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極超新星任務完了

ザース春19日の朝。南の島の精霊族リゾートで遅い目覚め。もう陽が高い。プルリンとハナはもう波打ち際でぱちゃぱちゃキャッキャッと遊んでいる。


ぼーっと朝食を摂りながら任務の続きのことを考える。

「そう云えば、そもそも超新星ってなんなんだろう?」

『大型の恒星が星としての一生を終える際に大爆発を起こすが、ザース上では明るい星が突如誕生したように見えるので、その名がついた』

「ご臨終なのに新星とは皮肉だね。で、極超新星と超新星はどう違う?」

『特に爆発のエネルギーの大きなもの、通常の10倍から数10倍のものを極超新星と呼ぶ。今回のものはジェットが遥か遠方まで達するほどだから相当の規模だ』


「で、そのジェットっていうのは?」

『気化した鉄を主成分とする高温の物質で、光速の10%程度の速度を持つ。攻撃と捉えるとこれ以上無いほどの威力だ。これが爆発中心部からビーム状に収束された形態で放射される』

「確かにこれまで見たどんな攻撃とも比較にならない威力だもんなー」


「重力レンズを用いたけど、ブラックホールじゃダメだったのかな?」

『マイクロブラックホールでは直ぐに過負荷で消滅する。ジェットのエネルギーと真正面に対決するよりは、受け流す方が効率がいい。全力でブラックホールを作って万が一消滅せずに成長して生き残り、もはや消滅させるのが不可能になるのもまずい』

「そうだな。ブラックホールは宇宙のがん細胞だから、増やすのはNGだな」

*****


さて、そのジェットと再び格闘しに行くか。

まず月でエレーヌさんを拾って、20光年弱の彼方へ転移。

驚いたことに、今回はハナの魔法サポートをごく軽く受けただけで1度で転移できた。わずか1日、地球時間込みで実質2日で魔法威力が1000倍となったことを実感する。

∞に達していても、しっかり超回復と準超回復で気力も気量も、順調に増加し続けている。

宇宙での活動は全力だから、日々の進歩が実感できて良いな。


よし、本日最初の重力レンズを作成して展開する。

「まじかー、計算上5120秒も持つ。気量回復の方が全然早いぞ」

『では気量が回復したら、さっそく次のレンズを適正位置に設置しよう』


大体5~6分で、気量は満タンまで自然回復する。

回復し次第に次の重力レンズを設置した。必要枚数の16枚を設置し終えた時、最初のレンズは消滅していたが、驚くことに2枚目のレンズはまだ存続していた。


「凄いなー。昨日とは全然違うね!」

「えっと、何をやっているのか全然分からないほど凄いよぉ」

ハナとプルリンも関心している。そうだろう、そうだろう。

*****


「じゃあジェット対策はこれで良いとして、仕上げにガンマ線バースト対策をしましょう」

「それ、なんですか?」

「ジェットほどではないけれど、かなりの威力をもつ電磁波よ。光速に近いからジェットよりはだいぶ先行しているわ。これもザースに届くと非常に悪い影響があるの」

『爆発初期の重力崩壊により発生する電磁波だ。厚みはジェットほどではなく、約1光分ほどのはずだ』

極超新星爆発ハイパーノバがザースに及ぼす悪影響は、これで終わりのようだ。


エレーヌの探知によりガンマ線バーストの端を先回りした位置を探って、そこへ転移する。

今度はエネルギー規模がそんなでもないし、俺の魔法力も昨日の1000倍になっているので、断裂空間で虚空に送ることができそうだ。

大き目に直径3000キロの暗黒盾を設置し、安全圏まで退避する。


「ガンマ線バーストが到着したわ。うん、盾に吸い込まれて行く。盾は持ちこたえているわよ」

そのまま1分が過ぎ、更に念のため数分展開したままにした上で、暗黒盾を解除する。

ガンマ線バーストの吸収に成功したようだ。


極超新星爆発の影響を排除した

ハジメはレベル76になった

・・・・・・・・・・

ハジメはレベル95になった

ハジメは極超新星の災厄を防ぐ者の称号を得た

ハジメは巻き戻しのギフトを得た

ハジメは上限撤廃のギフトを得た


ハナはレベル61になった

・・・・・

ハナはレベル70になった

ハナは反射のギフトを得た



俺はレベルが20も上がった。守護者任務は評価が高い!新ギフトも2つ来た。

ハナはレベル10アップでギフト一つ、プルリンはアップ無し。この辺は結構査定が厳しい!?

