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メンバーの成長と転生秘話

「最下層地下10階を守るクリエ殿に挑戦します」

「受けて立ちます。よろしくお願いします」

武道の試合のように礼を交わして、戦闘開始だ。


リー(以下、敬称略)がススッと歩み寄り、ノーモーションの正拳突きの連打からの左中段回し蹴り。早い、重い、闘気功の威力が乗っている。

俺も素手の格闘で受けて立つ。クリエ流闘気対リー闘気功の戦いだ。


リーの連撃が止まらない。流れるように2の手3の手に繋がり、各攻撃が理にかない、しかも俺の防御が致命的な隙を生むように仕組まれている。

単純な拳法の技比べでは、長年研鑽を積んできたエキスパートのリーには叶わない。


リーはレベル55で俺よりも上だが、基礎数値の地力では気力系はもちろん、体力系でも俺の方がかなり上回っている。今朝の時点では違っていたが、P国奪還作戦で一気にレベルが16もアップしたのでそうなった。


闘気功は速攻守のバランスが取れている。平均振すると俺の闘気よりも上だ。しかし闘気は速攻守の振り分けが自在であるという利点がある。俺は今のところ、技能の差を速度で埋め合わせるように瞬動に多めに、のこりを闘鎧に振り分けている。俺の攻撃は当たる気がしないので防御主体、攻撃はフェイントとして使う。

これで一見ほぼ互角の戦いが出来ており、リーの技能を存分に堪能できるのだ。


リーの連撃が詰めの手前まで行ったところで、俺が速度を活かした意表を突く動きで躱し、リーの積み上げを無にする。これを3度ほど繰り返したところで、リーがパッと間合いを広げた。にっと口元が上がる。獰猛な、しかし嬉し気な笑みだ。


次の瞬間、リーは俺の右斜め後方に転移して現れた。転移の気配を察していた俺は瞬時に対応して裏拳を飛ばすが、リーは転移間の亜空間内で体制を変えており、現れた際には地に這うような低い体勢からのローキックが迫って来ていた。このままでは裏拳は空を切りローキックがヒットする。そう判断して拡地で逃れた。


リーの転移は亜空間を経由するので一瞬のタイムラグがあるが、亜空間内で体制を変える利点がある。対する俺拡地と縮地は、実空間を伸縮させているのでタイムラグが無いのが利点だ。技としては縮地と拡地の方が使い易いと思うが、リーは実戦で転移を使い慣れており、攻防が一息付く絶妙のタイミングで転移するので、タイムラグの不利を感じさせず、また体制の変化もこちらの想定を見事に裏切り続ける。


攻防が様相を改め、相打ちで双方に軽くダメージが入るか、俺が拡地で逃げるかの2択になった。

双方ダメージが軽いのは、俺の防御力が闘鎧を使わないものの理力でカバーしている分が大きいのと、闘打を使わない俺の攻撃力が筋力のみだと強くないからで、ともに俺のせいだと言える。


膠着を打ち破る次の一手をリーが打って来た。闘気功で突き蹴りの射程を不規則に伸ばす。紙一重で躱しているはずの攻撃が当たる。実際の拳の先に闘気功の拳があったり、受け止めた手刀の先から闘気功の双節棍が遠心力を乗せて襲って来たりする。

対抗して俺は追爪を使った。威力は小さいが回避不能の痛く腹の立つ攻撃。一種の精神攻撃なのだろう。

リーの表情が歪む。俺にもリーにもダメージが蓄積して行く。両者削り合いになっている。


リーが再び間合いを取る。うん?エネルギーが膨れ上がっているぞ。勝負を掛けるようだ。

『恐らく浸透勁だ。防御不能で突き抜けるぞ』

それはまずい。あの規模だとかなり危険だ。

リーが突き出した掌底からゴゥっとエネルギー塊が押し寄せる。

咄嗟に拡地で躱してリーの側面に移動した。


大技を出して一瞬動きが止まっているリーに、空気操作の衝撃波を透過を加えて撃つ。

衝撃波が闘気功を突き抜けて走る手ごたえがあった。

リーがゆっくりと倒れる。


リー レベル55 人族 を倒した

創はレベル49になった


終わった。衝撃波と透過って、考えてみたら浸透勁によく似ているな。


「いやあ、完敗です。格闘戦で負けるとは。クリエさんは底の見えない人ですね」

「いえいえ、最後のは魔法なんです。格闘戦の技術ではとても及びませんでした。良い勉強をさせてもらいました」

そうなのだ。達人級の人と戦うと得るモノが大きい!


