オーバークラス
このスキルはまずい、
一旦地上に帰りいつも昼食を食べる場所に腰を下ろして、
新たに所得したスキルの効果を確認する。
新たに所得したスキルは3つ、
・百練自得
・明鏡止水
・才気煥発
本来スキルとは通常のレベルとは別に存在するクラスのレベルを、
一定まで上げる事で所得するのだが……この3つは聞いた事が無い。
それぞれの効果を説明すると、
百練自得・獲得経験値、クラス数×倍
・レベルアップ必要経験値÷クラス数。
明鏡止水・常に状態を健康に保ち、
一分事にクラス数×10倍の数値分HP・MPを回復する。
才気煥発・全てのクラスレベルを最も高いクラスレベルと同じ数値にする・
全てのスキルレベルを最も高いスキルレベルと同じ数値にする。
さらに称号としてオーバークラスを所得、
こちらにも効果があり
相手のHP・MP以外のステータスを所得クラスの数値分下げる、
手に入れたスキルと称号から察するに獲得の条件はクラス数を沢山所得してレベルを5まで上げる事っぽいが……、
今後世界中を旅する為には強くなる必要があるし、
他の冒険者などにバレた場合能力値のインフレが世界中で起きる可能性がある、
自分の為にも取りあえずスキル偽装で、
称号・クラス・能力値を隠蔽、
当たり障りの無い数値に改竄した。
取りあえずレベルを上げて偽装スキルの強化をする為午後からもダンジョンに潜る。
「ヤバイ楽勝過ぎるぞ、シルフ」
「ワン」
シルフも同じように感じてるらしい、
二匹のゴブリンを見つけて突撃、
俺はロングソードでゴブリンを胴体から真っ二つに切断、
シルフも口にくわえたショートソードで首を一瞬で切り裂いた、
しかもシルフはレベルアップまでした、
15歳まで後1年と8ヶ月有る、
頑張ってレベルを上げよう。
あのスキルを所得してから10ヶ月、
遂にレベルが30に到達した、
そして上級クラスと複合クラスを取得した、
複合クラスとは特定の2つのクラスをレベル30にする事で取得できる物、
これによりクラスの数が80まで増大、
さらにレベルアップに拍車がかかる、
シルフもかなりレベルアップしており、
最早『ビギナーダンジョン』内では楽勝である。
俺と同い年の見習い冒険者パーティーも『ビギナーダンジョン』の攻略自体は完了しており、
後は経験値と資金を貯めるのみだと受け付けのお姉さんが言っていた、
俺ももう直ぐ正式な冒険者としてデビュー出来る、
早く色々な場所に行ってみたい。
いつもどうりにダンジョンに潜る、
ダンジョン内では他の冒険者に遭うことはない、
何でも次元自体が異なっており一緒に入ったパーティーメンバーしか同じ次元にたどり着けないらしい、
この『ビギナーダンジョン』ではボスモンスターは存在せずボス部屋には何も存在しない、
未攻略のダンジョンにはボスが存在して、
因みにボスを倒すとダンジョンバスターの称号が取得できる。
今日も俺はシルフと共に
ボス部屋に入る、
黄の魔法陣に入る
を繰り返して経験値と資金を稼いだ、
いよいよ明日は正式な冒険者の申請ができる日だ、
今日は早く帰って寝よう。