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前章の方が「騒」の ようでしたが

本章で意味するそれは より 違ったものです







 太陽は真上におり、痛い程の陽光が降り注いでいる。

作物や洗い物にとっては喜ばしい、快適な一時。

今頃ならば穏やかな時を過ごし、午後の仕事にとりかかろうかという頃だが、人々は漁船に起きた事態になかなか落ち着けていない。






 気絶したレックスが負った右足の傷は、

(おおよ)そ30cmに渡る巨大なもの。

島で唯一、薬草に詳しいアイザックがその場に駆けつけると目を見張る。




「どこぞの沼にでも落ちたのか!?」




当然、他の者も口々に似たような事を言う。

漁船はまるで、戦争から奇跡的に帰還した様子を彷彿とさせる。

汚れた漁師達や、特に4人は疲れ果て、口数がすっかり減っていた。




 だが皆が更に驚くのは、見知らぬ老人の姿だ。

その場に来ていた長老は彼と対面するなり、瞼を失う。




「……そりゃ…まさかジャケットか…?」




継ぎ()ぎが目立つ極めて古い、丈の長いものだが、ここ東の島の者達の衣類よりも圧倒的に状態がいい。

まるで嘗ての生活を維持できているようにすら思わせる。

(ようや)く陸に降り立った老人は、じっと舐め回すように東の島を見渡した。




「ここはまた偉く違ったとこだな……

まぁしかし、こっちも住む人数や暮らし方にそう大差はあらん。

わし等の方は大陸の極めて小さな断片で、街の名残がある地じゃよ」



「「何だって!?」」




皆が耳を疑うのも当然だ。

街の名残があるならば、以前の生活で必要としていた何かしらがまだ残っている筈だろうと、想像すればする程、喉から手が出そうになる。




「しかしなんちゅう仲間だ!

恐ろしかったとは言え、助かった。

どうじゃあの怪我人、わしの所へ連れて来れんか?

医者…ああまぁ…

本人は医者ではないと言うんじゃが…

医療知識がある者がおる。役に立てるかもしれん」



「医者だと!?」




アイザックはまたも目を剥く。

レックスの状態を見る限りだと、その者の力は是が非でも借りたい。




「まぁ待て。船も俺達もこのザマだ。

話す事もある……」




時折、小さな咳をしながらマージェスが険しい顔で告げる。

漁船も、帆が材木ごと殆ど落下して遠出が不向きの状態だ。




「丁度、薬草で試しに消毒を作ったところだった。

その怪我にどの程度効くかは分からんが……

とにかく急ごう」




アイザックの声に合わさりながら、グレンとグリフィンがレックスを担ぐと、足早にレックスの家まで移動する。

長老と共に駆け付けていたアリーは、急ぎ、桶に水と湯、布を準備して後を追った。









代表作 第2弾(Vol.1/前編)

大海の冒険者~人魚の伝説~


8月上旬完結予定

後に、代表作 第3弾(Vol.2/後編)

大海の冒険者~不死の伝説~ をもって

シリーズ完全閉幕します




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