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憧走走散  作者: 榎美夕
1/12

小学校入学式

はじめまして!奏 ましろです✨


この作品は習作です!


パートナーが小説を書く決意をさせれくれて、


この度『憧走走散(ショウソウソウサン)』を書き始めることができました!


この作品はあまり出版されていない陸上の中の短距離のお話です!


まだ陸上競技のお話は出てきませんが、主人公の夢実の成長と共にとても頻繁に出てくるので、


成長を楽しみながら読んでいただけたらと思います(*- -)(*_ _)ペコリ


それでは!「小学校入学式」お楽しみください(*^^*)



真新しい水色の ランドセルを背負い、成瀬(ナルセ) 夢実(ユメミ) は家を出た。


目的地は東小学校。

そこは待ちに待った場所。

今日は彼女がものすごく楽しみにしていた入学式なのだ。



家の周りには東小学校と桜小学校の2つの学校があり、桜小学校の方が幼稚園の友達が多く通うことになっていたが、家から近いという理由と人見知りだが話せないと言うわけではないため、大丈夫だと両親が判断した結果、東小学校に通うことになった。幼稚園の頃は友達も多いのがそれを肯定している。



それにしてもおそいー……。

んー、、、、。


外に一度出ていたのだがなかなか来ない両親を呼ぶために一度家に戻り声をかける


「おとーさーん! おかーさーん! そーらーー! はやくいこーー?」


入学式に来てくれると言った3人だったが、準備が遅い。


「空の用意が終ってないからもーすこーし待ってて〜」


(ソラ)と言うのは唯一の弟で2つ下。

それから、私がついこの間まで通っていた幼稚園に楽しげに通っている。


空は、大人しくて優しい性格であり何に対してもいつも行動が早い。そして……行動がとても可愛い。


いっつも早いのになんで今日おそいのかな……。


「はぁーーーーい」


そんなことを考えながら、嫌そうに返事をした。


「よ〜し! 終わった! 遅くなってごめ…… ん?」


お母さんが言葉に詰まった理由が分からず、疑問に思ったのだがそのことを、口にするよりも早く本人が答えを述べた。


「夢実〜まだ10分も時間に余裕があるじゃん!」


「あっほんとだ」


お母さんと空の付き添いで一緒に玄関に居る私の所に来たお父さんは、そのやり取りを聞き、


「夢実、ほんとに楽しみなんだな〜」


と、ニヤニヤと笑いながらいう。

その一言を聞き、一瞬にして顔が熱くなった。


すると、二人は私の顔の赤さを見るなりこらえることが出来なかったらしくいかにも面白そうに笑い出す。空もその後、大きな口を開けて笑い出した。


それにつられて私も一緒に笑う。


そらがおそいんじゃなくて…… わたしがものすごく早かったんだ!



『みんなで笑い合えるところ』



ここが成瀬家族のいい所だ。

本当にみんながみんな仲が良く毎日が楽しい。


こうやって、みんなで笑いあっている時が


この家族に産まれてきて良かった〜。


っと改めて思う瞬間なのだ。




お父さんも空も靴を履き終え、お母さんは出発予定時間ぴったりに靴を履き終えた。


その後は私、お父さん、空、お母さん、の順で家を出て、ひとまず先に1人で階段を降りることにした。


コンクリートに足をつけ後ろを振り向くとお父さんとお母さんが空の様子をうかがいながらゆっくりと階段を降りている姿が見えた。


階段を降りた後はお父さんに、


隣に来い。


っとでも言うように手を招かれたので走って隣に向かう。


隣に来たもののふと、気になった空の方を向くとお母さんと楽しげに会話をするのが見えた。


空楽しそう!


