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3 女神にチートをたかってみる

第3話です。

「……仮にその異世界行きを呑んだとして、このままそこに行けとか言わないよな?」

「は、はい! それはもう! 私の管理する世界の中で、私にできることならなんでも!」

「できることならなんでもね……仮にも神様ですから嘘はつかないってことでいいか?」


 まさかこんなにあっさりと決定的な言葉を吐くとは思わなかった。こんなバカな神様でこいつの世界は大丈夫なのかと思うが、神なんて基本は作ったらほったらかしだろうから問題はないといえばないのか。


「はい? ……もちろん嘘はつきませんが」

「わかった。じゃあ、前提条件としてまず、あんたの管理する世界の中に魔法やスキル、レベルが存在する世界はあるか?」

「はい、いくつかあります」


 よし、じゃあこっからが本番だ。


「じゃあ転移先はその世界にしてくれ、転生じゃなくて転移して蘇生でいい。年齢も性別もそのままでいい」

「はい! 問題ありません」


 どうやら話がまとまりそうだと思ったのか明るい表情を見せる神。だが、勿論転移先を選ぶくらいで終わらせるつもりはない。


「その世界のレベルの最大値はいくつだ?」

「えっと、99までです」


 99か……微妙だな。


「じゃあレベルは999にしてくれ」

「え! ……あの……99が最高なんですが?」


 思わず驚愕の声をあげた神がおそるおそる聞いてくる。そんなことはわかっている。だが、最大レベル同士で戦ったら負ける可能性がある以上は99じゃ足りない。


「999だ」

「でもでも、99までしかできないんです!」


 涙目になりながら訴えかけてくる神に軽く舌打ちをすると、神がビクッと体を震わせる。ちっ! 仕方がない次善の策だ。


「じゃあ、最初のレベルは99でいい。そのかわり【限界突破】的なスキルを新しく作って100以上にレベルを上げられるようにしてくれ」

「……そ、それならなんとか」

「あ、取得経験値は千倍くらいにしておいてくれ。レベル99からだと莫大な経験値がいるだろうからな」

「ひぇ! …………わ、わかりました」


 またなんか言いたそうだったのでちょっと睨んでやったら渋々承諾する神。


「それから鑑定スキルMAXと無限アイテムボックスだな。なんでも入って、どれだけでも入る。自分の意思で出し入れ自由で、入れた物ごとに時間を止めるかどうかも選択できるようにしてくれ。あと物だと盗難とかされたときにめんどくさいからスキルにしておいてくれ」

「わ、私の世界にはそんなぶっ壊れた性能のアイテムボックスはありませんけど、な、なんとかします」


 金髪美女が涙目で打ちひしがれる姿を見るというのも人生ではなかなか稀有な事例だな。ましてやそれが神、女神だっていうんだから笑える。


「あ、ついでにソート機能と検索機能も付加しておいてくれ。当然結果は俺の意思で可視化できるようにな」

「ぐ……わかりました」

「ついでにそのアイテムボックスの中に、そっちの世界で使えるお金を日本円換算で5億円分くらい入れておいてくれ。あ、ちなみにこの額はいまの俺の預金額だからな。あとは伝説級の武器防具一式と、回復系の消費アイテムを全種類大量に。それと日常生活や野営とかで便利そうな魔導具もひと通り入れておいてくれ。もちろん水と食料も一年分くらいは入れとけよ」


 まあ、だからといって妥協するつもりはないがな。


「次は」

「ま、まだあるんですか!」

「は? 当たり前だろ、『できることはなんでもする』って言っただろ?」

「……はい」


 うなだれる女神を冷たく一瞥して、俺は容赦なく次の要求を突き付ける。


「自己強化系のスキルは軒並みマックスで付けてくれ、あとは察知系のスキルも全部、生産系のスキルとテイム系のやつも勿論全部な」


 神が諦めたように頷く。ここまで追い込めばあとはなんでも貰えそうだな。


「あっと、忘れる前に先に言っておくか。転移先でのあらゆる言語に対する会話、あらゆる文字の読み書きのスキルは当然必要だからな。あとは幸運のスキルとかも面白そうだな、付けておいてくれ」


 あとはなんかあったかな…………おっと肝心な戦闘系の能力を忘れるところだった。


「それから、あらゆる武器を扱うスキルを全種類、最大レベルで。魔法は全属性魔法のすべての魔法を最大レベルで全種類。魔力量極大、魔力回復速度極大、さらにましまし(・・・・)で!」

「ちょ、ちょっと待ってください! そんな牛丼みたいな注文されても、いくらなんでもそれは無理ですよ! そんな人間がいたら世界が……」

「できるのかできないのか?」

「……できます」

「じゃあ、よろしく」

「ちょ、ちょっと待ってください! では! せめてどっちかにしてください! 武器か魔法のどっちかに……あ、ほ、ほら少しは覚える楽しみもないと……つ、つまらないですよ?」


 ちっ! 俺の睨み攻撃に耐えやがったか。……武器か魔法のどっちか? 確かに覚える楽しみはあってもいいか……となると覚えて楽しいのが魔法で、無双して気分がいいのは武器か?


「……いいだろう、じゃあ武器系がマックスだ。だが魔法も全属性、全魔法の適性はマックスで付けろ。あと全然魔法が使えないのはつまらないから四属性の初級魔法くらいは使える様にしておいてくれ。あ! 当然無詠唱、複数起動、連続発動スキル付きな」

「わ、わかりました……一応言っておきますけど、私の世界の魔法はイメージ重視じゃありませんからね。どれだけ適性があって、魔力が余っていてもきちんとスクロールや魔導具から修得しないと魔法は使えませんし、どれだけたくさん魔力を込めても威力の補正もあまりつきませんから」


 あぁ? めんどくせぇな。だったら魔法優先に変えるか?


「あ! でもでも、大きな町ならお金さえ出せばだいたいの魔法は買えると思います」


 ふむ……金は一応5億ある。だが、魔法は当然高いだろう……レアな魔法になれば普通に1億とかする可能性もあるな。


「わかった、それでいい。だが、所持金は10倍にしておいてくれ」

「うぐ……わ、わかりました。くれぐれも経済を破壊しないでくださいね」

「知るか! と言いたいところだが、無茶はしねぇよ」


 俺の持つ金の価値がなくなったら困るからな。あえて経済を混乱させるようなことはするつもりはない。


次話は18時です。

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