戦慄のギルドマスター
sideギルドマスター
恐るべし、スキル・天恵の運、
わしは改めてそのスキルの凄まじい力を思い知らされた、
2日前勇者パーティーが『バードダンジョン』を完全攻略したという良いことがあった、
長く攻略が進まなかった事もあり大々的に勇者パーティーの宣伝も兼ねて国を挙げて発表という事が決まったので、
攻略情報は伏せていたのじゃ、
しかし良いことは続かないのか、
いや結果的に見れば良いことなんじゃが今日急に風竜テンペストが現れたのじゃ、
たまたま勇者パーティーがまだダンジョンに入る前だったので大事にはいたらなかったが、
勇者パーティーは風竜テンペストと戦い、
冒険者達は町の防衛の為勇者パーティーの援護を頑張っておった所、
朝早く森の調査をしていた冒険者達が帰ってきたのじゃ、
緊急の報告だというので話を聞くと森の中で大多数のゴブリンの群が町に向かって来るそうじゃないか!
流石の勇者様パーティーも風竜と戦った後にもう一戦は厳しい、
この町も終わりかのーと諦めておったんじゃが、
長い戦いの末に勇者パーティーは風竜テンペストを倒した、
さあ次はゴブリンの群じゃせめて一般人が他の町まで逃げ切れる位時間を稼ごうと待ち構えておったら、
例のアルト君が現れて報告をしたんじゃ、
「ゴブリンの群は森の奥に帰って行きました」
と、わしはやっと張り詰めていた気を緩め念の為に戦えるギルド職員に森の調査をさせ事後処理に取り掛かかったのじゃ。
翌日の昼位になるとだいぶ余裕がでてきて、
まとめていた書類をみて衝撃を受けたのじゃ。
2日前、各冒険者ギルドからの報告で彼の行動パターンから今日はダンジョンに入ると思っておったのじゃが。
・アルト君が何故か森に薬草採集に入る。
これはまあいい、あくまでもダンジョンに入るというのは予想じゃ、
偶然知り合いの森の調査に来ていたCランク冒険者が2人同行する。
ゴブリンに捕まった冒険者を救出する。
ゴブリンの群、
Cランク冒険者が2人掛かりで人を救出するのならギリギリの戦力じゃ、
恐らく5割位の成功率じゃがそれを成功させる、
・テイムモンスターに救助者を運ばせる。
これもまあ自然な流れかの、
彼の戦闘力では足手まといなのは明白じゃ、
・Cランクの獣人の冒険者がゴブリンの群の報告に。
ここで何故か一番ランクが低い筈の彼でなく、
Cランク冒険者が町に報告、
テイムモンスターも町に戻っているにもかかわらずじゃ、
そして風竜テンペストが倒されてから町に帰還。
風竜テンペストがやられた事により群が森の奥に帰って行ったのではないかと推測されておる、
彼の話では残ったエルフの冒険者と足止めしつつ逃げ回っておったらしいが、
足止めだけなら遠距離攻撃のできる冒険者なら安全じゃ。
この一連の騒動でまだ攻略情報の出回って無い『バードダンジョン』より、
風竜テンペストが現れた町の防衛メンバーより、
冒険者にもかかわらず合法的に安全な場所にいた駆け出し冒険者アルト、
更に町の防衛にテイムモンスターのグレイウルフは自主的に参加しておったので、
彼に金一封が贈られる。
彼のスキル・天恵の運は敵に回してはならない事がよくわかったのじゃとわしは改めて思った。




