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花屋は商魂たくましい  作者: Who
王国編
3/159

side 信志

視界の全てを覆っていた眩しい光が、唐突に消える。

目を覆っていた手をどかすと、目の前には三人の女の子。

そのうちの一人が一歩踏み出して、口を開けば当然。


「お願いです、勇者様。私達を、私達の世界を救ってください。」


半ば予想していたとはいえ、あまりのことに呆然としてしまった。

「え!?ちょ、ちょっと待って。一体どういうこと?」

呆気にとられたボクの代わりに、後ろからそんな声がする。

後ろを振り返れば、自分の他に更に二人の人が居た。

「ごめんなさい、説明不足でしたね。」

最初に口を開いた女の子がそう言って、説明を始めてくれる。

曰く、ここは地球ではない異世界というやつで、魔法が存在するのだとか。

曰く、人間と魔物の戦争が続いており、その親玉である魔王を倒して世界を平和にするため、ボク等を召喚したのだとか。


「それは、許せないな。わかった。どこまで力になれるか判らないが、俺でよかったら協力するよ。」


説明も終わり、再度お願いされたところで、最初に女の子へ質問をした彼が言う。

その答えに、説明役を買って出た女の子が嬉しそうに笑う。

「ありがとうございます。私はこの国の第一王女、ナルメア。どうぞこの国を宜しくお願いします、勇者様。」

「勇者って呼ばれるのはなんだか恥ずかしいな。俺は天野正輝だ。よろしくな。」

お互いに自己紹介を済ませ、握手をした瞬間、それは起こる。

二人の手から光が出現。徐々に収縮していき、二人の手首にそれぞれ腕輪となって装着された。

「これは?」

「はい。これは召喚された勇者様と、私たち召喚者の間を繋ぐ魔道具です。意識するだけでお互いの大まかな場所が分かるんです。」

なるほど、それは便利だ。

「では、次は俺の番だな。」

腕輪の効果に感心していたボクを置いて隣の人が立ち上がる。

でも、なぜ彼は、手を顔の前に置いているのか。

「俺は、間小太郎。闇に生きる狩人だ。」

これは、まさか……。

「異世界を救う、か。これもまた俺に与えられた運命だというのか。」

「にゃははは、面白いこと言うね君。わたし、テト。よろしくお願いするにゃー。」

ととと、とポニーテールを揺らして女の子が近づいてくる。

おお、間くんの不可思議な言動にも動揺してない。

でも、やっぱり間くんは頭にあの病気を患っているんだろうか……。

そのまま二人も握手し、腕輪が出現する。

「よかろう、俺の闇の力、存分に発揮するとしよう。」

間くんが最後にもう一度ポーズを決めて、座る。

誰も突っ込んだりはしないのだろうか。

さて。ともあれ、残ったのは女の子一人とボク。

「は、初めまして。第三王女のアイリスです。」

自然と集まった視線に、女の子が立ってしゃべり始める。

そのままボクに視線が集まるので、

「椿信志です。えーとよろしくね?」

「はい、よろしくお願いします。信志さん。」

立って名前を告げると女の子、アイリスも手を差し出してくる。

ボクらにも腕輪が出たところで今日は一旦解散になった。

これからのことは、また明日話すのだそうだ。



そのまま来賓用の部屋に通され、食事をご馳走になる。

異世界の料理ということで、どんなものが出てくるかと少し不安になったが、なんてことはなかった。

というよりも大変美味しくいただいた。

そこまではまだよかった、のだが。


「落ち着かないな……。」


ベッドに腰掛けて、つい口に出してしまう。

さすがは一国の、それも来賓用の部屋。

置いてある家具など、どれもしっかりとした作りで、一体いくらになるのか、そもそも値段がつけられる物なのか。

今まで、特に家具にこだわってきたわけでもない、高級なホテルにもほとんど行ったことがないボクに判断できるわけがなかった。

普段の部屋と違うとこうも違うのか、とそわそわした気持ちに苛まれていった。

このままでは眠ることもできないと判断して部屋をそっと抜け出す。

幸い、部屋から出るなとは言われていないし、少し散歩をするぐらいならいいだろう。

とにかく気持ちを落ち着けたい。その一心でボクは薄暗くなった廊下に踏み出していった。


薄暗い廊下を月の光を頼りに歩いていると、突き当たりに誰かがいた。

ボクが近づいていくのを感じてか、その誰かも振り返る。


「……信志さん。」


果たして、そこにいたのはアイリス。

月の光を反射して、とても綺麗な彼女の銀髪が静かに揺れた。

こんばんは、Whoです。

ここまでは一気に書いてしまおうと思っていたのに、なかなか筆が進まずにいました。

まだ主人公は花屋でも、商魂があるわけでもないですが、徐々になっていく予定です。

初めてのオリジナル小説になりますが楽しんで書いていけたら、と思います。

お読みくださる方は肩の力を抜いて、気楽にお楽しみください。

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