学園都市メーティス〜首都レンダイ
翌朝、俺は学園都市メーティスの北門でルナールとシルフに合流して、
一路北東方面に続く街道をシルフの背にルナールと二人乗りをしながら進む、
「凄いわね、シルフは馬車なんかより断然速いわ」
「ワウワウ」
シルフはご機嫌だな、
俺は凄く緊張するんだが、
だって控えめだがしっかりと存在するもん、
腰にしっかり捕まられてるもんいっぱいいっぱいだもん。
旅用の服装の所為でダンジョンアタック時に装備している鎧はアイテムボックスの中である、
アイテムボックスが有れば必要な時に一瞬で装備を切り替えできるのだ、
それでも俺は何時もは鎧を装備しているのだが、
シルフに乗って長距離を移動するのは始めてだし、
今回はルナールと二人乗りなのでシルフに負担がかからないように冒険者服とマントの装備である、
学園都市メーティス〜首都レンダイまでは徒歩で約3週間だがこの調子で行けば、
一週間かからないかもしれない。
順調に街道沿いを進みながら3日、
そろそろ情報にある盗賊の出没する区域である、
「アルト、ここら辺が盗賊がでると情報で言っていた場所の筈ね?」
「ああ、ただ本来そうそう遭う事は無い、普通商隊やら貴族の馬車やらがよく狙われるもので、俺達みたいな少数の冒険者なんて普通襲わないよ」
なんて言ってるが俺は毎回遭っています、何故なのか?
そんな会話をしながら進むと案の定というかやはりというか、
盗賊が商隊を襲っていた、
「アルト!商隊が盗賊に襲われている!」
「盗賊の数が多いな40人はいる、冒険者側も20人はいるが……盗賊側が有利そうだな」
冒険者達が頑張っているが、遠からずやられるな、
「じゃあ迂回して離れ「何いってるんだ!貴方なら助けられる筈だろ!」」
「言ったろ、俺はルナールの護衛だパーティーじゃ無い、例えあそこに飛び込んで盗賊を全滅させても、君を守れない可能性がある」
「しかし!」
「だから話を最後まで聞け」
「すまない、だが早くしなけば」
「分かってる、まずルナールとシルフは脇の林に隠れているんだ、シルフはしっかりルナールを守ってくれ」
「ワン」
俺はシルフから飛び降りてスキル・気配遮断を発動、
シルフにしっかりと捕まったルナールが森に隠れて行くのを見ながら、
俺も飛んだ勢いのままに盗賊の死角に回り込む。
冒険者達と盗賊達は向かい合うようにして戦闘しているので、
俺は盗賊達の背後から、
スキル・闇魔術のスリープミストを発動ただし弱めに調整して、
続いても闇魔術のパラライズ、
更に闇魔術のコンフューズ、
因みに上から眠り・麻痺・混乱である、
盗賊は一斉に弱体化して冒険者達に捕縛されていった、
恐らくは奴隷として売るためだろう、
ある程度食料等を消化している日程だろうし積み荷に余裕があり、
かつレンダイまで馬車で5日程だ、
この世界の人間なら水無しでもそれぐらいの距離なら余裕がある、
商隊の人が馬車の整頓を始めているようだし間違いないな。
俺はある程度商隊の状況を確認してから、
見つからないようにシルフとルナールに合流して先を急いだ。
暫くしてからルナールに話かけられた、
「すまなかった」
「何を謝っているのかな?」
「貴方を疑ってしまった」
「疑った?」
「ああ、私はてっきり私の護衛を理由に商隊を助けないと思ってしまった、だが貴方は何かバレたくない秘密を持っているのに、バレるのを承知で私を助けてくれる程の慈悲深い人だと、忘れていたんだ最近浮かれていたんだ、町の外に始めて出れて、貴方はとても凄い人でたった一人で『ゴーストダンジョン』の時も……闇竜・ボーンテウームの時だって勇者達と肩を並べられる人で、
きっと盗賊なんて何人いても正面からたたき伏せる事ができると、思ってしまった、貴方にも事情がある事を失念していたんだ、私が無理を言って護衛を頼んだのに……本当にすまなかった」
「別にいいさ、回りくどいやり方なのは確かだしね」
沈んだままのルナールとシルフの背に乗りながら一路首都レンダイへ、
翌日には持ち直していたが、
緊張感を持って行動しており、
きっと良い経験になったんだろう。
首都レンダイの南門に到着してシルフと一旦別れる、
「シルフお疲れ様」
「ワン」
「シルフ今日までありがとう」
「ワン、ワウ」
ルナールも名残惜しげにシルフと別れを済ませてシルフは森に帰った。
俺とルナールも南門から入ってメインストリートで別れる事になった、
俺は実家に、
ルナールは宿を探しに一旦冒険者ギルドに行きオススメの宿を聞くのだろう、
地元だけど宿には詳しくないんだな俺、
実家で寝泊まりするつもりだし、
「今までお世話になった、本当にありがとう、アルト」
「ああ、ルナールも頑張って冒険者を続けろよ、自分だけの出来る事を頑張って探せ」
「ああ、アルトも頑張ってくれ、これからきっと貴方はこの国だけじゃ無く、世界中を巻き込んで色んな人を救って行く、そんな気がする」
そんな彼女の言葉と共にどちらからともなく俺達は別れた。
俺も彼女に教わった事がある、
逃げたり諦めることは誰でも出来るという事、
だからこそ自分の為に歩く事が大切なんだと。
俺は色々なこのファンタジーの世界中を見て回りたいそれが俺の夢なんだ、
前世にはなかった……俺の夢。




