光竜・ホワイトウィング
さて、城内見学ツアーの後その日は教会も見に行ったが、
教会もかなり立派だった、
前世で言う大聖堂みたいな?
まあ見たこと無いから分からないんだが、
結構お祈りをしてる人もいて、
余り宗教に興味の無い俺でも少し感じるものがあった。
勇者パーティーもレンダイに来るには後一週間はかかるだろう、
それから『ライトダンジョン』の攻略に4日程かかるとして、
光竜の出現はその後だ、
この町は故郷だし両親もいる、
少なくとも光竜討伐まではレンダイにいよう。
それから二週間を俺はシルフと森でじゃれたり、
町の行った事の無い所を回ったりして過ごした。
そして、何時ものように自室のベッドで眠っていると突然警報が響いた、
遂に来たのだ、
俺は急いで装備を整えて、
ギルド職員の両親と一緒に冒険者ギルドに向かった、
やはり首都だけありかなりの冒険者数になる、
夜というのも有るんだろうか、
殆どの冒険者が町中にいる、
ギルド職員の治療担当が酔い醒ましをかけて回っている。
まだ集まっていないが班分けが始まった、
緑髪の受付さんが指示を出している、
あの人俺が子供の頃から受付やってるからな、
結構偉いんだなーと思いながら俺が振り分けられたのは遊撃だった、
パーティーを組まずに町の防衛をするらしい、
何でも斥候兵からの情報で、
森のゴブリンやらグレーウルフやらが町に群れで向かって来ているらしい、
城の騎士団も連携して町の守護にあたるが、
あちらの方が集団的戦闘が得意な為、
冒険者は高ランクの人以外はその補佐に回る、
俺は高ランク冒険者では無いが、
スキルの関係で遊撃に組み込まれた、
遊撃隊は4班に別れて防衛するらしい、
それぞれ東西南北で俺は『ライトダンジョン』があり光竜・ホワイトウィングの現れた北方面の遊撃に割り当てられた。
「という訳で俺が北の遊撃指揮をするダグバだ」
北門近くで集まった遊撃部隊だが、
ダグバというギルド職員から指示を出された、
「組織的な防衛は騎士団がしている、俺達は冒険者らしく突貫だ、自分の命は自分で守れよ、此処にいる冒険者は高ランクだからな、責任は自分でとれ、では解散」
ダグバの指示にならない指示により、
俺とシルフも取り敢えず勇者パーティーが戦っている北へ向かった。
「これは多いな」
「ワン!」
大盾で弾き、グレートソードで切り裂いて勇者パーティーと光竜・ホワイトウィングの周りに敵が行かないように戦っているのだが、
「すげぇな、流石は勇者様だ」
光竜・ホワイトウィング、
見た目は一対の白い翼を羽ばたかせる巨大な竜人で、
全身に白い鎧を纏っており巨大な聖剣と思われる物で戦っている、
その破壊力は絶大で、
遠目でも分かる程の破壊をまき散らしている。
だが勇者パーティーも負けていない、
勇者様を中心とした攻撃は確実に光竜を追い詰めている、
あの巨大な剣と打ち合う勇者様、
剣以外の魔法攻撃を受け止める聖騎士様に、
聖女様の回復で体力を回復して、
賢者様の魔法攻撃でダメージを与えて、
精霊王様が補助魔術でパーティーの力を底上げする、
まさに勇者の戦いだ、
伝説は蘇り勇者は奇跡を体現する、
たった5人で光竜を打倒する。
俺は勇者パーティーが戦うのをシルフと共に雑魚をつゆ払いしながら見ていた。
これは大丈夫かもしれないな、
話した事はないが、
あそこまで真っ直ぐに仲間を信じて剣を振るう彼は間違いなく勇者だ、
国が何か考えていてもきっと彼が暴走を止めてくれるだろう、
勇者様が光竜・ホワイトウィングにとどめを刺したと同時に王様が現れた、
「さあ勇者よ、最後の牙を聖剣に捧げるのだ」
ランクライド王国の王、オッド・ランク・ライド24世、
豪奢な服に王を示す王冠、
何故こんな危険な所へ?
いや理由は有るんだろうが……てっきり俺は最強になった勇者様を使って、
他国に戦争でも仕掛ける物だと思ってたんだが。
王のセリフで勇者様が光竜・ホワイトウィングの牙を聖剣に取り込んだ瞬間、
眩い光が辺りを照らして視界を奪っていった。




