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地球上での平和?な一日

地球 7月27日 水曜日 朝自宅で目覚る。さっそく訓練。


新ギフト念体の検証を進める。

大きさはかなり自由が利く。

必要な気量は増えるが、かつて式神ゴーレムとして作った仁王様や大仏の巨像も念体でサクッと作れる。あの時のような虚像ではなく、もっと中味のしっかりした奴ができる。

逆に小さいところでは微生物以下クラスまで可能だ。このナノマシン的念体は役立ちそうだ。


念体生物は標準では1日くらい生存する能力があるが、解除するかあるいは耐久を超える攻撃を受けるかすれば消滅するし、逆に遠隔操作で気を供給すればもっと長生きする。

他方、生存時間をごく短時間に限定することにより、かなり強力なものを作ることもできた。本体の1%という能力の壁も突破可能だ。


念体の作成可能分量は、俺の気量はかなり程度の高い∞なので、相当大量に作っても大丈夫だ。

もちろん念体の小動物を大量に作って、もふもふの海に沈むことも可能だ。ふふふふふ。

*****


訓練と同時並行的に新素材の研究も行う。

ジョーがcarbyneカーバインないしはカルビンという物質を見つけてきた。これは炭素原子をハニカム状にびっしりと配置した希少物質であり、ダイヤモンドの3倍という地球物理上で最硬度の物質とのことだ。硬いだけでなく、エネルギー備蓄特性にも優れている。


これを発酵空間で10億年間の気漬けにすると、超硬度かつ大魔法を撃てるだけの気を蓄えた素材となった。熱にも強い。これを「カルビル」と名付けた。魔法武器向きである。

カルビルから気を抜くと、吸気性を発揮して攻撃魔法をも吸収する。これを活かすと魔法防具向きになる。

また同様にcarbyneを生命力漬けにすると、超硬度かつ柔軟で熱以外の各種の耐性にも優れた素材となった。これを「カービィナイト」と名付けた。武器や防具の芯素材として期待できる。


今後、ミスリルやアダマンタイト等との性能比較を進め、新装備の開発も進めて行きたいところだ。


このように、いきなり万物創造に全てお任せじゃなくて、色々と試行錯誤することで俺自身の知見を広めることが大事だ。

そうやって万物創造力を高めて行きつつ、いざという時は万物創造様にお願いするのがベストなのだ。

とジョー先生も言っていた。

*****


ガーディアンズ本部にて、藤堂父経由で、カービルとカービィナイトを素材として卸す話を付ける。

学者さんや実務家さんにも頑張ってもらって、人類全体の力を底上げしていかないとね。

商売っ気だけじゃないんだよ、ホントだよ!


本部長とも打ち合わせをする。

「スティーブ、異星人#の武器や資料類で何か分かったことはないか?」

「あの武器だが、素材は地球上には存在しない物質だそうだ」

「なるほど」

「引き金を引くと光線が発射される仕組みとなっており、その光線には熱系統の威力はないそうだ」

「ああそうだった」

「今のところ報告されたのはそれだけだ」

「。。。。。」

まあね、まだ数日だから、そんなもんかねー。


「#の言語は?」

「地球上のどの言語とも違うとのことだ」

「まさか、判明したのはそれだけとか?」

「察しがいいな」

「。。。。。」


「俺の言語対応のギフトが反応しないので、何らかの認識阻害が関係してると思うんだけど」

「それはまたハードルが高い話だな。一応伝えておこう」

何だか、あんまり期待しない方がいいかも知れん。


「奴らの転送装置は、超長距離をこなすものとは思えない。太陽系内に奴らの基地があるんじゃないか?」

「そういう意見はある。探知できていないが、月の裏側とか他の惑星の影とかが、怪しいかも知れんな」

「調査して、基地を発見できたら、やっつけてしまってもいいか?」

「地球上で人間に擬態している奴らを叩くより、色々な意味で簡単だな。頼めるか」

「ああ任せてくれ!何だかやる気が出てきたぞ」

*****


宇宙探査の前に、まずは国立スポーツ科学センターだ(笑)。

今日はボクシング関連のあれやこれやがあるとのこと。

ルールその他の講義、用具の説明を受ける。クッションのようなグラブを嵌めて殴り合うが、グラブは拳の保護と相手の怪我防止のためとのこと。


まずはミット撃ち。軽くミットを撃つ、つもりがトレーナーさんごとふっ飛ばしてしまった。迷宮内での勇者クラブメンバーでもない普通の人が相手なのだ。自制、自重が大事だいじ!

