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憧走走散  作者: 榎美夕
9/12

大晦日(特別編)

読者の皆様!こんにちは!


もーすぐ


来年が今年になり

今年が去年になりますね


↑この言葉覚えておいてください!


今回の特別編は空視点で書かせてもらいました!

難しかった〜笑


今回は特別編なので短くしよう!


っと思っていたのですが、通常?の方より長くなっちゃいました←


ですが!是非読んでください!どぞ!



んーー。

『おみそか』って……なに?


そう不思議に思っているのは空だ。

どうやら、幼稚園で『大晦日』っという単語を友達が言っていたのを間違って覚えているらしい。


あっ!

おねーちゃんにきこ!

でもまだおうちにいないーー。


「空ー?」


急に名前を呼ばれ、驚いた顔をしながら後ろを振り向く。


「ん? どうしたのびっくりした顔して」


そう聞いたのはお母さんだ。

聞かれ急いで首を横に大きく振って返事をする。


「何も無いのかな? まぁ! お菓子食べる? ほんの少しだけどクッキー作ったよ!」


『お菓子食べる?』


この言葉を聞いた瞬間に嬉しくなり、


「たべるたべる!!」


元気よく言った。


テーブルには既に兎や鯨、海豚などの動物の形や鈴蘭、ハートなど様々な形をしたクッキーが皿の上に盛られている。


あっ!うさぎさん!


そう思い手を伸ばした時


「空ー! ちゃんと手洗ってね!」


あ!あらってない!


「はぁーい!」


元気よく返事をし、スキップをしながらドレッサーにむかう。


低い椅子に登り、それでもまだ届かず背伸びをしながら少し温くなってしまっている水で手を洗った。先程までお母さんがお湯を出していたため水を出していたのだが少し暖かくなってしまったのであろう。


手を洗い終り、またスキップをしてテーブルに向かって今やっとクッキーを食べる用意ができた。


「いっただきまーす!」


おいしそう!


「はーい!ゆっくり食べてね!」


その声が聞こえたのと同じタイミングに


「おかあさんのクッキーおいしぃー!」


味わいながら喉につまらせないようにして食べた。


ピンポーン


チャイムが鳴った。


あ!おねえちゃんだ!


本当にお姉ちゃんかも分からないのだが空には直感的にそう思ったらしい。


「ぼく、かぎあけるね!」


そうお母さんに一言いい、玄関に来た。


覚えたてで少しぎこちなくなってしまったのだが、最終的にはきちん鍵を開け、開けるとすぐ


「おぅ! 空か! ただいま!」


お父さんの元気が良すぎる声が聞こえた。


あれー?おねえちゃんは?


そう思ったか否か後から少し顔をのぞかせた夢実が見えた。


「うん! おかえり〜おねえちゃんも!」


「ただいま〜」


彼女の声が少し暗いのは買い物に行って疲れたからだろうか。だがそんな事は空は気付かず


「あ! おねえちゃん! ちょっと、おへやいこ!」


はやく『おみそか』のことききたい!


「うーん。 いいよ!」


やったやった!


「んー? そらどうしたの? 部屋によんで」


おみそか、おみそか!


「おみそかってなあに?」


早く答えが来ないかとドキドキしながら待っていると


「んー? なにそれ? お父さんとお母さんに聞いてくるね!」


おねえちゃんにきいたのにーーーー


「お父さーん! お母さーん! おみそかってなあに?」


お姉ちゃんが両親に聞いているところを部屋のドアの隙間から見る。


「おみそかってなんだ? みそ?」


その言葉の後は沈黙が続く。

2人とも真剣に考えてくれているらしい。


「あ! おみそかって、大晦日じゃない?」


その沈黙を経ったのはお母さんだった。


「おお、なるほどな! んで? 夢実、急にどうしたんだ?」


その言葉を聞いた空は部屋から出てお姉ちゃんの後ろに隠れながら


「ぼ、ぼくがきいたの。はるくんがいってて、わかんなくて……おねえちゃんにきいたの」


声は小さかったのだがみんなにはギリギリ聞こえる声ではあった。聞こえた証拠にお父さんが答える。


「そっかそっか! よーし。 大晦日いいことしてやるからな! 楽しみにしとけよ!」


────


あれから5日。

遂に『 楽しみにしとけよ』と、言われた大晦日。


いつもと変わらない時間(とき)を過ごしていると気づけば既に12時になっていた。


「お昼お餅食べよっか!」


やった!おもち!だいすき!!


餅と言っても空の場合まだ幼く、喉を詰まらせてしまう可能性がある為、みんなより小さくカットされた餅を食べる。


「頂きます!」

「いただきまーす!」

「いただきますぅ!」


「はーい!」


う〜ん!おいしい!


成瀬家では、餅に砂糖醤油をつけるのが主流になっており、皆の大好物だ。


皆が食べ終わるとお母さんが昨日から作り始めているおせち料理を再び作り出した。


「お前ら〜! ちょっくら外行くぞ! 寒いから上下着るからな! 用意!」


んー?


