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剣さえあれば魔法なんていらない!  作者: 神桜
序章 すべての始まり
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第5話 「石像魔獣ガーゴイル」 エリア:石切り場(大広間)

 

「石切り場の中って意外に明るいんだな」


 石切り場内には太陽の光が届かないから松明の火が必要になるかなと考えていたが、普通に外と変わらないくらい明るい。


「発光石という鉱石が埋め込まれていますからね」


「発光石?」


「はい。足元とか天井に光を放っている石が落ちてませんか? 探してみてください」


 俺はルーシーに言われた通り光を放つ石を探してみる。

 すると、足元に懐中電灯と同じくらいの光を放つ小石を見つけた。

 もしかしてこれが……


「それが発光石です」


 どうやら正解らしい。

 それにしても光る石とは……なんか異世界感が出てきたな。


「今拾った発光石は街に転移した後に道具屋にでも売ってください、高値で売れるはずなので」


「そうなのか?」


「発光石は採掘できる場所が限られているので希少価値が高いのです」


 つまり、ダイヤモンドみたいなモノなのか。

 よし、街に転移したら即売りに行こう。


「ルーシー、もし発光石が落ちてたら教えてくれ。持って帰る」


「ユ、ユウさん? 目が怖いですよ?」


 できるだけ楽して金を稼ぎたい。

 ただそれだけなんです。


「わ、わかりましたユウさん。発光石を拾いながら転移装置のある場所まで進みましょう」


「イエス、マム!」


 俺とルーシーは発光石を拾いながら石切り場の奥へと進んでいった。


 1


 転移装置を目指して石切り場内を歩くこと約1時間――

 モンスターが現れることなくサクサクと進んでいった俺とルーシーは、転移装置へと続く大広間に到着した。

 大広間には悪魔の形をした石像が一体中央にあるだけで他には何もない。

 石像の大きさは大体2メートル程だ。


 ……何故だろう、嫌な予感がする。


 ゲームだとこういった場所では戦闘イベントが発生したりする。

 例えば、中央にある悪魔の形をした石像が突然動き出し、俺たちに襲い掛かる。


 ……この場所で戦闘が起きてもおかしくはない。


「さっさと転移装置に行こう、ルーシー」


 俺は急いで石像の横を通り抜け、大広間の奥へと向かおうとする。

 その時――


「ユウさん! 右に避けてください!!」


 ルーシーの声が大広間に反響し、耳に強く響く。

 俺がその声に反応し後ろを向くと、動かないはずの石像が巨大な右手を振り上げていたのだ。


「うぉおおおっ!!」


 全力で地面を蹴り、振り下ろされる巨大な右手を回避する。


「あっぶねえ!!」


 振り下ろされた巨大な右手は俺がいた場所に小さなクレーターを生み出していた。


 もし攻撃が直撃してたら……確実にミンチになっていたな。

 異世界って常に死の危険があるんだな。

 というか嫌な予感が当たってしまった。


「ユウさん! そこにいるのは石像ではありません! 石像魔獣と呼ばれるモンスター、ガーゴイルです!!」


 ガーゴイルとは、怪物をかたどった彫刻から生まれた化け物である。

 ゲームだとよく中ボスとかで出てきて、そいつらは大抵悪魔のような形をしている。


 今思ったが、中ボスクラスのモンスター出過ぎじゃね?

 まだ異世界に来て数十時間なのに中ボスクラス(俺の中では)のモンスター2体に襲われてるんだけど。


「とにかく今は戦う以外の選択肢はないな」


 ガーゴイルを倒さないと転移装置には辿(たど)り着けない。

 俺は鞘から剣を抜き、構える。


 ガーゴイルよ、元剣道有段者の実力を見せてやる!


 とか言ってみたけど正直怖い。

 俺は元々引きこもりだ。

 できれば戦いたくな……


「私が後方支援します! ユウさん、ガーゴイルは飛行攻撃が強力なので気をつけてください!」


「あー、クソッ! 了解っ!」


 戦いの幕は切って落とされた。

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