それからスパーリング。まず相手に撃ってもらって回避の練習。うーん簡単過ぎる。相手はひとり、手は2本。動きは遅い。当たるはずがない。次はこちらからも攻撃する。怪我をさせないように細心の注意でパンチを出す。どれくらいの力加減、速度で撃てば良いのかということを学習する。


実戦スパーリング。出来るだけ少ないパンチ数で倒したいが、殺さず後遺症残さず怪我させずという制約付きだとなかなか難しい。人によって耐久度が違うので、それを見抜いて一発で短時間失神させるだけのパンチを打ち込むのは至難の業だ。しかし、そういう課題があってこそ遣り甲斐があるというものだ。


まずこの相手は10の威力でダウンすると見抜く。ガードで-8になるとするならば、18-8=10だからガードの上から18の威力で殴れば足りるがそれでは芸が無い。ガードを崩して撃つ、相手の力4を利用してカウンター6+4=10で6の威力で倒す、てこの原理による威力の増大を利用して5×2=10で、5の力で顎の先を横に揺らして脳に10のダメージを伝えて倒す。こんな風に課題はたくさんある。


まだまだ慣れないので、パンチ10発、1分以内という甘めの自分ルールにして、スパーリングをする。

うーん、相手がダウンしてしまうと、もう練習が続けられない。

5人の練習相手がいたけれど、あっという間に終わってしまった。


とにかく、俺に対しては全くパンチに当たらないことが分かったので、階級制を無視してというか、体重制限を上限下限ではなくて、上限のみにする案が浮上した。ルールの隙を突いて俺をヘビー級に出場させたいみたいだ。そんな危険なことは出来ないとの反対意見が強かったが、是非それで行ってもらいたいと俺の希望を述べて置いた。


いやーだって、絶対当たらないし、仮に100発当たったとしても何ともないし。

それに、ヘビー級は日本では選手層が薄くて、俺が出場しても割を食う人がいない見たいだし、これで勝つとインパクト大きいと思うしね。

*****


スポーツ科学センターで昼食を食べて、帰宅。ということにして月まで転移した。

うん、やっぱり月の裏側の地下に何やら怪しい反応があるぞ。


さっそくナノマシンサイズの念体を10000体ほど転移で送り込んでみる。形はウイルス状にしておいた。

そんな微小な念体でも情報収集のためなら充分だ。基地内にゆっくりと拡散させる。異星人#が沢山いる。#の基地で間違いない。この中に転送装置があって他の場所から送られてくる物資を集積しているはずだ。そしてその一部を地球上に送り込んでいるのだろう。ナノマシン念体も物資に紛れて一緒に転送することにより、敵の転送網をあぶりだした上で、一網打尽にしたいところだ。


ナノマシン念体を文字通り泳がせながら、少なくとも数日は様子をみたい。

ナノマシンからの情報を基に、万物創造で敵施設立体模型でも作ってみようかな。

ナノマシンは、基地内の気流に乗って、更には転送便に紛れて、ゆっくりゆっくり拡散を続けている。

*****


「月の裏がこんな状態だ」スティーブに事情を話す。

「なるほど、そんなことができるなら、Q国、R国の#拠点にもナノマシンを放ってみてくれ」

ということで、位置情報を示してもらいながら、敵支配が及んでいるらしい施設合計20か所にも密偵ナノマシン念体を放った。


全ナノマシンから俺に寄せられる情報は膨大に過ぎるので、俺自身の意識とは切離して、拡張認識領域内でジョーに処理を頼んで置く。

『了解した。各施設の立体模型を作りながら情報を集積して行く。各施設の繋がり具合も明らかにしたい』

全くもって、俺の支配下にある俺の一部は、たいした奴ばかりである。

#よ、首を洗って待っていろよ。

*****


さて時間が空いた。次はタミル迷宮へ行ってみよう。

到着したら、さっそくタミルさんに捕まって、ご要望により、新モンスターの作成業務に取り掛かる。


念体で異星人#を復元する。通常タイプに銃を持たせる。防御手段も持たせた戦闘タイプと将校タイプが中ボス、フロアボスは戦闘スーツ着用の戦闘タイプ。なかなかに実戦的なモンスターができた。


軽めの敵として、万物創造で作った下等魔物も出して置く。ザースにいた奴らや、タミルさんの話を聞いてイメージで作ったもの。ちなみに後者については、微妙にイメージが違うらしくて、作り出すたびにタミルさんがゲラゲラ笑うのには参った。俺も逆の立場になって楽しんでみたいよ!


勇者達は、みんな少しずつ進歩している。そろそろ魔法は外の世界でも実戦で使えるレベルになってきたか。魔法用の武器をもっと充実させたい。

さくっと作った万能防御服は実に素晴らしい出来だった。これなら#の銃や、戦闘スーツの攻撃での一撃死は免れる。

生きてさえいれば、転移の魔道具で安全圏に脱出できる。

そのための転移カードや転移リングも量産した。


ロサンジェルス、パリ、ベルリン、ヨハネスブルク、リオの各支部メンバーもやって来ているようだ。

魔法理論はタミルさんが講義して、おれは個別の発動補助を担当する。

そして最下層では、ベルリンとリオ支部のメンバーと初対戦した。

俺のレベルがひとつ上がって、レベル52になった。

クリエイト レベル52 筋力6兆/敏捷性6兆/生命力195兆/気力∞/気速∞/気量∞/活力1428億


勇者クラブ各支部の感じを見ると、武器防具の力もあるのか、遊撃隊が頭一つ抜けてきた観がある。

とにかく、みんな頑張れ。いつ死んでもおかしくない危険な任務。

訓練すればそれだけ生き残る可能性が上がるんだから。


異世界定期便 第13便 日本 7月27日水 自室→ザース 春16日 狼人国ウルファグ









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