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花追い  作者: 金木犀
花追い同好会活動1
6/19

彼岸花6

 6 安藤司


 次の日の四時間目が終わり、昼休みになったところで、タツさんが俺のクラスにとんできた。

「司が言ったことが本当なら、きっとこいつが花だ!」

 本当なら、と変に確信を持たれても困る。けれど、話を聞く必要はありそうだ。

「二年四組の火我元功ひがもと こう。」

 確かに、俺が言ったことに当てはまっている。でも、ヒガンバナの「ヒガ」だけしか入ってない…。

「本当にこの人なんですか?」

 タツさんは、チッチッチーと指を振った。

「ここからが本番だ。聞いて驚くな。俺は元井と四組に行って気が付いたんだ。俺たち二人とも、張り込みの時にこいつに気づいてなかったんだ。」

 不覚にも驚いてしまった。頭が空っぽそうなタツさんならまだしも、日和先輩まで気づかなかったなんてあるのだろうか。

「おい、今俺のこと馬鹿にしただろう。」

「え…全然全然。」

 顔にでも書いてあったかな?タツさんは、そうか?と気を取り直した。

「でも、もっと信じられないのが、こいつ、クラスの誰からも話しかけられないんだ。」

「は?何言ってんですかタツさん。そりゃあ、頭空っぽだと思ってましたけど、いくらなんでもそれは」

「やっぱり馬鹿にしてただろ!」

 しまった。声に出てしまった。俺はわざとらしく咳払いをして話題を変えた。

「で、どうするんですか。これから。」

 タツさんは、そういわれると思っていたのか、前のようにはしぶらず、すぐに答えた。

「今日の六時間目が終わってから、元井が接触するって。」

「日和先輩が?危なくないですか?」

「俺もそういったんだけど、元井のやつ、『タツみたいな馬鹿そうな男子が行くより百倍ましよ。』とか何とかぬかしやがった。」

 案外そうかもしれない。タツさんが行ったら、余計に事態がややこしくなりそうだ。

「てことで、帰りのホームルーム終わったら、すぐに二年のフロアに集合。急げよ。」

「タツさんには言われたくはないですよ。」

 俺は軽く口をたたいた。


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