旅立ち、鉱山の町テツザン〜草原の農業都市カルテット
火竜サラマンダーの討伐から3日、
次の都市カルテットを目指して情報収集と携帯食料を買い込んだ翌日いよいよ出発だ、
お世話になった人達に挨拶をして回る、
宿屋の女将さんに防具屋の店主にそして武器屋の親父さんとテツコだ、
特にテツコは涙ぐみながら
「僕、頑張って立派な武器屋さんに成るから!だから立派な武器屋さんになったら僕の武器を買いに来てね!」
と言っていた、
テツザンの西門からカルテットへ向かう街道沿いにシルフと歩きながら俺は、
テツザンの町に想いを馳せるのであった。
テツザンを出発して1週間どうやら後を着けられているらしい、
一応俺の視界内には入らないようにしているらしいのだが、
シルフも俺も普通に気付く、
二人共俺より年上っぽくて、
一人は金髪のロングヘアのエルフで身長は160センチ位の貧乳、
もう一人はネコミミの緑髪で170センチ位のショートシャーギーの巨乳である、
しかし何故尾行されているのかよく分からない、
そろそろ盗賊も多くなってくる場所らしいし早めにあの二人に対してアクションを起こさないといけないかな?
sideダルク
私の名前はダルク、
エルフ族でソロCランク冒険者をしている、
相棒のスイカも獣人で同じくソロCランク冒険者をしている、
普段私たちはテツザンの町で依頼をこなしているのだが今回カルテットへの里帰りを兼ねて尾行の依頼を引き受けた、
「しかし速いな」
「フルプレートの鎧なのにオカシイにゃん」
歩く速度こそ普通だが、
それは一般的な冒険者のスピードだ、
とても駆け出しの冒険者がフルプレートの鎧を装備して出せるスピードではない、
しかも傍らに居るグレイウルフにもバレないように尾行するのは厄介である、
私の鷹の目とスイカの嗅覚でかなり離れた位置から尾行している、
「そろそろ盗賊が多くでる場所にゃんだけど、まあ自分達にゃら逃げるのは楽勝にゃけども」
「問題は彼だな」
冒険者ギルドの情報に依るとEランクの冒険者だが上級の魔石を沢山交換しており、
何かあるのではないかと疑われているらしい、
冒険者ランクを上げるには特例を除き、
一定の活動期間と昇格試験を受けないといけないのだが……その特例になるかもしれないらしい、
「どうやら夜営の準備に入るみたいだな」
「こんにゃ所で〜」
「駆け出しの冒険者だからな」
「普通は夜通し歩くにゃん盗賊に襲ってくれと言ってるようなもにょだにゃー」
夜営の中スイカと交代で監視する、
しかしアルトという冒険者は普通に寝ているなグレイウルフも普通に寝ている、
本当に大丈夫なのか?
いざという時は見捨てなければならないぞ、
見捨てる……か、
しかしそれも仕方ない下手を打てば冒険者ギルドのランク査定に響く、
私はSランクを目指しているのだ、
伝説のエルフティファニー様のように、
きっとSランクになればティファニー様のようになれる。
sideアルト
スキル・危険予知に反応があった、
盗賊の夜襲のようだシルフも起きたみたいだ、
俺を尾行してる二人組がいるので変に戦う事は出来ない、
逃げ出そう盗賊達は馬に乗ってこちらへ向かって来ている、
俺とシルフは素早く近くの森の中に入ってスキル・気配遮断を発動しつつ逃走した。
木の上から鷹の目で尾行者の2組を確認していると、
どうやら逃げ遅れたらしい、
恐らく急に消えた俺達を追ったら盗賊に気付くのが遅れたのだろう、
盗賊達が騎馬に乗っている所為で早かったのも有る、
10人位の盗賊達に囲まれている、
どうやら俺とシルフから盗賊達は標的を変えたらしい、
二人組も腕はなかなか良いみたいだが……やはり多勢に無勢逃げる事も出来ないようだ、
しかし見捨てるのは気分が悪いのでこの距離から援護するか、
俺は木の枝を素早くスキル・錬金で木製の飛針に加工、
盗賊達の首筋に向かって投擲術で攻撃した、
粗方片づいたので今日はこの森で寝よう、
スキル・結界術で魔物除けを張ってシルフをモフモフしながら眠った。
翌日街道沿いを歩いていると尾行していた獣人の女性が声を掛けてきた、
「あーきみきみ」
「俺の事ですか?」
「そうにゃん、私はスイカって言うにゃん、昨日は助かったにゃん礼を言うにゃんありがとうにゃん」
「何の事か分かりませんが?」
「とぼけにゃくとも良いにゃん、おねーさんはわかってるにゃん」
「はあ」
「確かに証拠はにゃいにゃん、でもあの状況とあの飛針には微かに匂いが付いていたにゃん、匂いはすぐ無くなるから証拠にはならないにゃん」
「そうですか」
「なぜ実力を隠してるのかにゃん?」
「別に隠してませんよ」
隠してます、
だって誰でも勇者並みに強くなれる方法とか怖すぎる、
15歳未満限定とはいえ下手に悪用されると権力闘争だとか内戦とか他の大陸に攻め入るとか有りそうで怖い、
現状ダンジョンからモンスターを狩り続けないと、
地上のモンスターが凶悪狂暴化するのが判っているために、
大陸間にて戦争など起きないと言われている、
その引き金になるのは御免だ、
「まあいいにゃん、それともう一人エルフの相棒ダルクに代わってもう一度キミに礼を言うにゃん、本当にありがとうにゃん、本当はキミを尾行する依頼を受けてるから接触するのはダメにゃんだけど」
「何の事か分かりませんが僕は尾行などされてませんよ」
「ありがとうにゃん、ダルクはSランクを目指して冒険者をしてるにゃん、だからギルドの査定を下げる用な事は出来ないにゃん」
「要件がそれだけなら僕はこれで」
「ばいにゃーん」
手を振りながらスイカさんに見送られる、
完全に俺にバレてるのに尾行の距離に戻るらしい、
緑髪のネコミミ巨乳美人は凄い破壊力だったな、
どうやら冒険者ギルドは俺の事を疑ってるらしい、
目立つ事はしてないはずだが次の町、
草原の農業都市カルテットでは何時もより大人しくしていよう、
そう心に決めた。
「ワン、ワン」
え、無理だって?