こう思った私は安心してお父さんの話……いや質問を真剣に答えた。


「小学生になって1番やりたい事は?」


「お友達たっくさんつくること!!」


よくある質問ばっかりだったが、小学生になるということに対して期待を膨らませていたからとても楽しかった。



会話をしながら辺りを見渡すと、私と同じく真新しいランドセルを背負いお父さんやお母さんと楽しげに話している人が多い。


緊張したような歩き方をしている子もいれば、楽しそうに沢山ジャンプをしている人も居た。


「おーい? きーてるかー? 夢実〜?」


周りを見ることに集中しすぎてしまい、話を聞けていなかったのだが、その間にも色々話しかけてくれていたらしい。


「あ、ごめんね。 なんだっけ??」


「おーう! 夢実はどんなこと出来るようになりたいんだー?」


お父さんは何事も無かったかのようにそのまま会話を続けてくれている。しかし、その優しさにはまだ幼く気づけない。


「んーとね。 お勉強…… かなー!」


………………


この後もずっと質問は続き、1度も質問と応答が途切れることはなくあっとゆう間に東小学校の校門に着いた。


わっ…… 大きい。


幼稚園とは比べ物にならない程の校舎の大きさにその場に立ち尽くす。


「ほらっ! いくよっ!」


そう言いながらお母さんは軽く肩を叩いた上に手を引いた。夢実が立ち尽くしている間に隣に来たらしい。


緊張しながらも校門をくぐり抜け玄関の目の前に行く。

そこには大きな紙が2つ貼られてあり、見たこともない名前がいくつも並んでいた。その中から自分の名前を探す。


「あっ! あった! 1組!!」


1組だとわかったところで、心臓をバクバクさせながら教室があると書かれてある矢印が貼ってある方向へと体を向けた。


みんなも一緒に教室に行こ!と言おう思ったのだが、3人が入学式が行われる体育館に先にいくよう先生方に誘導されていた。


それに気づいた私は1人心細く教室へ向かう。


これからみんなとなかよく出来るかな。

お友達たくさん出来るかな。

おべんきょうってやっぱりむずかしいかな。

先生ってこわいのかな……。


不安になりながら歩いていると教室の前についた。


大きく、ゆっくりと深呼吸をして……。


教室へ入った。


教室に入ってまず1番始めにすること。

それは私自身が座る席を探すことだ。


周りに沢山知らない人が居る影響で、中々席を見つけることができなかった。


「おはようございま〜す!」


「おはようございます」


このクラスの担当の先生だろうか。見たこともなかった大人はクラスに着いたばかりの私に元気よく話しかけてきた。


話しかけられちゃっ…… た……。

はずかしいな。


そう思い視線を反らすと更に話しかけてくる。


「席、分かんないの?」


「うん……」


「一緒に探そう! お名前は?」


「な、成瀬…… 夢実……」


あー。ほんとうにはずかしい。


「わかったよ! 成瀬さんね! ちょっと待ってて!」


「う、うん」


「あっ! わかった! 席案内するから一緒に来てもらえる?」


数十メートルあるかないかの距離。

それでも案内してくれる先生。

本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。


「ここだよ!」


「ありがとう!!」


そう言うと、先生は微笑んだ。


まだ敬語を使えない夢実は世間でいうタメ口。

そのことを理解してくれていた先生はなにも言わなかった。


約10分が過ぎた頃。

机の上に置いてあった物を整理し終わったころに、先生が来て軽い自己紹介をした。


自己紹介が終わった後すぐに


「入学式始まるので、今の席のまま2列になって並んでくださーい!」


「はい!」


みんなが元気よく返事をしたのとほぼ同時に私も元気よく返事をした。


入場曲が流れ、私達1年1組は入場を始めた。


沢山人が居すぎて緊張し、入学式の記憶など全く残っていなかった。


気が付けば1年1組の教室。


あっとゆう間に先生の詳しい自己紹介も終わり、私達は帰っても良いことになった。


もちろん帰るときも家族4人一緒。


帰りも話が途切れる事はなく、小学校に着くときと同様お父さんの質問攻撃が始まった。


「入学式どうだった? 緊張したか?」


「したよ!」


するにきまっているでしょ?


っと思っていたのだが、あまりにも真剣な目で問うものだからしっかり答える他なかった。


家に着いた。上空はまだ青い。


「よーし! 公園でも行くか!!」


お父さんだ。彼は疲れていても色々な所に連れていってくれる本当に良い人だ。


こうえんってどこの?いえの……ちかく?の、ところ?

でも……ねむい……。 ねたい。。。。


「行けそうな場所言ってみてくれないか? 車使ってもいいぞ〜?」


空も私も黙っている。眠いため頭の回転が悪い。その上、場所の名前などはわからなかった。


「………… 沼森公園良いんじゃない?」


お母さん、公園の名前おぼえてるのすごい。


「そ〜するか? みんなそこでいいか?」


「いいよ〜!」


「うんっ!」


お父さんの呼びかけに2人で応答した。


みんなが準備を終え、車に乗った。

車では色々な歌がランダムに流れている。歌を聞いてるうちに沼森公園についた。


沼森公園に着いてすぐさまお昼寝に良さそうな木陰を見つけた。


ここでねようかな〜?

お父さんとかなーにやってるのかな〜?


っと思い見てみると、3人でボールで遊んだり、走り回ったりしていた。


少しの間見ていたがやっぱり眠くなり、さっき見つけた木陰で寝ることにした。


───ふと目が覚めた。


何時間ねたかな〜?


周りをみてみると、辺りは黄金色に染まっていてとっても綺麗。


更に見渡すとお父さん達がベンチに座っているのを見つけた。きっと沢山動いて疲れたのだろう。


すると3人は急に立ち上がり、私の方へ歩いてくる。


あ〜帰るんだ。わたしもたとーう。


「夢実〜帰るぞ〜」


「はーい!」


私達はまた車に戻った。

また音楽がランダムに流れている。


聞こうと思ったの、だが、私が寝ていた時に起きた出来事を大まかに空が教えてくれる。お陰で全く聞こえない。


話が終わった所で、私はあることを思いついた。


「そーらっ! 耳かーしてっ!」


「ん〜?」


「いいから!」


「うーん」


不安げな声だったが、そんなのお構い無しに耳元で小さく──


「お父さんとお母さんにありがとうって伝えよ!」


「おねーちゃん耳かして」


すぐに耳を傾けた。すると空は小さな手を口元に当て、私の頬につけた。


「いいよ」


いいよぐらい普通に言っても良いのに、わざわざ耳元で言う空は弟ながらとても可愛いと思ってしまった。


「家ついてからね」


その言葉を聞いた空はこくんっと頷いた。


────


家に着き、すぐ部屋に向かい作戦会議を始めた。


「ふつうにありがとうって言ってもいやだよ、ね?」


「うん」


「ど〜する?」


「お手紙書こ?」


そ、そらの書こ? の、言い方かわいい!


「いいよ!」


こうして手紙を書くことになった。


空はまだ幼稚園生だが、字が書けるようになってきたから手紙を書きたかったのだろう。


そうしてかれこれ約1時間30分がたったころ2人ともほぼ同時ぐらいに手紙は完成した。


「よし! わたしに行こっか!」


「うん!」


「お父さ〜ん! お母さ〜ん! 今日ありがとう〜!」


私の言葉に続き空も


「ありがと〜」


2人とも言い終わり、今さっき書き終わったばかりの手紙を少し恥ずかしそうに渡す。


手紙を貰った2人はすごく喜んでくれた。

それから私達は目を合わせて微笑んだ。

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― 新着の感想 ―
初登校のドキドキした気持ち、両親への感謝を伝え方に試行錯誤している様子などが想像させてもらいながら楽しく読ませて頂きました。 続きが楽しみです
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