どうして外に行くのかよく分らないのだが、言われた通り素直にお父さんの所に上下と、言う名のスキーウェアを持っていった。


まだ1人で着れないからお父さんに着させてもらうために持っていったのだ。


「よしよし。 あ! 手袋も忘れるなよー」


みんな準備は終わり、3人とも外に出た。


するとそこは太陽の光が雪と反射してまるで宝石の中に入ったかのような世界。


「うっわ!」


つめたい!


そう思った時にはもう遅かった。

お父さんが夢実と空に雪玉をぶつけてきた。


それから3人は約3時間も外で遊んでいたらしい。


たのしかった!でもさむい。


「寒かったでしょー? ストーブの前いきな!」


そう言われすぐに素直にそこへ行った。


「おねえちゃん! あったかいね!」


「うん! あったかいね!」


つかれたけどすごく、すっごく楽しかった!


気付けば時刻は16時を過ぎていた。


「まだ早いけど夜ご飯食べちゃおっか!」


おなかすいたから、たべたい!


「うん! たべる!」


「いいよ! お父さんも夢実も早くテーブルついてね!」


ここで空の名前が言われなかったのはこの時点で、もはや自分の席に座っていたからだろう。


はやく!はやく!


「もーー。空ったらぁ!どれだけ楽しみなのよ!」


お母さんは満面の笑みでに少し口を尖らせながら言った。

満面の笑みなのは恐らく、今テーブルに上がっているものは全てお母さんが作ったものだからだろう。本当に全部。


「おかあさんのお料理おいしいもん! はやくたべたい!」


その言葉をしかと受け取った母はさっきより少し顔が赤い気がする。


「おお! 待たせてごめんな! ほら、夢実も謝れよ!」


「時間かかってごめんねー」


おそかったけど、あやまってくれたからいいや!


「いいよー! 食べよ!」


やっと食べれる!


「いっただっきまーす!」


4人の声が揃う。




「うまっ!」


1番最初にコメントするのは空だと思っていたのだがそれよりもお父さんの方が早かった。


おいしいよね!よーし。ぼくもみんなとおなじようにたくさんたべる!!


────


それから約1時間後。

最初は


これでもか


と、言う程の量の料理が並んでいたのにも関わらず今は空っぽ。


「美味かった! ご馳走様!」

「ごちそう様〜」

「ごちそうさま!」


「はーい!」


おなかいっぱい!なんだか、ねむくなってきちゃったや。


「あ! 夢実と空! 1回寝ちゃいなよ? 夜にお蕎麦食べなきゃだからまた起こすけど!」


おそばたべるの?んー。うん。


眠すぎのあまり頭が回らない。

分からないのだがとりあえず返事はした。


その返事はあくびと混ざってしっかりとした応答にはならなかった。


「おねーちゃーーん。おやっちぃ」


いつもは気をつけている赤ちゃん言葉を発してしまったのだが、眠たさの余りそこに気を使うことが出来なかった。


「うん〜おやすみぃー」


────


「起きてー!」


この声が聞こえ、聞こえたかと思えばいつものように肩を揺さぶられた。


「起こしちゃってごめんね! 蕎麦食べよ!」


あと1時間もしない内に


今年が去年になり、

来年が今年になる。


でもまだそんな感覚が空には分からず、『そばをたべれる』と、言う事に純粋に喜んでいた。

一方の夢実は小学校で大晦日やお正月について色々教えてもらったらしく、色々詳しいのだ。


「あと30分で今年終わるねー」


「そうだなぁ。まぁ食べっか!」


会話の意味が理解出来ずただただテーブルについている空と夢実に気付いてくれた 。


「いっただっきまーす」


真夜中のせいか、いつもは賑やかな食事の時間が静寂な時間になっている。


先程からテレビがついているものの、あと1分も見たらずに除夜の鐘がなるためチャンネルを回しているのだ。


「あっ」


おいしいのにおいしいってゆってない!


「どうしたの?」

「何かあったのか?」


「おそばおいちぃー!」


空のその言葉を聞き、他の3人は思いっきり笑い出す。


笑い出したかと思えば除夜の鐘の音がテレビから聞こえた。


「おぉー! 鳴ったな!では……ごっほん。」


お父さんこわざとらしい咳払いに、空は思わず笑ってしまった


「おとうさんなにかちがうよー!」


そう言った後にお母さんが駄目と、でも言う用に唇に人差し指を1本立てた。


あ、いましずかにか。


「では、改めて……昨年はお疲れ様でした。えーと。今年も楽しく、健康に生活していきましょう!」


それを言ったあとのお父さんの顔といったら、まさにこれがtheドヤ顔と言う顔だ。


それを見せられている3人は遂に我慢出来ずに笑い出した。

空の感情かくの難しかったなぁー(._. )


なにかあれば言って下さい!


えーと。

皆様!良いお年を!!

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― 新着の感想 ―
お母さん、お父さんに続き弟の空くん視点。 どれが書きやすかったとかありますか? なんて、質問してみたり笑 大好きなお姉ちゃんに内緒で教えてもらおうとするとこなんて可愛すぎですよね。 そんなエピソードが…
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