クラス取得、そして学校
『クラス取得の心得』と『冒険者の心得』を読んだ俺は早速クラスの取得を開始する事にした、
取得方法は一定の行動を1ヶ月間繰り返す事である、
因みに一日は24時間、
一週間は火・水・地・風・闇・光の6日間で、
一カ月は5週間30日、
一年は12ヶ月365日、
1月1日と12月30日の間には神週間という物があり、
基本的には5日、
4年に一度6日になる。
神週間は新年度として
国民みんなで祝う習慣がある、
という風にあまり日本と変わらない。
さてクラスの取得方法だが武道家からにした1日100回正拳突きである、
まだ三歳の半ばなので午前50回午後50回に分けて行う、
平行して炎術師の取得も行う、一定のポーズをして目蓋を閉じ炎をイメージする、
これを1日100分である一定のポーズはどんなポーズでもいいので仰向けになり両手を臍の辺りで組んでやっている、
こんな感じで学校に入学するまでに29クラスの取得に成功した。
入学である、
この国ランクライド王国では、
その年6歳になる子供たちが10歳になる年までの間、
基本的な読み書きと計算を学ぶために学校に通う。
また優秀な人材はさらに高等部と呼ばれる学校で学び、
この国の重要なポストに抜擢され将来を約束される。
両親に連れられ学校の校舎まで歩く父親が感慨深そうに
「アルトも入学かー」
とつぶやいている、
転生から5年ちょっと、
二度目の学校は上手く行くのか俺は不安で一杯だ、
だが同時に期待もある、
此処は異世界でどんな事が待ち受けているのか。
「アルト入学式頑張ってらっしゃい」
母親に励まされ俺は自分の組まで歩いて行った、
5組あり、
俺は1年4組の教室に入ってすぐ廊下側一番前の席でアルトという札が置いてある、
席に座って待っていると、
どんどん他の席も埋まっていき、
175センチ位の赤髪犬耳の教師と思われる男性が入ってきた。
「先生の自己紹介から始めます、名前はバイクです、みなが卒業するまで担任だからよろしくねー、ではみな簡単に自己紹介してくれ、えーアルトから順番に後ろへってかんじでなー」
自己紹介の定番、
好きな食べ物にするかな、
「名前はアルト、好きな食べ物はリンゴです」
簡単に自己紹介して着席する、
そしてクラスメイト達の自己紹介を聞きながらこれからの学園生活に思いを馳せるのであった。
入学してしばらく経ち、
仲のいいグループが出来上がり始めた頃、
俺もクラスメイトと適度に付き合っていた。
その日初めての体育の授業でクラスの説明があった、
教科書は基本的に貸し出しであり、
持ち帰りは出来ないために今まで気づかなかったのだが、
気がついてしまったのだその日の授業で、
自分が重大なミスをしてしまった事に。
バイク先生の説明が聞こえる、
「えークラスの取得方法は、一定の行動を1ヶ月間繰り返す事により取得出来ます。
またクラスを取得することによりステータスの成長に補正がかかるので、
みな考えてクラスを取得しましょう。
親御さんに相談してきて下さいねー、
基本クラスは15歳の誕生日以降には取得出来なくなるので将来なりたいものをよく考えて取得しましょう、
では次のページです」
「経験値についてですね、
モンスターを倒す事により手に入る経験値ですが、
レベルアップに必要な物です。
レベルアップすると各ステータスの数値が伸びるのですが、
ステータスはレベルアップしなくても皆さんの成長にあわせてアップします、
レベルアップに必要な経験値は取得したクラスが多い程増えますので普通はクラスは3〜4クラス程取得します、
レベルが上がると上級クラスなども取得でき、
また上級クラスは15歳以上になっても取得出来ますので頑張ってレベルアップするともっと強くなれますよー」
「なん……だと……」
思わず言葉が漏れてしまう、
俺の取得したクラスの数は29である、
レベルアップに必要な経験値は7倍以上、
しかも当然レベルが上がれば上がるほど必要な経験値は多い、
これはやばい、
最初は成長の遅い子供ですむが年が進むにつれ差が開く、
かなりのモンスターを倒す必要がある、
少なくとも一般人並のステータスは欲しいからなにか手を考えないと。
ステータス・スキルの確認方法は目蓋を閉じステータスと唱える事により脳裏に浮かび上がる、
基本的にステータスは自分の数値しか確認できず、
冒険者ギルドなどでは正確に計るために特殊な鑑定スキルを持つ人がギルドカードを作る時測定するらしい、
一般人のステータスは大体レベル15〜20、
冒険者や騎士を目指す人で30レベル以上みたいな感じである。
学校内には初心者用のダンジョンがあり、
そこで在学中にレベル上げを行う。
授業の一つとして保護者や教師とパーティーを組み攻略するのだが、
経験値はパーティーを組んで入手した場合人数で割る為、
ある程度のレベル上げをしたら学校の初心者ダンジョンは一人で入る事ができる。
そこで俺はなるべく多くの経験値を稼ぐ為一人でダンジョンに潜る事にした。
翌日俺は一人でダンジョンに挑む、
学校にあるダンジョンはその名を
『スクールダンジョン』
といい、全5階層からなる。
一階はスライムのみしか出現せず殆どの生徒は2階まで足早に攻略するのだが、
俺はせめて1レベル上がるまではスライムをひたすら倒す事にした、
スライムは青色の半透明のゼリー状の体で打撃が効きにくい特性を持つ、
弱点は風魔術と斬撃であり俺はスライムをひたすら倒していく、
スライムは人種には聞こえない声で仲間を呼ぶらしく、
スライム弱らせる、
スライム仲間を呼ぶ、
スライム倒す、
スライム弱らせる、
スライム仲間を呼ぶ、
を延々と繰り返す。
それでもなかなかレベルが上がらない……後何日続ければいいのかな。