06.それに既視感を覚えて【Side彼女】
「……何で、そこで加減しなかったの!?」
「しょーがねぇだろ! ディーが居たの忘れてたんだし!」
「それ止めてってば。てか人のせいにしないでよね!!」
「いや、かなり関係ある。SSランクのお前だからかなり関係ある」
関係してる?
別にそんな事は言ってなかった……はず。自信持って断言できないけど……。
「言っただろ? 人間には俺等の魔力を上げる力があるって」
……うーん。言ってたっけ?
暗記が苦手なあたしに言われてもなぁ……。
「どう言う事?」
「今みたいに回復が早かったり、でっかい魔法が使えるようになったりするんだ。今回はちっさい魔法にしようとしても、勝手にでっかい魔法に変わっちまったってとこだけど」
「つまり、威力を〝弱〟にしようとしたら、パイプが決壊して無理やり〝強〟になったってことだよね」
「まあ、そんなとこだな。きっと」
きっとって……。アズラスさんに後で改めて聞こう。
そのランクごとに分けられているのは、決壊させる規模みたいなものってことだよね。
「まあ、想いの強さによっても違うみてぇだけどな」
「何、それ?」
「たとえば、一番分かりやすいのは恋愛感情。好きだ好きだ想ってればその分魔力の増幅量も大きい。今のディーだと戸惑いとか、だな」
「戸惑……」
ちょっと待った。
え、待ってそれって、感情全部筒抜けってこと!?
最悪、それ勘弁してよ。しかも想いって、そっち系で、そんな意味があったの!?
「じゃ、さっき回想の中でアズラスさんに言ってた予定通りって……」
「あ、それはこっちの事情」
こんなこと言ったらかなり偏見とかになるけどさ、嫌なことばっかが思い浮かんでくる。
ファンタジーの読みすぎだとか思うけど、だって、魔族って悪いことばっかする人のことじゃないの?
「……悪いことは言わないから、誰かを困らせるような事だけはしちゃ駄目よ?絶対しちゃ駄目だからね」
「は?」
「ビスに悪いことなんかできるはずないんだから。馬鹿だし」
「おい、最後の一言は余計だろ!? って言うかなんか勘違いしてねぇか?」
今度はこっちがきょとんとする番だった。
え?違うの?
「俺は契約者捜しで人間の領域に来たわけ。あ、契約ってのはその力を独占することだからな」
「まぁ、あんまり良く分からないけど……頑張れ」
あえて深くつっこんじゃいけないような気がした。つっこんだら負けのような、そんなツッコミとしての予感。
とりあえず、話を変えよう。気まずいし。
「えっとさ、初歩的なこと聞くけど、ここ何処?」
「此処は人間の国。キリア国の北の果てにある村だ。……多分」
そのまんまだなーとか言うツッコミは置いといて、やっぱり異世界のままだ。
ここはあたしが知っている世界じゃない。地名とか、地球とまったく接点ないよ?
あたし本当に帰れるのかな。
「……あたしはあたしでなんとかするしかないんだよね」
「は? 何が?」
「いや、こっちの話」
だってビスに言ったってあんまし意味ないし。
やっぱり、頼れるものは己だけだよね。
「じゃ、あたし行くから、ここの支払いお願いね」
「ちょっと待った!」
「何?」
まさか、お金が無いなんて言うベッタベタな事無いよね?
あたしも今手持ち少ないし……てか、このお金使えるかどうかも分かんないし。
「お前、そんな目立つ格好で行くのか?」
「は?」
いや、確かに制服じゃ目立つかもしれないけどさ……これしかないし。
それとも何? 浴衣に着替えろと?
「黒髪黒目はこの世界じゃ見たことねぇもん。何されるかわからねぇぞ」
「髪の事? ほっといてよ。生まれつきだし」
何かされる前に逃げりゃぁ良いんでしょ? 足遅いけど、持久力はちょ〜っとはあるし。
「それだけじゃねぇ。SSランクの奴がその辺フラフラしてて、契約を望まない奴がいるとでも思うか?」
……ナンパみたいなもの?
それは遠慮したいけど、魔族の人って美形ばかりだから、むしろされてみたいかも……。いざされたら絶対困るけど。
ん? でも、ちょっと待って……。
「ビスって、魔族なんだよね? そんで無契約者なんだよね?」
「そうだけど?」
うん。力の限り逃げよう!
あたしは脱兎のごとく逃げ出した。
説明が苦手な人に説明させちゃいけません。
基本的にディーもビスも抜けてます。適当です可哀想に←
追記。
今までろくに確認しなかったので気付きませんでしたが……、まさか、お気に入り登録して頂いているとは!さりげなく評価ptまで入れられていてビックリしました!
遅くなりましたが、ありがとうございますm(__)m




