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3 取り敢えず餌付けは大成功

燃え尽きた。

少しだけ長めです。





「にいさまぁーー‼︎」


「…おっと!」


 てててーーっと走って此方にダイブしてくる陸をしっかりと抱きとめて


「お帰り、陸」


 と微笑めば…


 ふにゃあっと笑み崩れる天使おとうとにノックアウトです。


 そのまま爽やかな笑みを顔に貼り付けつつ、内心では陸の可愛さに悶えつつも頭を撫でて彼を迎える。


「あーー‼︎」


「ずるいぞ、りくと!」


「オレも!オレもなでろ、かなた!」


「ただいまぁ〜〜、にいしゃまっ」


 陸兎に遅れてパタパタとやって来たのは順に、緑川みどりかわ すぐる

 黒鐘こくしょう 蓮二れんじ赤萱せきがや 和貴かずき桃園ももぞの かえでの4人。


 まあ察してる人も多いとは思うけど、一応彼らと俺ら兄弟の計6人が、5家の子供達になる。


 5家の仲は大層良好で、家の集まりで出会った俺らは年も近い事もありすぐに仲良くなった。


 年は和が1つ上、英・蓮が同い年で、楓が1つ下だ。


 この中では和が1番年上ではあるのだが、精神年齢が高い俺が皆の兄役となっている。


「うん、英も蓮も和も楓もお帰り」


 俺の周りをぴょんぴょんしながら頭撫でを要求してくるとことか、本当可愛過ぎる!当然頭を撫でこしつつ迎え入れますよ!


「にいさま!きょうのおやつはなんですか?」


 陸の言葉に他4人もうるうるおめめで見上げてくる……


 正直、こいつら俺を殺す気か⁉︎と思ったけど、何とか耐えて


「今日はホットチョコレートと、蜂蜜たっぷりパンケーキだよ」


 と答えます。


 それを聞いて5人の顔がパアアッと輝きました。


 俺は期待に応える子なのです。褒めてくれても良いですよ?


「わああっ!」


「やったぁ〜〜!」


「にいさまだいすき‼︎」


 などの声が上がり、こちらもにこにこになります。


 ……因みに、後ろの方で


「ホットチョコレート‼︎」


「私たちの分、あるかしら…あるわよね?」


 と騒いでる両親は見ない振りだ。


 いや、ありますよ?ちゃんと用意はしているので大人しく待っていて欲しいものです。


「俺はコレを運ぶから、その間に皆は手を洗って来てくれるかな?」


「「「「はーーーーい‼︎」」」」


「手、洗う出来るぞ‼︎」


 はい、良いお返事頂きました。いや〜〜、皆本当に素直で良い子だよな〜〜、うんうん。


「…父様と母様も、ですよ?」


 未だに扉に陣取っている両親にもニッコリと笑い掛ける。


「じゃないと、おあづけに……」


 言い終わる前に脱兎の如く部屋へと帰って行く普段は基本のんびり屋の2人に思わず苦笑が漏れる。


 それもこれも、この世界の余りにも酷かった食事事情を考えれば、まあしょうがないなと思える反応ではあるんだけどさ……はあ。


 いや、本当に酷かった。素材はまあ似たようなものがゴロゴロとしてるんだけどさ、まさか調味料が存在しないとは思わなかった。焼くとか煮るとかの概念はあれど、調味料が入って無い料理なんて只食感が違うだけの素材でしか無い。いやあ、ビックリ。マジか⁉︎って思って絶望したもんだ。前世の知識と魔法チートで実験を繰り返し、まあ妥協出来る位の調味料を作成してからはハンバーグやら、唐揚げやら、ピザやらデザートやらを世に出して荒稼ぎ。調味料は努力して再現したんで特許を申請。その他の料理は黄紋家を中心に他家がバックアップしてくれて世界初の飲食店が建ち、レシピ本という形で世界に広がった。今はまだ俺が開発しているけど、料理の可能性は世界中が注目していて料理人は嬉しい悲鳴を上げているらしい。家の料理長には


「加那多様のお陰で、可能性が広がりました!独自にレシピを開発するのが楽しいですよ」


 とお褒めの言葉を頂いたし、他家の料理長からも


「この歳になってもワクワクできるとは、有難いですよ」


 と言われてホクホクです。


 前知識、様様ですな。


 飲食店は手頃な値段で食べれて、しかもレシピ本になる前に先取りで新作が食べられる事もあり連日大繁盛らしい。が、難しい話は大人達に丸投げして俺は日々、可愛い弟達の為にせっせと記憶をほじくり返して彼等を


「おいしいーー‼︎」


 と唸らせるべく毎日を平和に精進していくのだ。







 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 赤父「いやー、未だ幼いのに大した子だな」


 黒父 もぐもぐ


  「止まらないよね、コレ」


 桃父「家内がハマっててな〜〜」


 黄父「あー。何か今度5人で集まって加那多にお菓子作り習うとか言ってたな」


 赤父「世話になるな」


 緑父「甘い物と言ったら今までは果物位しか無かったからな。家のは革命だ!と騒いでいたよ」


 黒父「でもさ〜〜、本当残念!加那多君が女の子だったらうちの子に貰えてたのにさーー」


 赤父「はっはっは、全くな。だが家が貰っていたがな」


 桃父「ウチの子だって、かなり懐いているからね!加那多君だって今でさえメロメロなんだし‼︎」


 緑父「いやーー、彼が女の子だったら争奪戦勃発だったな。血の雨とか降ってそうだな」


 黄父「加那多は家の子!どの家にもあげないよ‼︎」


 桃父「あはは、のびのび雅人が慌ててる〜〜」


 緑父「そう言うのを親バカって言うらしいぞ?」


 赤父「ふむ、珍しいものが見れた」


 黒父「なーー、コレお土産に持って帰って良いか?」


 桃父「あ、ウチも頂戴!」


 緑父「家内が喜びます」


 赤父「私も当然貰おう」




「……」


 うん、まあ仲良きことは美しきかなってところかな?


 ……俺、男で良かった。


 トイレに起きてきた俺は部屋から漏れ聞こえてきた平和なのか物騒なのかいまいち判断に困る大人達の話をスルーして愛しの天使おとうとの居るベッドへと早々に戻ると陸兎を抱き締めて寝た。





 ーーーー男児、万歳‼︎





次は一気に飛ぶ予定。

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