次はタミルさんと対戦。タミルさんと俺は今やともに49の同レベル。

レベルが前回より3つ上がったタミルさんは、前よりも剣尖が相当鋭くなっていた。

しかし俺の基礎数値の上昇っぷりは更に大きかったので、タミルさんの剣技を俺の力と速度で凌駕することができた。

たっぷりと剣技を学ばせてもらった上で倒す。

「がくうっ。大分強うなりましたのに、クリエはんが輪を掛けて強なってはる」

「お互いレベル50が楽しみですね!」

「さいでんなー」


その次はお楽しみのユリア。

「みゃーん」

あれ?何この可愛い子猫。最初にあったユリアより小さいぞ。この黒猫の子猫がユリア?

「みゃー」かぷっ。

甘噛み?まさか戦宣布告か(笑)。


「みゃーん」

やっぱり可愛い。よしよし、なでなで。俺の周りをウロチョロくるくる。

ん?どこに行った?

ぞわっ!危機感知。拡地で死地を脱する。


振り返ると、虎の顎が俺の頭のあった空間でガチィンと閉じ合わされるのが見えた。真っ黒な大虎。2m以上ある。とっさに長剣を振るうが前足でいなされた。な、なんと!技巧派の虎ではないか。


ガルゥ!虎が威嚇すると恐怖で竦みそうになるが、恐怖感を振り払って、超断裂空間ウルティマ刃で斬りつける。前足の先端を斬り飛ばしはしたが、虎が消えた。

と思ったら、背後の足元から突如立ち上がって俺の首を噛み千切ろうとする。振り向き様にその頭を両断して始末した。


ユリア 猫 レベル22 を倒した


やはりユリアだったか。

「みゃーん」

鑑定すると、ギフトが闇、水、風、槍、闇気、鋭敏。新たなギフトは鋭敏か。

そしてスキルが、サイズ変更、甘えん坊、暗殺の3つ。

猫にはスキルがあるんだ。そういえばハナにもサイズ変更のスキルがあったな。


「ユリア、最大サイズは?」ばふっ。2m超の大虎。

「最少は?」ぱふっ。20センチくらいの子猫。

「普段は?」

「みゃーん」最小の子猫スタイルが、お気に入りで普段使いのようだ。

スキルに甘えん坊があるもんなー。

すりすりしてくる。あーもう、ほんっと可愛い!


甘えておいて隙を作って、背後の影から虎に変身して現れて暗殺。凶悪なコンボだ。。。

恐怖で相手を竦ませるのは闇気の精神攻撃なのか。なんとまあ。

「みゃう」

でも可愛いから許す。よしよし、よーしよしよし。


白石 レベル23 光 治療 魔法強化 

新たなギフトは魔法強化。これで光魔法のレーザーが致命傷を与えるほど強力になった。白石が地下6階の守護者を争う程に成長したのはこのためだ。後衛からでも攻撃できるからチーム戦でも役立つなー。


エンゾ レベル24 盾術 無属性魔法 強化 結界

エンゾは新ギフト結界を得て、ますます防御に磨きがかかった。


アンソニー レベル23 剣術 火魔法 雷魔法 剛力

アンソニーは剛力を得て攻撃力がアップした。あとは賢さと魔法力をどうにかしたいところ。


ドロシー レベル24 探知 転移 隠密

ドロシーの隠密は実務に役立つし、敵の死角にこっそり転移して消音銃で狙撃というコンボで攻撃力も上がった。


みんな順調に成長している。


個人の相手はここまでで、その後は恒例の対集団戦。遊撃隊、東京支部、上海支部、デリー支部、各撃破。

その後は4パーティ全員で。人数が多くても連携が上手く取れないと、範囲攻撃の的になるだけで、必ず強くなるわけでも無い。俺が最初から繭を装備して、透過付きの魔法攻撃で臨めば、無双状態だった。


2戦やって、テレサの曲撃ち、藤堂父の追尾弾、ドロシーの不意打ち、ユリアの闇討ちを各1発、白石のレーザー2発、タミルさんの斬撃3発、リーの打撃多数発を当てられたが、全てノーダメージだった。繭の防御力は半端ない。

