2話 取引
山川 博。私と同じクラスの男子生徒。成績優秀で如何にも優等生な根暗眼鏡。
そして彼の持っているスマホは正しく私の物!?
「か………」
「か?」
「返せぇ!!」
迷いなく飛び掛かる。
まずスマホを奪取。
さらに口封じを………
「おっと」
「へぶぅ!?」
だが私の格闘ゲーばりの動きを(主観)山川君はアッサリ避け私は顔から廊下にめり込む。
「大丈夫かね渡瀬君」
「………」
「渡瀬君?」
「後生です!どうか…どうかそのスマホを返して下さい!!」
力で無理なら土下座しかない!
私は外観だけ誠心誠意の土下座を決行する。
「色々と凄いね君」
山川君は呆れた声をだすが、なりふり構ってられない。
彼は知らないのだ母の恐ろしさを。
「しかし安心して下さい、ちゃんと返しますよ」
「ほ、本当!?」
おお!効いた私の秘奥義が!!
「ただし条件があります」
「条件?………はっ!まさか私の躯!?そんな!でも相手は精力の塊な男子高校生、くっ!分かったわ好きにすればいいじゃない!!」
私は大の字に寝転がる。
ああ私の純潔がこんな形で失うなんて。
「取り敢えず君は人の話を聞こうか」
山川君の声が気のせいか疲れてるように聞こえた。