人工ゴーレム
この世界はスキルにかなり依存している、
しかしそれは新しい発見が無い、
という訳ではないのだ、
例えば剣術、
使う人によりかなりの差がでるのは、
その人の使っているステータスや武器や人格、
他のスキルにより千差万別になるが、
それでも自分で流派を起こす人もいて、
ある程度修めるとスキル〜流派レベル幾つみたいにスキル化する。
生産職も基本的にはスキルの熟練度が腕前に直結するが、
新しい発見などをするとその発見がスキル化したりする。
生産職は新しいスキルを発見・発現すると国に報告する義務があり、
この時発現、発見したスキルがユニークスキルなのか、
それとも万人に再現できる物なのかを調査する、
万人向けに発現出来るスキルはスキルの取得者数により、
国からお金が貰えるそうだ。
で今回依頼主がスキル化目指して研究しているのが人工ゴーレム、
地魔術・ゴーレム作成とは違うものだ。
魔術はそれぞれの属性に分かれて更に使いたい物について勉強して、
イメージしてからスキル化する、
例えばスキル光魔術の回復は、
体の仕組みをある程度理解していれば、
後は治る姿をイメージすれば発動できる。
しかし、確かに見れば判ると言うだけある、
遠目に見ても巨大なデッサン人形に、
脇に立つのは学生服に白衣に丸眼鏡と完全に自分は研究者です、
という出で立ちの黒髪の男であった、
俺はその男に近づき挨拶をする。
「依頼を受けて来ましたアルトです、今日はよろしくお願いします」
「我が輩は、人工ゴーレムの研究をしている、ジャッカル・ゲット・インザレだ、よろしく」
「早速ですが、戦闘力を試すのはその人工ゴーレムでしょうか?」
俺は巨大デッサン人形に視線を送る、
「ああそうなのだが、まずは説明だ、この人工ゴーレム、通称ななちゃんは我が輩が自作した7番目のゴーレムなのだが、見ての通り球体間接と木製だ、武器は刃引きした鉄製の剣と盾を両腕に装備している、キミも同じ装備で打ち合って欲しい」
「分かりました」
俺は自分の武器をアイテムボックスにしまい、
ななちゃんの近くにある武器を装備して、
ななちゃんとある程度距離を取り向かい合う、
師範のスキル・制限でレベル30相当にステータスを制限して準備完了、
「準備できました」
「ルールは先に有効打を打ち込んだ方の勝ちとする、では……始め!」
ふむ……ななちゃんは俺に近づき、
右手に持ったショートソードで袈裟切りを放ってきた、
俺は左手の盾で受け止めてからカウンターぎみに横一線、
ななちゃんは盾で受けようとして構えるが俺はななちゃんのタイミングを外すように盾でななちゃんを叩き飛ばした。
「終了、見事だ、アルト君から見てななちゃんはどうかな?」
「ええっとですね、まずは素直すぎますねフェイントも無いし、後は見た目がデッサン人形のせいで次の動きが読みやすすぎます、木製のせいで攻撃も軽いですし、剣と盾もあまり使えていません」
「そうか」
なんか凄い落ち込んでいるな、
まあ仕方ない本当の事だ、
しかし人工ゴーレム作成という事は地魔術のゴーレム作成ではなく、
魔道具的なゴーレムを考えているんだろうなと予測出来るのだが
「分かると思うが、我が輩が研究しているのは、戦闘用の人工ゴーレムで、最低限Eランク冒険者と戦える力が欲しかったから依頼をだしたのだ」
戦闘用か、というか知能はどうなっているんだ?
地魔術のゴーレムは命令を聞いて動いてくれるが、
そもそも目に見えない精霊が動かしてくれていたはずだ。
「毎回ななちゃんを動かしてくれている精霊が同じなら精霊にクラスやスキルを取得させる事ができるんじゃないですか?」
「それだ!まず精霊の固定化を研究しよう、ありがとうアルト君のアイデアを使わせて貰うよ!スキル化できたら、君の名前も発見者に入れて、歴史に名を残せるようにしてあげよう!」
「はぁ、ありがとうございます」
正直どうでもいい、
「あの、そろそろサインをお願いします」
「ああ、すまない我が輩興奮していたのだ……よし確認してくれ」
俺はサインを確認して受領書を受け取った、
「確かに、ありがとうございました」
「こちらこそありがとうだ、ではこれで、我が輩は急いで研究室に戻る」
そう言うと、ななちゃんを伴いダッシュでメーティスに帰っていった、
なんか思ったより普通の人だったな、
貴族の人はもっと尊大な人ばかりだと思ったのだが、
俺はシルフとここで別れて冒険者ギルドに帰った。




