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今日から始めるログインボーナス  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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ログインボーナス33日目 チーズ

誤字報告ありがとうございます。

 目が覚めてもまだ夜は明けていない。

 この不思議な感覚に慣れつつある。

 それでも日本時間で9時、お寝坊さんだ。

 生まれて初めてぬいぐるみと一緒に寝たら、とても良い夢を見た。見た気がする。ただ夢の内容を思い出せない。良い夢を見たとしか。

 配達員さんが寝ていたベットを見るとテディベアが鎮座している。

 今回のホテルの部屋はLDK20畳くらいと広く、尚且つベットルームと大きな風呂付のバスルーム。

 東京でこんな部屋を借りたら月に4、50万取られそうだ。

 お腹が空いたなと思っていた所、配達員さんが戻ってきた。


「おはようございます。お寝坊さんですね。今日のログインボーナスはチーズです」


 配達員さんは抱えていた、英字の新聞紙にくるまれた小ぶりの塊を差し出してきた。

 受け取って中を確認すると黄色いチーズの塊が包まれていた。


「それと出かけるので準備してください」

「今日はプールに行かなくてもいいんですか?」


 このホテルのプールは明るい照明が付けられている。そしてプール内のタイルにはタータンチェックの柄が黒色で施されており、きっと写真を撮影したらインスタグラムで映えること間違いないだろう。


「それよりも見たいものがあるので」



 ホテルの売店でフランスパンとライターを購入してチェックアウト。

 ホテルの手の施されている広いガーデンを抜けて、夜明け前のカラフルな街へと繰り出した。


 ティションツレチャと言う名の公園を抜けて、マルタと呼ばれている湖に着いた。

 人工的な湖で、ベンチが沢山ある。

 その中の一つのベンチに俺と配達員さんは腰を掛けた。


 湖は少し肌寒く、俺の体がブルっと震えた。

 そのことに気が付いた配達員さんは、持ってきていたストールを広げ、二人の足に被せた。

 少し男らしく感じてしまった。


「朝ごはんにしましょう」


 そう言った配達員さんは手慣れた手つきで、パンとチーズをナイフでスライスし始めた。

 そして何処からかベーコンを取り出し、それらを重ね合わせライターの火で炙った。

 ベーコンとパンが焼ける香ばしい匂いがし、目の前でチーズがとろけ始める。

 いたり尽くせりで申し訳ない気持ちもあったが、差し出された美味しさを楽しむことに専念した。

 

 暗い鉛色の空を、東から現れた黄色い光が消し去り始める。

 その様子は湖にも反射して現れ、目の前が黄金色に染まった。

 配達員さんは「この景色が見たかったんだ」と言って笑った。その笑顔で十分だった。


 その後は配達員と街を巡った。

 度々見かけるスペイン料理店やピザ屋を横目に、クロワッサンミュージアムに入った。

 店内を見て回っていたら、店員さんにロガル作り体験に誘われた配達員に巻き込まれて参加した。

 配達員さんが簡単そうに作るので、真似してみたら俺のだけ道端に落ちているボロ雑巾のようになった。

 味は美味しかった。味は。


 配達員さんが運転する車に乗ってグダニスクへ。

 潮の匂いに誘われて魚を食べることに。

 町中のレストランでムニエルやフライを頼み、魚料理を満喫した。

 久しぶりに寿司を食べたいと言ったら、配達員さんに激しく共感された。


 今回のホテルは部屋から海が見えた。

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