表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/8

初めての拒絶の衝撃波

彼は、まるで長年の重荷を下ろしたかのような、晴れやかな笑顔を浮かべていた。


私が署名した離婚届を大切そうに鞄にしまい、席を立とうとする。そのあまりに無邪気な様子に、かつての愛おしさが一瞬だけ胸をかすめた。私は愚かにも、指先で彼のマシュマロのような頬を、つんつんと突いた。


――その瞬間だった。


彼は、これまでの十年の歳月で一度も見せたことのない拒絶の仕草で、私の手を強く振り払った。


氷のような冷たさと、無機質な拒絶。


その手の感触が、私にすべてを理解させた。この十年の愛も、葛藤も、共に過ごした異国の夜も。すべては「東和パッケージ」という巨大組織が書き上げた脚本であり、彼はそれを忠実にこなした「配役」に過ぎなかったのだと。


私たちの地獄は、あのバブルの熱気に浮かされた御茶ノ水の、満開の桜の下から始まっていた――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