ダンジョンアタック・レベルアップ
『スクールダンジョン』の一階はスライムのみしか出現しないので防具は必要ない、
武器として学校からショートソードを借りている、
今日もまた延々とスライム狩りである、
もう直ぐ3ヶ月になる授業でもダンジョンに潜る事が多くなってきており、
みんなレベルが上がり初めている、
中には二階層に行きホワイトラビットを狩り始めている子も存在する。
迷宮型ダンジョン内のモンスターは倒した場合光と共に消滅し魔石と呼ばれる石を落とす、
学校内に魔石買取所が存在しそこでお金と交換できる、
『スクールダンジョン』内で入手した物は全て学校で交換しなければならず、
他の魔石買取所に持っていっても交換できないように法律で定められている。
ちなみにスライムの魔石10個で鉄貨1枚で交換できる、
鉄貨10枚で銅貨1枚
銅貨10枚で銀貨1枚
銀貨10枚で金貨1枚
で交換でき、
一概にはいえないが大体鉄貨1枚で百円位の価値である。
外のダンジョンではスライムの魔石一個鉄貨一枚と交換できるらしい、
さらに一月が経過してやっとレベルアップできた、
ステータスを確認すると普通のレベル5相当のステータスになる、
ここから先が長いな、
将来的に冒険者になるには最低でも6レベルはないとキツいと思われる、
卒業までになんとかしたいな。
翌朝朝食の席にて両親に将来の夢を聞かれた、
「アルトは将来何になりたいのかな、家は家業が無いから自由に選べるぞ」
父親から自由に職を決めていいといわれた、
前から考えていたが俺は冒険者になり色々な所を見て回りたい、
せっかく異世界に転生したのであるから。
「父さん、俺は冒険者になりたいです、冒険者になり世界中を見て回りたいのです」
「ならば沢山強くならないといけないわね」
母親も別段反対はしないらしい、
自分達が元冒険者というのも関係があるのか
「頑張れよ」
と温かい声をかけられた、
朝食を食べ終えた俺は自室に戻り身嗜みを整えて、
「行ってきます」
と声をかけ登校するのであった。
自宅から学校へは15分位で登校でき、
道すがら他の生徒達も集まっていく、
正門を抜け自分の教室へ行き席に着席し先生が来るのを待つ、
しばらくぼーっとしているとバイク先生がやって来たようだ、
「みなさんおはようございます。午前は国語の授業と算数の授業午後は体育の授業です、みなさん今日も頑張って学びましょうでは教科書を配ります」
教科書はそこそこ高価なのでその都度貸し出しをしている。
一年生は基本的な文字の読み書きを学ぶのだが、
紙はこの世界では高いので、
代わりに小さな黒板みたいな物が机にあり、
そこにチョークで文字を書いたり消したりして覚えていく。
俺はかなり記憶力がよく楽勝だった、
前世はかなり勉強に苦労したので感慨もひとしおである、
国語の授業が終わり30分休憩その後算数の授業も終わり昼休み、
みんな大好きお昼ご飯の時間である、
お弁当の子と学食の子がおり俺は学食である、
両親共働きの為弁当は負担がかかるので学食にしている。
昼休みは一時間、因みに授業は1コマ一時間半である、
午後の体育はダンジョンアタックで俺はソロで二階層のホワイトラビットを相手にひたすら狩りをする、
殆どの生徒はすでに三階層に進みレベルが上がっているはず、
俺はまだ2レベルでステータス的にはレベル5相当の数値なのだが、
三階層からはケガをするかもしれないので此処でもう1レベル上げておきたい。
一年半かかりやっとレベルが3になった、
7歳の冬休みの事であるステータスは普通の人のレベル10相当位である、
最近は他の生徒達は既に5階層を攻略しているらしい、
卒業まで後3年地道に頑張るしかない。
三回層からはモンスターは複数の種類が出てくる、
スライム、
ホワイトラビット、
そしてゴブリンである。
ゴブリンは木の棒を装備しており殴られると痛いのでこの階層からは防具の着用が望ましい、
俺は装備をショートソード、
大盾、
革の鎧、
革のマントを装備して挑む、
ステータス的には装備してもあまり重く感じないが、
初級スキルしか使えないのがキツい、
それぞれのクラスの初級スキルはパッシブ系のスキルが殆どで剣兵なら剣術、
槍兵なら槍術みたいな感じである、
俺も斬撃を飛ばしたいなー。
この階層のゴブリンは全て単独で出現するのでそこまで強くないが、
五階層のゴブリンは3匹一組で出現するらしい、
卒業の年の半ばやっとレベルが4にアップした、
ステータスは一般の15レベル相当だが、
スキルが相変わらず初級しか使えないので戦闘がキツい、
4階層に挑戦するのはあきらめて三階層で残りの期間頑張ろう。
卒業式の日みなで体育館に整列している、
思えば長かったと感慨に耽っている、
長い校長先生の話を聞き流しながら冒険者になる為にはレベル上げをしなければならず、
ソロで活動していた俺はいわゆるボッチだったのである、
違う意味で涙で目が滲んできたグスン。