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こんなところに本丸が

上空に転移後、分身ギフトを使って、1割創を5人作り出す。本体の魂5割の俺は全体を俯瞰して指示する役目。1割の5人には、時間操作Ⅱ、空間操作Ⅱ、再生、繭、魔法創造登録のギフトを与える。繭装備かつ1000倍加速で行動させる。

航空機相手なので、のんびりはしていられない。

「よし、分身体1~5、各機のコックピット内に転移して敵を始末して機体を回収せよ」

「「了解ラジャー」」


分身体5人、こいつらは分身隊とでも名付けようか。

全員転移完了。敵戦闘機は、各機単座式でパイロットは合計5人。

2名が#、3名が人間。

#は非戦闘タイプだ。コックピット内での肉弾戦は想定外なようで特に防御はない。

分身1がウルティマ剣で、分身2は素手の闘打で瞬殺。分身にも攻撃の好みというか個性がある。

分身3、4、5は、登録してあった雷魔法を微弱に使ってパイロットの人間を無力化する。


生命体を分離確保して、飛行中の戦闘機をそのまま亜空間に収納する。

時間が流れない素の亜空間内だから燃料切れの心配はない。

ちなみに、分身体も本体も収納亜空間は共有だ。

5機のP国戦闘機は消滅した。対戦闘機任務は完了。

次の指示を出す。


「高高度に電子戦機、レーダーを背負ったようなP国機が1機いる。こいつが空域を監視して指揮している。分身1と2は、そっちへ向え。

分身3~5は失神したパイロットを本部の御子神に届けてから戦闘ヘリ部隊制圧に向かえ。ゴー」

「「了解ラジャー」」

*****


俺は分身1。高高度に転移した。寒くて空気が薄いが、魔法登録してある快適空間発動で環境は激変して実に快適になる。良い魔法を登録したと実感する瞬間だ。

分身2と2人で電子戦機に接近する。機内は割合に広い。乗員は5人。二人が#で、うち一人はなんと戦闘スーツを着用した戦闘タイプ。まじか!用意周到だな。

まあ、1000倍速下では停止しているに等しいから、脅威は微塵も無いけれど。


人間3人を手早く失神させて、#2人に向かう。

む!魔法が通らない。ウルティマⅡの刃も通らない。力任せにぶった斬ると機体も破壊してしまいそうなのでしばし躊躇する。

「#の奴ら、魔法障壁を展開しているな」

「発動妨害も透過も置いて来た。手持ちのギフトでは空間操作Ⅱの断裂空間が使えるんじゃないか」

分身2の意見を採用する。なかなかのアイディアマンじゃないか。

しかし、敵魔法障壁は、こちらの断裂空間を弾こうとする。断裂空間自体が魔法だからだ。

そのまま断裂空間を構成する気力を高め気量をより多く込めてみる。そうすると、魔法力が凌駕した時点で、断裂空間が魔法障壁の内部に滑り込むことに成功したことを確認する。

それならと筒状に断裂空間を展開してみる。よし、魔法障壁に穴が開いた。その穴からウルティマⅡを差し込んで頭部に突き刺す。生命反応は消失した。

「#2体を始末した。無傷の戦闘スーツと電子戦機を鹵獲できたぞ」


上々だ。失神した人間3人を本部へ運んで、対電子戦機の任務は完了。本体のもとへ飛ぶ。

「じゃあ、次は、ヘリ部隊制圧の応援に向かおう。俺もそっちへ行くよ」と本体。

*****


俺は分身3。ヘリ部隊の飛んでいる方向は聞いたが、はっきりした位置を知るにはジョーの支援が必要だ。本体との意識共有を密にして、ジョーの指示を得る。

『北北東へ100キロ』

その辺りに転移すると、見えた。10機ずつの2編隊。1機あたり乗員2、隊長機2機に#が1人ずつ。

こちらは1000倍速なので、ヘリのローターがゆっくり動いているように見える。それ以外の動きは無い。


俺と分身4とで、2人の#を始末する。魔法障壁を展開していたが本体経由で分身1達の処置を見ていたので、断裂空間で魔法障壁に穴を開けてウルティマで一突きだ。続いて人間を失神させて、戦闘ヘリの機体と#の死体を収納して一丁上がり。

人間乗務員2人だけの機体は簡単。さっさと雷撃で人間2人を失神させて抱え、生命体がいなくなったヘリを収納するだけ。失神した人間の処置が面倒だな。いったん本部へ運ぶか?と思っているうちに本体と分身1、2が現れる。

