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憧走走散  作者: 榎美夕
3/12

お昼寝の後

読者の皆様


なかなか投稿できてなくてすみませんでした。


これからはテストが近くなってきたりとまたまた投稿できなくなってしまいますがご了承ください。


ですが!頑張って書いたので読んでくださると幸いです(*・ω・)*_ _)ペコリ




2時間程の気持ちの良いお昼寝をした夢実は、


……、……、……、……、、、、。



何も考えず、何も言わず、まるで人形の様に『ぼーーーーっと』していて動かない。


この時間はとっても大切で、この時間に頭の整理をする。


1日の中で一度は『ぼーーーーっと』する時間がなければ、すぐに人と話しただけで頭の中がパンクしてしまうからだ。


「お母さ~ん!」


やっと頭が回ってきた所でなっちゃんのことを話そうと、お母さんを呼ぶ。


「あっ! 夢実起きたの〜?」


背を向けて座っていたため、私が起きたことに気付いていなかったようだ。


お母さんもしかしたら忙しいかなぁ…… ?


「うんっ! お母さ〜ん今からお話できる?」


「ん〜。 これから夜ご飯作るんだけど、聞くだけならできるよ!」


本当はしっかり顔を見てちゃんと話をしたかったのだが、今すぐにでも伝えてしまいたいのでそこは諦めた。


「うんっ!」


やった!これから今日のいいこと聞いてもらえる!!



私達の家族のルールの一つ。


学校であったことを話す。


嫌なこと

面白くなかったこと

楽しかったこと

悲しかったこと

嬉しかったこと……


なんでも話す。そして辛くても、面白くてもみんなにシェアする───


だから私達家族は仲がいい。



「あのねっ!」


お母さん、聞こえてる?かな?


「聞こえてない時は声をかけるから、それまで普通に話しててもらえる〜?」


なんか、、さびしい。


でも、いそがしいから……。


「うーん!」


返事が少し元気がないのに夢実自身で気づき、最後は声を弾ませて返事をした。


ん〜?もう話していい?の……かな?

いいよ……ね!よ〜し!話そっ!


「今日ね! なっちゃんとお話したの!!」


「ん〜? クラスの新しいお友達?」


そう言われ、説明足りないことにやっと気づいた。


「ううん。 違う!」


長々と説明することになりそうだったので、少しでも一気に話すのを避けるために一度話を止めた。


「なっちゃんは、学校に行く時にいっつも見かけてた人で────」


話を終え、とてもテンションが高い。


これからもなっちゃんと一緒に学校に行ける事実が心の底から嬉しいのだ。


「よかったね!!」


それしか言ってくれなかったのだが、それまで料理をしていた手を一度止めわざわざ私の目をしっかりとみて笑顔で言ってくれたため嫌な気はこれっぽっちもしなかった。


「うんっ!」


その笑顔につられ、テンションが上がって何度も、何度もジャンプをしながらそう答えた。


「ん〜?!」


あれ?!シチューのかおりする……?!


「ん〜? 夢実どうしたの〜?」


お母さんは不思議そうに尋ねる。


「お母さん! 今日の夜ご飯ってもしかして、、シチュー?」


鍋を使っていたから、


カレーかな?


っと思っていたのだが、シチューのかおりがしてテンションが更に上がった。


「そーよ〜! 夢実シチュー好きだもんね! すぐわかっちゃったね〜」


「うんっ!」


早く夜ご飯食べたい!!楽しみ!


お母さんは料理が上手い。その中でもシチューは、夢実の中でトップ10に入る程の大好物だ。


「なんか手伝えることある〜?」


っと聞いてみたのだが、


「大丈夫だよ!」


そう言われたので本を読むことにした。

本といってもまだ小学生になったばかりの私が読むのは絵本だ。


ピーンポーン


夢中で絵本を読んでいると家のチャイムがなった。


空かな〜?


っと思い玄関に向かおうとすると、それよりも先に少し前に料理を終え、テレビの前のソファーに座っていたお母さんが立ち上がり玄関に向かった。


「はーい」


玄関でそう言ったのが聞こえた。


コン、コン、コン、コン


四回ノック。

これが私達3人の特別なルール。

お父さんは鍵を持っているのでこのようなルールは必要ないのだが


まだ幼く鍵を持てない私と空、そしてお母さんだとわかりやすいようにこんなルールができたのだ。



四回ノックを聞き玄関をあけたらしい。


ガチャッ


玄関の開けた音が聞こえたかと思えばすぐに───


冷たい風の音が聞こえた。


「空〜! お帰りなさーい!」


「お母さんただいま~」


「早く中入っちゃいな~寒かったしょ〜?」


「うんっ!」


こんな会話がすべて聞こえた。

そして、


ガチャッ


玄関が閉まった音が聞こえ、夢実も空とお母さんが居る玄関へと向かった。


玄関に居て寒くないのかな〜?

聞いてみよっ!


「お母さ〜ん? 空〜? そこで話してて寒くないの〜? お部屋入んないの?」


「あー! そうだね。 夢実、教えに来てくれてありがとう! 空、寒かったよね。 ごめんね。」


お母さんは本当に申し訳なさそうに空に言った。


「うんっ!」


「う〜ん。 大丈夫!」


返事をするとすぐに空も返事をした。


空、う〜んってことは、やっぱり寒かったよね?

言いに行ってよかった〜!


その後さっき読んでいた本の続きを読み始める。


お母さんと空が声を弾ませながら話しているのが段々と聞こえなくなった。


それから5分後。

やっと絵本を読み終えた。


私は理解をすることが苦手で、読書をすると沢山の時間がかかってしまう。


夢実自身、絵本を読むことが苦にならない所が不思議なところだ。


「まだ早いけど夜ご飯出来てるし食べちゃう?」


「食べたいっ!」


「うん!」


返事をした私を追いかけるように空が返事をした。

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― 新着の感想 ―
暖かな家族団欒な様子が、目に浮かびながら楽しく読ませて頂きました。 何気ない、ありがとうや、ごめんなさいが大切なんだなぁと改めて感じさせていただきました。 今後も楽しみにしてます
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