鏡の中?現実?
微妙に流血表現ありです。
無理な方は回れ右です!
鏡の中に入りたい。
いや、
入れなくてもいいから、
鏡の中の僕と入れ替わりたい。
そう思って鏡に手を触れる。だが何も起きない。
…当たり前だ。
そんな事が現実に起こるはずが無い。起こるなんて事はありえない。
でも、
それでも僕は起こってほしいと思う。
昨日、クラスの子に悪い事をした。悪い事と言っても殴るとかそういうんじゃなくて、少し足に躓いただけだ。たったそれだけの事なのに、皆は僕に
「イヤナコトシタ」
と言う。はっきり言って、皆が僕にしている事の方が嫌な事だと思う。靴を隠されたり、酷い時は鞄の中の物が全部水で濡れていた事もあった。
そんな時、
僕は堪らなくなって教室を飛び出す。
人間としてそれが当たり前の本能だと思う。
僕がそこに居たら何をされるか分からない。
もっと酷い事をされるかもしれない。
辛い事、
痛い事、
人は嫌がり、
拒絶する。
教室を飛び出して行く場所はいつも決まっている。
『屋上』
そこは僕しか入れない。普段は鍵がしまっているが、ついこの間、僕は偶然その合い鍵を拾った。最初は返そうと思ったが、先生も僕には極力関わりたくない様で、僕の事を避けている。そんな人がたくさん居る場所よりも、誰もいない屋上で静かにしていた方が落ちつく。
今日も僕は屋上に居た。今朝も鏡に手を当ててみたが、何の反応もなかった。
…当然だが。
僕は空に手を翳してみる。
僕と皆、
何が違うのだろう?
同じ人間で、
日本人で、
同じ学校に通っていて、
この体に流れている血の色だって同じだ。
…あれ?
僕の手はこんな色だったっけ?
こんなにも赤かったかな?
僕の顔に雫が落ちてくる。それを指で拭う。指に着いていたものは赤かった。それを舐めてみると鉄の味がした。
マズイ。
すごくマズイ。
…これは血だ。人間の血だ。僕の手が切れているのか、それとも、誰かの血なのか、僕には分からない。
もう一度、空へ手を翳す。
翳した手は赤く染まっている。
あぁ、
まるで鏡の中の僕じゃないか。
鏡の中の僕は強い。
悪い事なんてしない。
鏡の中の僕は絶対だ。
ここは現実?
あぁ、ここが鏡の中ならよかったのに。
ここは現実?
ここは鏡の中なんかじゃない。
鏡の中なら、
僕がこんなに弱いはずない。
ここは鏡の中?
あぁ、ここが現実ならよかったのに。
ここは鏡の中?
ここは現実じゃない。
現実なら、
僕がこんなに弱いはずがない。
ここは現実なの?
ここは鏡の中?
なんで僕の手が血で染まってる?
なんでなんだ?
ここは現実、鏡の中じゃない?
ここは現実なのか?
ここは鏡の中じゃないのか?
鏡の中の僕は強くて、
絶対だ。
でもここは、現実なのか?
ここは鏡の中?
現実の僕は強くて、
絶対だ。
ここは鏡の中?
鏡の中の僕は弱くて、
ダメな奴だ。
現実では見せる事のできない、
暗い部分の僕。
それが僕。
鏡の中の僕。
僕って誰?
僕は誰?
鏡の中の僕は僕で、
現実の僕も僕だ。
ここは現実?ここは鏡の中?
僕は何処にいるの―――――――――――――――――
受験の期間で何も投稿できないのがとても悔しいです。
と言いつつも投稿してたりしますが。
いつか消すかもです。
こんな駄文を読んでくれた方に感謝します。