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武器・防具・俺の道

注文した剣と盾と鎧を受け取る日、

まずは宿から近い防具屋さんへ、


「いらっしゃい、出来てるぜ」


「ありがとうございます」


「実際に装備してくれ、最後の微調整をする」


「分かりました」


出来上がったフルプレートの鎧は全体的に黒く、

また中心部の赤い魔石から四肢に向かって赤いラインが走っている、

兜も全体的に黒く目にあたる二カ所の部分には裏側から赤い魔法陣が描かれており、

ぱっと見視界が悪そうなのだが、

俺が実際に鎧を装備してみた所、

なんと普通に動ける上に表から見た感じでは全く視界が無さそうだったのに普通に見える、

鏡で確認したら鎧の魔石と魔石から四肢へと走るラインと兜の目の部分が多少赤く光っていた、


「どうだ?」


「ええ快適です」


「では鎧の説明だ、素材はリャンサード産の鉄鋼銀と呼ばれる物を特殊な加工を施して作った、赤い魔石は『リザードダンジョン』の最上階で取れるレッドワイバーンの魔石を加工してはめ込んだ物だ、火魔術に対する防御力と魔術を使う際の魔力上昇の力がある、鎧の裏側には速力アップの魔法陣が刻んであり、フルプレートだからと動きが遅くなる事は無いはずだ、鎧の背部には剣帯が在るからそれは剣に合わせて調整してくれ」


「兜も同じく鉄鋼銀で、両目の裏側には視界良好の魔法陣が刻んである」


「ありがとうございます」


「お前さんも色々あるかもしれんが、頑張れよ」


もしかしてこの店主にもステータスバレてるのか?

俺は兜だけアイテムボックスにしまい礼をしてから店をでた。


続いて、俺はテツコの親父さんの店に向かった、


「いらっしゃい、出来てるぜ」


「ありがとうございます」


店主から受け取ったグレートソードは黒い刀身をしており、

刀身の表面には切っ先から根元まで魔法陣に使われる特殊な文字が刻まれ、

鍔に当たる部分には赤い魔石がはめ込んである、

グリップの部分を握ると今まで使ってた物がオモチャに感じられる程に重くまたシックリと馴染んだ、鞘は表向きは茶色で普通の革製の物だがその裏側に魔法陣が刺繍されている。


続いて黒い大盾も渡される、

長方形の大盾は正面に構えると俺の体を完全に隠せる程に大きく、

見るからに頑丈そうである、


「ありがとうございます」


「装備の説明をする、グレートソードはリャンサード産の鉄鋼銀を特殊な方法で鍛え上げてある、更に剣に魔力を通すと加工したレッドワイバーンの魔石と反応して、火属性の斬撃になる、大盾は鉄鋼銀と聖鉄を交互に5枚重ねてあり、中の聖鉄には視界良好の魔法陣が刻んである、鞘は速力アップの魔法陣が刺繍してあるから魔力を通すと効果が出る」


「ありがとうございます」


俺は装備の説明を聞き、

実際に装備して再度礼を言ってから店をでようとした所でテツコに声をかけられた、


「待って!」


「これも持っていって欲しい!」


「どうしたんだテツコ」


「あのね、これ僕が作ったショートソードと鞘と剣帯、シルフに使って欲しい」


俺はテツコが作った物をじっくりと見極めた、

今シルフが使ってるのは俺のお下がりで既製品の中でも安物のショートソードである、

しかしコレは特殊な効果こそ無いがシルフが使いやすい用に丁寧に持ち手等が工夫されて作られている、


「幾らだ」


「えっと、それは僕が初めて最初から最期まで作った物だからね、お金はいいや」


「しかし……」


「それにね、アルトへのお礼でもあるんだ!」


「お礼?」


俺はテツコになにかした覚えは無いが、


「あのね、初等部の頃ねアルトは誰よりも頑張ってた」


「それはそうかもしれないが」


「僕の両親は僕が武器屋に成るのは反対だったんだ、女の子なんだから細工師の方がいいって」


確かに女性の武器屋はあまり見ない気がする、


「でも僕は小さい頃に親父が武器を鍛え上げてる姿を見て、将来は武器屋に成りたかったの」


ステータスの伸びには男女差があり、力・防御力・HPは男性、女性は魔力・対魔力・MPが伸びやすい、


「でも途中で何回も諦めそうになった、武器屋のクラスは力の数値が低いと一人前に成れないから、

沢山レベル上げしなきゃいけなかった、そんな時アルトの姿を見たの、一人で卒業するまでひたすらダンジョンに潜って頑張ってた、だから僕も頑張れたんだ!最初はいつ諦めるかなって思ってたけど、僕も頑張らなきゃて思うようになって!だからコレは僕からのお礼だから、もらって欲しい」


「ありがとう、お言葉に甘えるよ」


俺はテツコからシルフ用のショートソードを受け取り、

テツコの笑顔に見送られながらシルフと合流する為に町の東門から町を出た。


「シルフ、テツコがお前の為に鍛えたそうだ」


「ワン、ワン」


東門より少し離れた所でシルフに新しい装備を装着させた、

シルフはショートソードを構えたり振ってみたりしながら使い心地を確かめている、


「ワン、ワウン」


「そうか、気に入ったか」


しかし俺のおかげか……俺はただ全力で生きてただけだ、

前世の俺はダメな人間だった、

だから今度こそ頑張らないとと思って生きてた、

俺が少しでもテツコの助けになれたなら今日まで頑張ってきた甲斐があった、

俺の人生にも意味があったと、


「ワウ?」


少し涙がでたのはきっと本当に嬉しかったからだろう。



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