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4話:『学校のマドンナ』

すみません、キャラが暴走して、

まとめるのに時間かかりました…


6月20日:表現を少し変更



(本文:2418字)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ーーそれで、結局大勢の方にばれてしまい、朝から質問攻めにあった、と」

「はい…」



 そして、現在は金曜日の登校時間。付き合いだして五日目にして、早くも大勢の人にばれてしまいました。さすが竜ヶ水くん、影響力は伊達じゃないね。おかげでとても疲れちゃった…

 ただ、なにも悪いことだけじゃなくて。



「ですが、少し安心しました。お友達の皆さんからは、お祝いしてもらったんですよね」

「はい。自分の家族が経営してる喫茶店でお祝いしようって言う子もいて、断るのが大変でした」

「ふふっ。仲のいい方がいっぱいで良かったです」



 みんなにバレたときは、誰かから言いがかりを受けるかも、と心配していたけど、その心配は杞憂だった。というか、すごく可愛がられた。なんで?竜ヶ水くんはとても人気な男子生徒の1人で、友達の多くは狙ってたと思うんだけど・・・



「何はともあれ、鯉沼さんに何事もなくて良かったです」

 そう言ってにこりと微笑む生徒会長。はぁ〜、癒される〜。



 生徒会長の和奏(わかな)百合子先輩は、落ち着いた雰囲気と微笑を携えた大人な女性で、とても18歳には見えません(余談ですが、安平高校の生徒会長選挙は、毎年11月にあります)。加えて身長が168センチあり手足も長く、出るところは出て、引っ込むところは引っ込む。まさに理想的なプロポーションを誇っています。『学校のマドンナ』と言われるのは、納得です。

 誰に対しても物腰の柔らかい受け答えで、仕事はいつも正確。わたしの憧れる方の1人です。



「そ、それで、会長にご相談がありまして」

「私にですか…?」

 そう言って会長は、話を聞く体勢をつくってくれました。会長は口が堅いし、相談するなら、頼りになる人がいいもんね。

「それがーー」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「それでは会長、相談に乗っていただき、ありがとうございました!」

「お役に立てたなら良かったです」

「はい!ではまた放課後のお仕事のときに」

 そう言って鯉沼さんは、生徒会室をあとにしました。




 ·····

 ·····

 ·····



 あぁ、可愛いなぁ、鯉沼さん…。まさか相談の内容が、『明日からの休日に、竜ヶ水くんをデートに誘うべきか』なんて…。

 たしかに明日からは、部活動が全面休止に入りますが、それはテスト期間に入るから。再来週の月曜日には1日目が始まるため、本来遊ぶなんてもってのほかでしょう。とはいえ、



(実際にちゃんと取り組み始める生徒は、おそらく少数派でしょうが。)



 この高校では多くの生徒が部活動に所属しており、運動部のほとんどは、平日に週一の休みを設けています(文化系の部活は、だいたい土日休みとなっています)。そのため、土日に遊べるのは、本当にごく稀です。


 なので、私たち生徒会は、本来であればテスト期間中の出歩きを抑制する立場にありますが、よほど成績に問題がなければ、不問としています。抑圧しすぎるのも、良くないですからね。

 加えて竜ヶ水くんと鯉沼さんは、先生方からの評価は高い様子。普段から真面目に授業を受けているそうなので、問題はありません。



 ‥‥‥それはさておき。

 その話をしているときの鯉沼さん、ほんっっっっっっっっっっっっっっっとうに、可愛かったなぁ~…

 いや分かるよ、確かに鯉沼さん真面目だから、テスト期間中にデートとか、遠慮しちゃうの。でも口を開くたびに「竜ヶ水くん、喜んでくれますかね…?」って照れながら言うの反則じゃないですか!?

 それに終始表情がせわしなく変化していて、それがもう全部可愛い。ああもういっそこのまま食べちゃいt



「姉さんよだれ出てるよ」

「!!?」



 突然声が聞こえて振り向くと、そこには生徒会会計で、弟の伶桜(れお)がいました。びっくりしました、誰かに見られたんじゃないかと。



「なに、()()()()()()()()()()()?」

「失礼な。さっきしゃべった鯉沼さんのことを思い出してただけです」

「それ同じことじゃないの?」

「自分で考えた漫才を思い浮かべてニヤニヤするのと、以前見た漫才を見て笑うのは同じですか?」

「なるほど理解した」

「よろしい」



 伶桜はよく私の言うことに疑問を持っては質問し、そのたびにこうして理解(共感?)してくれます。学友の方からは、「一つ違いの姉弟で、ここまで仲が良いのは珍しい」とよく言われているくらいには、慕われていると思います。

 まあ、それだけではないのですが。



「それで?鯉沼さんがどうしたの」

「聞いて下さい!先ほどですねーー」



 そうして、私はさっきの様子を伶桜に話します。

 伶桜は、私が素で話せる数少ない人のなかで、一番安心して話せる相手です。それは弟だから、というのもあると思いますが、伶桜は私の話を、いつも優しい目で聞いてくれるんです。



「ーーで、そのときの鯉沼さんがそれはそれは可愛くて、ウフ,ウフフフフフフ…」

「姉さん、俺以外の前ではこんな顔しないでよ?」

「あら、それは独占欲ってやつですか?」

「いや、その顔を見られて生徒会への信頼が失われたら怖い」

「ひどくないですか!?」

 ーーたまにこうして意地悪なことを言ってきますが。




「はぁ、まったく。()()()()()()()()()()()なんて、さすがに一般生徒にはばれてほしくないよ」

「古いですね伶桜。近年ではそういう発言は、差別として見なされかねないんですよ?」

「同性婚を認めない現政府に一言」

「百合の尊さをなぜ認めないんですか!!!!!!」

「泣きながら叫ぶな朝っぱらから」



 こうは言ってますが、怜桜は私の趣味嗜好を否定することはありません。いつも受け入れてくれています。別に単なる趣味でしかないので、恋愛対象がどうのこうの、というわけではないのですが、まあ、言えませんよね普通。



「いつもありがとう、伶桜。おかげで発散できました」

「今日も一日頑張ろう」

「はい。それではまた放課後の集会まで」

「ん」


 そうして私たちは、それぞれの教室に向かうのでした。


「ところで姉さん、鯉沼さんから他言無用って言われたんじゃないの?」

「あ·····」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

読んでくださり、ありがとうございました。


ここでひとつ裏話。

今回出てきた新キャラ、和奏百合子さん。

元々は某リズムゲームに出てくる、

“黒髪ストレートな生徒会長”

をイメージしながら書いていました。


そしたらなんか、うん…

あれよあれよという間に、こうなりました。

まあおかげで名前も決まり、キャラも確立され、

何とかかたちになったわけですが。

なぜこうなった…(¯―¯٥)



ここから(さらに)不定期更新になります。

デートシーンは、1回は練習も兼ねて描きたいので、

あと何回かは投稿します。

今月出るかは未定…

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― 新着の感想 ―
[良い点] う~ん、青春って感じですね。 思わず爆発しろ、と言いたくなりますが どのキャラも良いキャラばかりなので、 気が付けば、キャラに感情移入してしまってます。 こういう青春ものは大好物です。
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