表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/48

攻略できない

人工ゴーレムの依頼を受けてから1ヶ月、

未だに『ゴーストダンジョン』を攻略出来ない、

最上階と思われる50階層を何度も探索したのだが、

全然ボス部屋が見つからないのだ、

せっかく偽装したスキル・天恵の運で、怪しまれずボスを倒せるかなと思ったのだが、

その代わりと言うと変だが魔石の交換でお金がかなり貯まった、

その額なんと金貨400枚程ある、

銀行に預けて有るが使い道がない。


1ヶ月の間に大々的な勇者の御披露目パレードが首都レンダイで行われた、

高価な映像投影装置でランクライド王国各都市に中継されて、

更に伝説のドラゴンを4体倒していることも盛大に宣伝されている、

俺が図書館で調べた感じだとこの国に伝わる伝説のドラゴンは全部で6体、

残りは闇竜・ボーンテウームと光竜・ホワイトウィング。


図書館の古い資料によると、

どうやら勇者の持つ伝説の剣はドラゴンの牙を吸収して強化されるらしく、

更にボス部屋にある台座に伝説の剣をかざすと、ドラゴンの封印が解かれるらしい。


だが勇者を強化して、一体ランクライド王国は何がしたいのか分からない、

2000年前の勇者達により魔王は倒された筈なのだ、

モンスターが活発化している訳ではないし、

魔王復活の噂があるわけでも無いし。


そんなこんなことが世間を騒がせているが、

俺は『ゴーストダンジョン』を攻略出来ない事が悔しくて、

未だにメーティスを離れていない、

勇者パーティーが最近この町に来た事もあり、俺は負けず嫌いだったらしく、

先に攻略しようとしていた。


「今日も無理だったなシルフ」


「ガウ」


「なぜ、攻略出来ないのか?」


「ガウ」


「シルフは強く成って、スキル・霊感も身に付けて機嫌が良さそうね」


「ワウーン」


またもやシルフのおかげで俺はダンジョンの攻略が楽になったのだが、

50階層を幾ら調べても先に進めない、


「シルフ〜どうしよっか?」


「ワウーン、ワン、ワン」


俺は何処へでもついて行くよって?


「お前はなんて良い奴なんだ!」


感激した俺は、シルフを盛大にモフモフしながら、

ストレス解消して宿に帰った。


俺はダンジョンアタックを中止してシルフと森で遊んでいた、

やる気が出なかったのだ、

『ゴーストダンジョン』はストレスが溜まる場所でもあるため、

息抜きがしたかったのである。


しばらく森でシルフと遊んでいると、

何時かの蒼銀の女騎士様が現れた、


「アルト、とシルフよね?何でこんな所で遊んでいるの?」


「これはルナール・ランド・メーティス様、私などに何の御用でしょうか?」


「止めて下さいそんな言葉使い、前みたいに普通に話して下さい」


「では改めて、無事で何よりだルナール」


「こちらこそ、改めてお礼を言わせて、ありがとう、アルト」


以前あった彼女は切羽詰まった感じが有ったのだが、

今の彼女はとても晴れやかな笑顔で俺に礼をしてきた、

どうやら彼女の『やらなければならない事』は終わったのかな、


「それと、今の私はもう貴族では無いわ、ただのルナールよ」


「へぇ、それは凄いな!いろんな意味で!」


ランクライド王国は身分社会でもある、

上から王族・貴族・平民・奴隷の四階級に別れている、

貴族内でさらに細かく、

奴隷内も細かく別れている、

身分社会において貴族を辞めるなんていうのは、

犯罪者は別にしても正攻法で辞めるのはかなり難しい筈だ、

色々有って当然かなり苦労したんだろう事が判る、


「えぇ、貴方のお陰で私は生きて自由に生活出来るわ、冒険者として」


「そうか、君の役にたてて嬉しいよ」


心から思う……あの時助けて良かったと、


「それで、何をしているの?」


「見ての通り、シルフと遊んでいたんだよ」


「私もシルフに触って良い?」


「シルフが良いならね」


「ワウワウ」


「良いってさ」


「ありがとう」


ルナールは武器を地面に置いて、

両手の手甲を外してシルフの脇腹を優しく撫でて毛並みを確かめながら聞いてきた、


「私は目星い依頼が無いから、森にゴブリン退治と薬草採集に来たの、貴方は?」


「いや本当にシルフと遊びに来ただけだよ、『ゴーストダンジョン』はかなりストレスが溜まるんだ」


シルフが霊感で敵に気付けるようになったが、

それでもあのダンジョンは薄気味悪いせいか、

一日中ダンジョン内に居ると気が滅入るのだ、


「ふーん、シルフも見た目が以前とかなり変わってるわよね?」


「ああ、この前急に光ったと思ったら、シルバーウルフっていう種族に変化したんだ」


「聞いたこと無いわ」


「俺も無いよ」


「ワウワウ」


シルフも無いらしい、


「……ねぇアルト、何か貴方にお礼がしたいんだけれど」


「そうだな、約束を守ってくれれば後は特に欲しい物もないしね〜」


「それでは私の気が済まないのよ、私結構お金持ちだし、遠慮しないでいいのよ」


「実は俺も結構金持ちなんだなコレが」


金貨400枚は日本円に換算すると、

大体4000万円位である、五年は遊んで暮らせる、


「貴方程腕が良ければ当然ね、愚問だったわ」


「気持ちだけ受け取るよ、気持ちは大事だよ、気持ちが無ければどんな物も嬉しくないからね、ルナールの言葉はとても心地良いよ」


「えぇその通りね、心の篭もらない物は例えそれがどんなに高価な物でも、両親や姉弟からの贈り物でさえ……虚しさしか感じないわ」


何やら、シルフを両腕で抱きながら悲しそうな顔をしている、

貴族の時代に色々有ったのだろう、

しばらくしてシルフから離れると装備を整えて挨拶をしてきた、


「そろそろ行くわ、ありがとう」


「ああ」


「ワウ」


ルナールは俺達から離れて森の奥に入って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