*****


月に到着して、エレーヌさんを降ろした。

月でのんびり遊ぶといいよと引き留められたが、あまり長く文化水準の高いところにいるのもどうかと思い、ザースに戻ることにする。


「さて、どこへ行こうか。獣大陸の中央高地には竜人国が、西海岸には兎人国や猫人国があるぞ」

「いつかはそっちにも行ってみたいけど、差し当たり、魔大陸に行きたいかな」

「うん、僕、魔物だけど、魔大陸って知らないから行ってみたい」

「よし、じゃあ次の行き先は魔大陸に決定!」

*****


「その前に新ギフトを確かめたいなー」

そうだ。亜空間訓練場で確認しよう。


「巻き戻し」は、時間操作系ギフトだ。

なんと、時間を10秒戻す。将棋や碁の「待った」みたいな反則技だ(笑)。

俺自身を10秒前の世界に投げ入れて、10秒前の俺と同一化させる仕組みのようだ。

現時点で気量の10%を使用すること、折角過ごした10秒が無駄になること、とりわけ瞬間瞬間の真剣味が薄れることは大きなデメリットだから、これは伝家の宝刀扱いにして、絶体絶命の時以外は使わないことにする。


「上限撤廃」は発動させても何も起こらない。

『恐れくこれは、レベル99で打ち止めにならず更に先に行くためのものだな』

「普通はレベル99が上限なのか?」

[はい。最高位レベル99は歴史上数名が確認されておりますが、100以上は記録がありません]


今もうレベル95だもんな。レベル99もすぐそこのような気がする。

思えば遠くに来たもんだ。ウルマ迷宮に来てからの成長は早く、守護者になってからは更に加速されている。

レベル100か。どんな景色が広がっているのだろう。



ハナの「反射」は攻撃魔法を跳ね返すギフトだった。

攻撃者に跳ね返るので効果的だ。

反射するのはハナの獣気力の限度までで、それを超えた分は通過してしまう。

反射の持続時間は、現時点では約1分というところだ。

ちなみに、透過をぶつけると、効果が相殺されて反射せず透過もせず。透過の威力が上回ると透過する。

*****


そして、魔大陸。

上空から眺めると、砂漠や荒れ地そして高山等の不毛の地がかなりの面積を占めている。砂とむき出しの地面と岩と氷。

次いで、草原と森。大河の流域は緑が濃い。

都市らしきものは、海岸沿いに10か所、内陸に10か所。人大陸や獣大陸と比べると極端に少ない。

空には飛行船が浮かんでいる。


海沿いの港と飛行場のある都市上空に来た。

都市が円形の壁に囲まれている。外側には農地と放牧地、工業地区と商業地区、内側が住居地区と行政地区のようだ。

港と飛行場の先に入国管理棟があり、その先は商業地区になっている。

魔族の街は、ザースでは最先端の文化と技術に満ちている。


さて、まずは入国審査。冒険者証のある俺とハナは余裕。SSランクなので対応も丁寧だ。

困ったのはプルリン。

「えーっとこの子は拾ったばかりなので。。。」

「獣魔登録ならそちらの窓口で行えますよ」

「この子にも冒険者登録をしたいのですが」

「人型形態を取ることはできますか」

ぼふんっ「うん、ほらね」男の子に変化するプルリン。

「それでしたら大丈夫ですよ」


ということで、プルリンの登録をお願いする。

「手数料は金貨1枚になります」

「はい」何だか高いぞ。ぼられてる?それとも入国審査クオリティーか?

年齢表示で引っ掛かる。??になってしまう。


「ご自分の年齢が分かりませんか?」

「えっと、気が付いたら森にいて、乗っ取ったり乗っ取られたり、合体したり分裂したりで、、、」

「では金貨1枚の追加料金が発生しますが、特別認定手続きとなります」

ということで、見た目で判断されたのか、3歳ということになった。


冒険者カード

氏名 プルリン ランクG 10級

種族 水色スライム

年齢 3歳

レベル 26


「わーい、僕、ハナのお兄ちゃんだよ」

「むー。。。」


商業区に入ってすぐにホテルを見つけてチェックインする。

「3人様で1箔2食付きで金貨3枚です」

あ、高い。魔族の街は物価が高いんだ!

『基本的に魔族は全員貴族みたいなものだからな』

[労働は、高度なもの以外は、奴隷階級の人族や獣人が従事しております]

魔族が少数精鋭って、そういうことなんだ。


小奇麗なホテルの部屋から、適度な獲物がいそうな森に転移してプルリンの訓練兼食事の時間。

あまり強い魔物はいない。強いものは捉えられて使役されるのだ。

野生の獣族や人族には割と手強いものがいる。

プルリンには護衛用に念体ハジメを2体付けて置く。転移と1000倍加速の念体だ。これでいざという時は逃げる。後は、念体護衛は手出しはしないでプルリンの好きなようにさせる。


さて、まだ時間があるので、ここから転移してウルマ迷宮の地下56階に挑戦することにしよう。








「小説家になろう勝手にランキング」に参加しています。


ハイファンタジー部門で、しばらく150位~120位あたりをウロウロしていましたが、3~4日前から100位内に入り込むようになり、先程確かめましたら85位にまでなっていました。

凄いです!読んで下さる皆様のおかげです。更新にもやる気が漲りますw


楽しんでいただける物語を今後も書き続ける所存ですので、よろしくお願いします!


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