから先はシルブァとボルドも

期待するなよ、彼等はクラスターゾンビだ、知能が

ある分、リミッターはギリギリでもある存在だ」


「力と速さにおいてはゾンビの方が高い、それでも

お前達よりは戦闘能力は高い、悪いが頼めるか

シルブァ、そしてボルド」


「了解しました、先陣は私が勤めます」


イルガ「聞いたな!行くぞ!」


ボルド「急いで下さい……私の左腕の機能は既に

停止しています」


既にボルドの左腕は先程の戦闘での使い過ぎにより

元々負担の大きい戦闘スタイルのボルドの腕の

筋繊維が千切れ腕を上げる事もままならない

状態まで来ていた。


クリス「……ボルドとやら、

お前、陣の真ん中にいろ」


ボルド「いや、私はあなた方を守り道案内をしろと

命じられた……それは出来ない」


シルブァ「開きました」

その声と同時にーー


『ガッシャン!』


ドアの窓のガラスが割れ進入先の通路へと

続々と侵入するゾンビ達。


ラル「人間じゃねぇんだ!ああ言ってんだから

シンガリ勤めさせろよ!後のこっちもギリだ!」


マガジンを慌て取り替えながらラルが叫ぶ


クリス「……うるせー!生き残る決断だ!

お前、道案内すんだろうが!なら戦闘できる人間は

多い方が結果、生き残る確率は高まるだろうが」


ボルドの肩を持ち一気に陣の中央へと

突き飛ばすクリス


ボルド「……何故」


モス「理由は聞いたろ?シンガリはクリスが

引き受けるってよ」


そう言うとモスがボルドの肥大した腕を首に回し

肩をかして移動を開始した。


モス「甘えとけ……口は悪いがアイツは仲間を

見捨てたくは無いのさ、俺も前同じ事をされた

って言っても今の状況からしたら

かなり安全だったがな、いやこれ以上の

ヤバいのは普通ねぇか……」


ボルド「……」


それを見たシルブァもその行動に少し戸惑う表情を

見せながらも懸命に進べき通路に侵入した

ゾンビを切り刻む。


クリス「さぁ!こっからは俺の出番だ、

援護を頼む、前のゾンビは少ないな、

取り敢えず前が詰まれば終わりだ、おっさん!

前は黒兵に任せたぞ!

ラル!ロフエル!俺の援護を頼む」


イルガ「おい、短銃本体の予備はまだ有るな」


黒兵「はい後少しは」


イルガ「おいクリス!短銃を投げるぞ!

マガジン取り替えてる暇は無いだろ!」


クリス「あぁ!投げてくれ!」

イルガは黒兵に言葉を投げた

「前の敵はシルブァとお前達でやれるな」


黒兵「隊長、シンガリに行くつもりですか?

我々の任務に隊長は必要です、許可しかねます」


イルガ「ここの指揮権は私にある、やれるのか

やれないのか?それだけを答えろ」


黒兵「……前は少ない、やっやれると思います」


イルガ「上等だ、コレは貸しにしといてやる、

無事に出たら一杯奢ってやる」


黒兵「……了解」


クリスは右手にマシンガンライフル、左手に短銃

口にも一丁短銃を咥えポケットに2丁を携え

迫りくるゾンビに立ちはだかる。


クリス「へへ……リアルVRだなこりゃ」



□今日のポイント【ドロア談】□


飼育場のゾンビは普段は活動を抑える為、気温を

氷点下並に管理された土壌へと放置してある。


故に気温が上がれば彼等は動き出す、通常でも

動く事は出来るが無茶をすると壊れるでな

筋組織とかが


風邪等ののウイルスは飼育場では無菌状態だ。

病気になる確率は少ない、そして実験を行う際は

天井から射出される催眠ガスを散布してから行う


栄養が足らない者は高濃度の栄養素を入れた

注射を行い生命自体を維持する。


彼等が土に埋まる理由はただ一つ、本能での

寒さ対策のつもりじゃろうて、それを利用し、

神経ガスも放出してある、それを吸った土には

神経を鈍くさせる薬が染み込む、故に筋繊維をも

守り、激しすぎる動きも穏やかにさせてるのじゃ


故に気温が上がれば血流も良くなり、起き上がり

活動をし始めるのだ。


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