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閑話2:天城武人の憂鬱/子安麻那の〇〇 ②

はい、というわけでサイドストーリーです。



投稿間隔がついに3週間以上空いたあげくにサイドストーリー…。

申し訳ありません(´・ω・`)

次回は本編に戻るので…(¯―¯٥)


(本文:2116字)

 

 ――キミが今まで好きになった女は、大抵誰かに取られるからな。まあそう気を落とすな――



「――。だめだな、これは」



 シャーペンを机に置き、そのまま突っ伏す、とその前に、目の前に広げたノートや課題プリントを机の隅に追いやろうと視線を向け、その白さに呻きたくなった。ほぼ真っ白、つまり手付かずの状態だ。はぁ……。


 スーパーから戻ってしばらくテスト勉強をしていたが、あまり集中して取り組めなかった。シャーペンを握っても手が動かず、気が緩んで漫画を手に取ってみても読む気になれない。真面目に取り組むどころか、だらけることさえ出来ない。

 ――理由は、分かっている。それを認めるのは、自分の女々しさと責任転嫁してるという事実を認めてしまうのと同じだから、認めたくないってだけで。


 ホント、自分がいかに女々しい男か思い知らされる――。



 ―――――――――――――――――――――――――――――



 俺が好きになったモノは、気づいたら誰かのモノになっていた。

 それは女子も同じで、俺が好きになった人に限って想い人がいたり、他の誰かと付き合ってたりした。


 最初の頃は、自分から動いて手に入れようとしてきた。だが、鳳さんに告白してから、そういったことをしようと思わなくなった。


 鳳さんは、中学に入学してすぐから話題に上るほどの人気を誇っていた。かわいらしい顔立ち、ふんわりとした優しげで、争いとは無縁に思える雰囲気。男子が守ってあげたくなるような、まさに思い描いたような美少女だった。

 連日のように告白をする男が現れては、そのたびに「ごめんなさい」の一言で撃退された。だから俺が告白するときも、正直心の中ではもう振られる前提だった。




「……すみません。よくわからないけど、モヤモヤするんです…」



 ――なんだろう、今までと違う断られ方をされた。「モヤモヤする」とはなんのことだろうか。俺はこのとき不思議に思ったが、すぐにそんなことを考えるどころじゃなくなった。

 結斗や翼、そのほか一年のバスケ部員曰く、鳳さんがいじめ“未遂”に“逢いかけた”のだ。“未遂”なうえに“逢いかけた”、つまり『まだ何もされてはいない』ということなのだが、俺は心底肝が冷えた。その未遂の相手が、()()()()()()()()()(友人談)だったからだ。

 俺はすぐに、その女生徒たちを説得することにした。幸い、結斗やバスケ部の面々に教えてもらったから、迅速に対応できた。――すぐに効果が出て、俺は多分、表情が抜け落ちたと思う。



 このとき俺は、初めて自分の影響力を実感した。昔から俺の意見は通りやすく、わりと上手く回ってきたのは確かだ。でも、それはあくまで周囲が気のいい奴らで、俺が特別なわけではないと思っていた。

 だが今回のことで、認めざるを得なかった。そして認めると同時に、俺は渇きを感じた。


――『それならなぜ、俺は欲しいモノが手に出来ないんだろう』――





「おやおや、まだ残っていたのかい? 今日は部活もないと言うのに」



 突然、頭の上から声が降ってきた。どうやら自問自答をするうちに、眠ってしまってたようだ。時刻はそろそろ18時。今日はバスケ部の練習もないというのに、何をやっているのk



「ふ〜っ♪」

「!?」



 突如耳に風が送られ、思わず跳び上がる。そして視線をそちらに向けると、果たして想像通りの女がいた。



子安(こ〜や〜す〜)…」

「ははっ、相も変わらず耳が弱いなぁ」



 俺が睨み付けてもお構い無しなその女、改め女生徒は、女子バスケ部副キャプテンの子安麻耶。大人びた雰囲気とそれに見合った容姿、そして悪戯好きが特徴だ。何が楽しいのか、たびたび俺をからかいにくる。



「今回は災難だったね。ただ振られただけにとどまらず、自分の火消しまでとは」

「またからかいに来たのか」

「ふっふっふ、とーぜんッ」

「おいこら」



 思わず拳を握りしめたら、「おいおい、私はか弱いレディだぞ?」と訴える子安。ぐぬぬ…。



「まったく、これほど素直な男、弄らない手がどこにある?」

「開き直るな」

「いやはや、これは失敬。……で? もう自己嫌悪はおさまったかい?」

「は? ……あ」



 確かに、子安と話しているうちに悩みは薄れ、気は楽になった。まさか子安、このために…?



「ふふっ、まあ弄るのが楽しいのもあるが」

「俺の感動を返せ」

「だが断るッ!!!!!!」



 目はこちらに向けたまま、斜めを向いて眼鏡をクイッとあげる子安。様になってるところが余計に腹立たしい。



「まあまあ、お詫びと言ってはなんだが、いつでも私を頼ってくれてもいいから」

「はあ…。 ……テスト勉強見てくれ」

「……お易い御用さ」



 ―――――――――――――――――――――――――




『いつでも頼るといい』、か。

 思えば、なんだかんだで子安には助けられてきた。散々バカにもされたが、最後は手を貸してくれる。基本トラブルメーカーだが、周りのことをよく見ていて、面倒見もいい。


 ――ホント、いい女ではあるんだよなぁ――




「たけひと〜、ご飯できたから来なさーい」



 リビングから、母さんの呼ぶ声がする。時計を見ると、時刻は12時半。もうこんな時間か…。



「すぐ行く」



 とりあえず、飯を食べよう。考えるのはそれからだ。





 そして昼食後。



「やあ!」

「……なんで来るかなー」



 子安がウチに来たのだった。



読んでくださり、ありがとうございました。


一応勘違いされそうなので補足を。

天城はどちらかというと陽キャで、

クラスでは中心メンバーに属します。

なので普段はこの心境を隠しています。

知ってるのは麻耶だけだし、

勘づいてる人はごく少数です。



そして次回もサイドストーリーです。

書くから。最後まで絶対書くから…(¯―¯٥)

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