緑髪の受付嬢
私は、ランクライド王国、
首都レンダイの冒険者ギルドで受付をしているリンカー。
約半年程前に元パーティーメンバー現ギルドの同僚の息子が冒険者に成るために登録するとの事だったので、
興味が有ったから私が件の息子の担当をしたのだ、
顔は父親似で可もなく不可もなく、
短いが母親譲りの綺麗な銀髪を後ろに流すような髪型、
これも父親譲りなのだろう、
身体つきが凄くがっしりしており、
身長が180前半位で筋骨隆々、
筋肉好きな女子にさぞかしモテるであろう、
そんなアルト君の登録時のステータスを見て違和感を覚えた、
彼のクラス構成は万能型だったのである、
あの体つきで万能型?
成長期の子供達はクラスによって身体を成長させる、
例えば術師系なら体は細く、
前衛系なら体は大きく、
みたいな感じである、
個人差があるとはいえてっきり前衛職一本だと思ったのだが、
体の動きもである、
私も元ソロBランク冒険者、
鑑定のスキルが無くてもカンである程度の実力が判る、
アルト君は明らかに出来る人間だ、
若いが一つのクラスに邁進すれば、
あれぐらいは出来るだろうというぐらいに、
だが実際は提出したステータスと鑑定結果に差異は無かったのだ、
私のカンが鈍ったのか、
それともアルト君が自分を偽るのが得意なのか、
その両方か……
その後もアルト君の情報を定期的に集めるのだが、
アルト君の異常性が浮かび上がっている、
行く先々で竜の討伐に参加して、
新しいスキルの発現だとか、
新種のテイムモンスターをテイムしてるとか、
勇者パーティーの助太刀だとか、
新型ゴーレムの開発者になったとか、
貴族の娘と駆け落ちしたとか、
最後のはただの噂話だが、
とにかく話題に事かかない、
友の為にもなるべく火消しをしてあげよう。
「おーい、リンカー」
アルト君の父親で、
元パーティーメンバー現ギルドの同僚のアルバが呼んでいる、
「何です?」
「一応、お前の言うとおりにアルトにちゃんと天恵の運について忠告しといたぜ」
「ええ、私達にチョッカイを出す人はあまりいませんが、アルト君は国中を旅しているので心配ですね、」
「今は家で生活しているが」
「彼ならライトダンジョンも最後まで攻略するんでしょうねソロで」
「ああ、多分な、スキルのおかげとは言え、アルトは強いがな」
「ええ、ですが運だけで世の中を渡って行ける訳でもありません」
「たしかに」
そう運は必要だが、
より大きな力の前に運だけでは潰されてしまうのだ、
最近は王族がなにやらきな臭いので余計にだ、
強力なスキルの持ち主には、
冒険者ギルドから注意を促している。
「何事もなければそれが一番なんですが」
「そういえば、秘書さんが呼んでたぞ、家のギルドマスターはどこだーってな」
「あの子も喧しいですね、ちょっと受付を手伝って上げただけなのに」
「いや、ギルドマスターが受付する何てお前ぐらいだろ」
失敬な、ちょっとしたお茶目です、
だいたい出会いのチャンスは自分で作る物という事を既婚者は忘れているんです。




