現実との直面
「君は、才能ないね」
「スキルも有用じゃないし、てか疲労回復てなに」
英雄に憧れ、田舎から上京してきた結果がこれである。
半ばスキルを馬鹿にされ、そしてそれに対して反論もできない。俺はわかりましたと頭を下げ、冒険者登録だけして、そくギルドをでた。
「くそ!絶対なってやる!英雄になってやる!」
街の中でそんなことを叫びながら、街の外魔物のいる危険地帯に、武器も持たずに飛び出した。
「あれ、ここどこだ」
冷静になると、夜も更けてきた中、初心者が一人武器も持たずにいる状況に気づいた。
疲労回復なんてスキルの発現のせいでいつもより疲れなかったのが原因だろう。
「どうしよ、帰り道もわかんないや」
そんな俺の焦りを、加速させるかの様に、何かが走って近づいてきた。
狼が、走るような声が近づいてくる。
その瞬間、暗闇から一匹のオオカミが飛びついてきた。
「なっ離れろ!」
全力で押しのけて上に股がる。抵抗できないそれをまじまじと見ると、ただの狼では無い。それはシルバーウルフと呼ばれる低位の魔物だった。
俺は何度もそれを殴りつけ確実に息の根を止める。
「はぁはぁ一匹でこれとかやばいだろ」
そう呟きながら、俺はシルバーウルフの牙を取った。
その後何度かシルバーウルフに襲われたが、最初よりも苦戦せずに、討伐する事に成功した。
夜が明けてきて、魔物も一段落した所で俺はある事に気づく。そう、身体が全く疲れてないのだ。
「疲労回復…これ実は最強じゃね」
そんな事を呟きながら、冒険者生活二日目が始まった。
主人公ステ
ウィル lv8
スキル 疲労回復