5.腹が減ってはなんとやら
マイペースで書いているので更新が遅くなってしまいました。続けて読んでくださっている方、本当に申し訳ありません。
ぐうぅぅぅ
「おおぉ…。」
遥ちゃんとの話も一段落しこれからどうしようと思っていた矢先、不覚にも自分の腹が鳴ってしまった。
「そ、そういえば腹ヘったな。」
時間は六時半。朝からなにも食べてないのでお腹が鳴るのも当然である。冷蔵庫にはなにも入ってないはずだし、インスタント系は一昨日の夕飯で底をついていたな。…ということは買い物に行かなくちゃか。今からデパートの食品売り場に行けばタイムセールの真っ最中かな。
「俺ちょっくら買い出しにいってくるわ。」
「それなら私が行きます!」
「…その申し出はありがたいけどスーパーの場所わかるのか?」
「あ…。でも、でも。」
「まぁまぁ、そんなに行きたいなら次から行かせてあげるから。今日は一緒に行こう。な?」
「はい…。」
遥ちゃんはしょんぼりしてしまったがそれはしょうがない。店の場所がわからないんじゃ夕飯の惣菜を買うことができないし、それに俺は俺で買いたいものがあるからな。
「そ、外寒いからそこのクローゼットの中にある厚手のコート着ていけよ。あとは…電気は消したし財布と鍵はもった。あぁ、ケータイ。」
財布と携帯電話を適当にポケットの中に入れて部屋の電気を消した。
「それじゃ行こうか。」
* * * * * * * * * * * *
自分の家から一番近いデパートの食品売場に来たわけだが、さて今日は何を食おうかな。
「あ…」
「!?…どうしたんですか?」
「炊飯器の保温ボタン押すの忘れた。」
「……はぁ。」
家に帰ったら電子レンジで暖めればいいか。
「よし。それじゃあ遥ちゃん、今日は出来合いの惣菜だけで終わりにしようと思ってるんだが何が食べたい?」
「えっと…何でもいいです。」
「う、うーん、それはそれでめんどくさいんだよな。よし、自分が食べたい惣菜を二つ選んでくれ。俺も二つ選んでおくから。それが今晩のおかずな。ちなみに嫌いな食べ物ってあるか?」
「…ピーマンです。あ、あとナスも。」
典型的だなぁ。
「それじゃあ俺はほかの食材見てくるから選び終わったら俺の所まで持ってきてくれ。頼んだぞ。」
「は、はい。」
俺は惣菜コーナーから離れて今後必要になるであろう食材の買い出しに入った。チーズにベーコンにヨーグルト。この先一週間で食べそうなものを次々とかごに放り込んでいく。
それにしても、やっぱり女の子といると体のどっかに変な力が入るな。別に女の子は苦手じゃないけど…話してると上がっちゃうんだよな。今思うと女の子の手を握ったのは初めてのことかも…。
「俺って…。」
アホだよなぁ
知ってたけどさ。
「あのぅ…。」
「え?」
声のする方を向くと遥ちゃんが惣菜を持って立っていた。考え事をしていたせいか、隣に立っていた遥ちゃんに全く気づかなかった。
「あぁ、惣菜選んできてくれたのか。サンキュー。」
「あの…やっぱり私迷惑でしょうか。今だって考え込みながらため息ついてましたし。」
うわ、ため息ついていたところ見られてたのか。しかもなんか勘違いされてるし。
「ち、ちがうって、別にそのことを悩んでたわけじゃないから。それに別に俺は迷惑だなんて思ってないし。ただなぁ…。」
「ただ?」
「その…本当に俺の家でいいのか?ここら辺は結構一人暮らしの奴が多いから探せば女の子の部屋も見つかるし…。あー、つまりだ、見知らぬ男と一つ屋根の下っていうのは色々とまずいんじゃないか?」
「そ、それって私が襲われちゃうってことですか?」
「…俺も一応男だしな。いつ間違いがおきて狼になるか」
「大丈夫ですよ。」
遥ちゃんは笑って答えた。
「それにもう見知らぬ男の人じゃないですし。」
あー
下手に信じられても困るんだが