05.つまりは成り行きって訳で【Side彼女】
……えーっと、つまりはこういうことかな?
異世界決定?
ドラゴンが人の姿に……あぁもぅ、めんどくさい! 元ドラゴンの人が断言した。
いやまあ、あたしからしてみればここは異世界なんだけれども、この人たちから見ればあたしが異邦人ってわけなんだよね。
と言うか、二人してやけに近くに寄り過ぎじゃないかな……?
美形過ぎて、平凡なあたしがなんだか申し訳なくなってくるんだけど……。
「はぁ? この世界のじゃねぇって……意味分かんねぇ。どうゆう事だ?」
「やっぱここ、地球じゃないんだ。まあ、そりゃまあそうだよね……」
夢オチとかもちょっとは期待していたんだけど、それにしてはよく出来過ぎているとは思ってた。
ドラゴンなんて発想出てくるはず無いもんね。
どうやらあたしは、パラレルワールドに来ちゃったらしい。なぜだかは知らないけど。
「時空の歪みに落ちたのではないのでしょうか? 彼女は別の世界の人間ですよ」
「そうなん、ですか?」
「えぇ、おそらくは」
もう片方の怪しさ全開の人とは雰囲気が正反対で、この人がまさかさっきのドラゴンだったとは思えない。
だって王子的存在。王子的雰囲気。カリスマ性と気品が漂ってるもん。なんかこう、オーラ的なものが。
「その上彼女は“S……SSクラスの人間”のようですし……」
「うわ、かなりの稀少種! ……だからなのか? この妙な感覚は」
何かぶつぶつ呟いているけれど、混乱したいのはこっちなんですが。
てか、あたしが何? 稀少種?
「え、あの、どう言うことですか? 希少種って……」
「いや、こっちの話。つか、こんなすげぇ人間、俺初めて見たわ」
「私もです」
なんか、ちょっと嫌な言い方。ううん、ちょっとじゃない。かなり嫌な言い方。
まるであたしのこと珍獣みたいなもののように……てか、ちょっと待って。
さっきから引っ掛かってるんだけど、あたしの事人間人間って言ってるのはなんで……?
ここであたしは嫌な予感がした。
聞いてみないと、分かんないけど……本当は、あんまし聞きたくないけど。
「あ、あの……。一つ良いですか、ね……?」
背中を冷や汗がたどって行くのが分かる。
ごくりと唾を飲み込んで、意を消して聞いた。
「あなたたちって、人間じゃないの?」
返ってきた答えは至極あっさりとした一言。
「あぁ」
理由無しトリップパターンです。
いや、深く考えてなk…「はた迷惑すぎる!」…異世界トリップできるだけいいじゃない(遠い目)
理由なー…
書きながら考えてみます(。・ω・。)