いちばんぼし
ここは、ひろい、ひろいお空のせかい
たくさんのお星さまがキラキラ輝いています
そんなせかいでお星さまがだれがいちばん輝いているか
競っているみたいです
みんな見て見て、僕こんなに光ってるよ!
そんなふうにあるお星さまがいうと
みんながいっせいに
見て見て、僕も私もこーんなに光ってるよ!
といい始めました
そんな中あるお星さまだけが
みんなのようにキラキラと光っていませんでした
それに気づいたお星さまたちは、みんなくちぐちに
ねぇねぇ、なんで君はそんなに光ってないの?
僕もあの子もみーんなもこんなに光ってるのに
どうして、光ってないの?
といいました
そんなのぼくにもわからないよ
お星さまは答えました
それじゃあ、いちばんぼしになれないよ?
もっとみんなと一緒にキラキラ光ろうよ!
とお星さまはいいました
ぼくもみんなと一緒にキラキラ光りたいよ
どうすればもっとキラキラなれるんだろう
少し悲しそうにお星さまはいいました
それをよこできいていたあるお星さまはいいました
それはちがうよ!
きみだって、すっごくキラキラ輝いているよ
みんなと同じようにね!
えっ?だって、ぼくみんなみたいにキラキラ光ってないよ
みんなのほうがキラキラ輝いているよ
お星さまはいいました
たしかにみんなのほうがキラキラ光ってるかもしれないね
でもね、あれを見てみて
お星さまはいいました
あれ?
お星さまは首をかしげました
そう、あれだよ
にんげんたちさ
たしかにみんなのほうがキラキラ光ってるかもしれない
でもね、にんげんたちはみんな君をみてるんだ!
なぜだかわかるかい?
お星さまは問いかけました
ううん、全然わからないよ
お星さまは答えました
それはね、きみをみてにんげんたちは方角をしっているんだ!
これだけたくさんのぼくたち星がいる中で
にんげんたちはみんなきみをみてるんだ!
これだけたくさんの中からきみをみつけてるんだよ
つまりね、にんげんたちにとっては
きみがいちばん輝いている
"いちばんぼし"なんだよ!
お星さまはいいました
ぼくが"いちばんぼし"?
お星さまはたずねました
うん、そうさ
きみが"いちばんぼし"さ
だからにんげんたちはきみをみて方角をりかいしてるんだよ
たしかにほかのぼくたちにくらべて光ってないかもしれない
でも、にんげんたちにとって"きみ"が"いちばんぼし"なんだよ!
お星さまはいいました
そっか、"ぼく"が"いちばんぼし"なんだ!
お星さまは嬉しくなりました
そうだよ!
きみだって、ぼくだって、ほかの子たちだって
みーんな、みーんな
誰かにとっての"いちばんぼし"なんだよ!
キラキラ光ってるだけが、すべてじゃないんだよ!
お星さまはいいました
その言葉を聞いたお星さまはより一層嬉しくなって
キラキラ、キラキラ光り始めました
そして、よりいっそうその輝きを増していきました