ただし、本当は1発も当てられないようにしたいから、まだまだだな。

もっとも今でも加速は使って無いんだけどね。


迷宮の訓練で更にレベルが2つ上がり、レベル51になった。新ギフトの「選択行使」を得ることもできた。

*****


訓練終了後、迷宮に新設された食堂で簡単な食事をとった。

発電機を導入して冷蔵庫や電子レンジは稼働しているが、凝った料理を出すところまでは行っていない。


メンバーと色々と話をした。考えてみたら初めてだ。


みんな転生前の記憶はほとんど無いとのこと。

夢から覚めた時のように最初は多少覚えているけれど、直ぐに忘れてしまうらしい。

勿体ない!思い出したら是非異世界話を聞かせて欲しい。


例外的に地球人が転生した場合に限っては、前世の記憶を保持したままであり、再転生されると前地球と異世界の記憶を合わせて持ち込むとのこと。


再転生組のタミルさんとリーさんの前世の異世界は、俺のザース同様に中世的な剣と魔法の世界だったという。社会制度や魔物がある程度共通していたり、全然違っていたりで興味深い。ちなみにタミルさん、リーさんの世界は、ともに人と魔物が争う世界で、獣人族というものはおらず、人は呪文を詠唱して魔法を使っていたとのこと。


タミルさんは魔族として駆け出しの迷宮管理人をしており迷宮外で事故死、リーさんは人族の勇者だったが途中で魔王に殺されてしまったそうだ。


転生組で前世の記憶があるのは藤堂夫婦。ともに地球、それも過去の日本と未来の日本からの転生だという。


藤堂父は戦国時代の日本からの転生で、前世は海賊。

「海賊と言っても密貿易商みたいなもので、強奪したり人を殺したりは、めったに無かったですよ」

たまにはあったんかい!

今は商社勤めなので、藤堂父を介してガーディアンズやその他第三者と物品を売買することができるという。


藤堂母は未来の日本で40歳で事故死して、20年前の20歳の自分に転生したとのこと。

「世の中の今後の大体の流れは知っているので、証券取引が得意ですのよ」

ガーディアンズクラブの財テク担当として多大な利益をもたらしているらしい。

「今37歳ですから、後3年は鉄板です」

なんかインチキっぽいね。。。

「でも小さなところでは歴史は変わっています」

前世では独身だったが、今世では転生後直ぐに結婚して子供を授かったと、嬉しそうに語る藤堂母。


「自分も藤堂さんの奥さんとこに口座持たしてもろてますねん。クリエはんもどないでっか」

なんだかんだで、俺も母親の証券会社に口座を持つことになった。

「私が後3年だけは、責任を持って運用しますからね」

日本株が得意というか、それしか分からないとのことなので、円で運用してもらう。

その都度ドル転するより良いそうだ。まあお任せしよう。日本円が入手できてちょうどいい。


「クリエさんはギフトの力で日本語が達者というけれど、本当に自然でびっくりです。なんだか言い回しまで今どきの子のようで、自分の息子と話しているような錯覚に陥りますよ」

「そうそう、お顔まで似てるように感じてしまいます」

ドキドキ。なんてこった。


和やかに食事も終わり、転送網で各地へ帰るメンバー達。

迷宮の宿舎へ泊まり込み組もいる。

遊撃隊は、俺以外全員泊まり込みとのこと。皆やる気満々。

牛乳を飲んで満腹して眠っている子猫のユリアは、意見を聞かずに強制で泊まり込み。

夜中に怒って虎化けしないことを祈る。


俺は自宅へ転移して、そそくさと自室のベッドに入る。

どの面下げて、両親と顔を合わせることになるのやら。少なくとも今夜は避けたい。

はぁ、なんとも複雑なことになって来た。


創 15歳 レベル51

基礎値 筋力5800億/敏捷性5800億/生命力18兆5700億

    気力∞/気速∞/気量∞/活力136億

ギフト ポイント61 残7

選択行使 遠隔操作 万物創造 発動妨害 透過

分身 空間時間設定 繭形成 ドリル弾 天翔 

ギフト創造登録

式神 再生 幽視 変化 転写 認識領域拡張

魔法創造登録 罠対応

理力操作/熱操作/地操作/空気操作/光操作/水操作/聖操作/闇操作/

素粒子操作Ⅱ/電磁操作/空間操作Ⅱ/重力操作/時間操作Ⅱ

気授受/生命力授受

危機感知究/危機対応究/物理耐性究/魔法耐性究

隠形/状態異常耐性究

索敵/鑑定/判別

自然充填究/自然回復究/成長促進究

蘇り 武器技能 付与 

自己確認/他者確認/言語対応

神知/自由設定


異世界定期便 第10便 日本自室7月26日火→ザース王都春15日















藤堂家は複雑怪奇なことになってます。。。

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