「失神した人間パイロットはひとまず俺が持つ」

本体が理力の触手で大勢の人間を抱えてくれるようなので渡す。理力操作は便利だな。

*****


分身隊は着々と任務をこなしていく。優秀な隊員達だ。まさに自画自賛だ(笑)。

1000倍速は巡行速度だけれど、それを超えるとなにやら息苦しさに近い感覚がある。低酸素の高地での活動のような感じ。特に、昨日爆食虫相手に10万倍速で動いた疲れもあり、今日の分身込みの1000倍速は結構キツイ。ちなみに時間停止下で動くのは、呼吸を停止しながら動くような更なる負担感がある。

『加速は魂に何らかの負荷がかかるようだな』

[敵の戦闘データも取れませんし、実戦感覚が鈍るというデメリットもあります]

うん、なるべく通常時間で戦うのがいいようだ。加速は非常時だけにしよう。


対攻撃ヘリ作戦もつつがなく終了。

これで航空戦はこちらの瞬時完全勝利で完了した。

「分身隊の諸君、お役目ご苦労。いざ合流しようではないか」

まあ、大袈裟に言う必要は全く無いんだけどね。全員俺だし。

戦闘機5機、電子戦機1機、ヘリ20機、戦闘スーツ1、#6体。人間44人。なかなかの戦果だ。


その後本部に戻ったら、御子神が驚いていた。

「な、な、なんだ。今行って来ると言ったとたんに、敵兵を大勢抱えて戻って来るとは!?」

「ええ、ちょっと頑張って、速めに対空処置を終えました。戦闘機もヘリも全て収納しました」

御子神はあんぐり口を開けていたが、探知で敵影消滅を確認したのだろう、すぐに立ち直ってスティーブに報告を始めている。


失神した人間の捕虜を収納空間まで運ぶのを手伝った。下り階段が新たに出来ている。これは迷宮仕様だ(笑)。本部下に新設された浅い迷宮を確認してから、そこら中にごろごろ転がっている失神兵を転移で一遍に運ぶ。

「いや~、クリエはんの転移は強力やさかい助かるわ、おおきに!」

本部1階には軽症者の救護ゾーンと重傷者の救護室がある。


ん!?重傷者の中に遊撃隊の奴らが!

「エンゾ、アンソニー、白石、大丈夫か!」

「あ、兄貴。済まねえ、俺が下手打っちまって」

アンソニーが脚を銃撃されて、それを助け出そうとする際にエンゾも撃たれたらしい、白石は治療を施しているだけだ。

俺は、水操作、土操作、聖操作の合わせ技で奴らの傷を即座に完治させる。白石が目を丸くしている。


「お前達にはちゃんとした防具を与えてなかったな。すまない、今更だけどこれを装備してくれ」

万物創造で、遊撃隊員向けの防具を作る。こいつらはまだ防御力の地力が無いので、汎用気密服ではだめだ。出来上がった防具は、オリハルコン繊維を主体にミスリル、ヒヒイロカネ、アダマンタイトの各繊維を適度に混紡した服だった。防御力が非常に高い。着用の変化特性は汎用服同様にあるようだ。名付けて万能防御服。


「すげえ!カッケー!!」アンソニーは派手派手の中世騎士タイプの甲冑に。

「いい。さすがボス」エンゾは迷彩軍服みたいになっている。

「あの、これが防具なんですか?」白石は、えーとデート服?おしゃれで大人っぽい感じ。

「こいつは、見た目は着用者の好みの形になる。どんな形でも防御力はバッチリだから安心しろ。でも外に行く前に、戦闘服らしい形にしておけよ」

「「了解!」」


そうこうするうちにドロシーが怪我人を抱えて転移で現れる。

ドロシーにも万能防御服を与えて着てもらう。アニメの戦隊モノのコスチュームみたいになった。これはいいかも。

怪我人をサクッと直して、あとを白石に頼み、ドロシーの案内で、アンソニーとエンゾを伴って戦闘現場に転移する。


裏門から続く宮殿の扉のひとつを巡っての攻防が続いている。こちらは遊撃隊と東京支部から2人、って藤堂夫婦だ!あとはP国兵の味方8人。

敵は歩兵が50人ほど。

味方が守りを固めているうちに、敵の裏に回ったユリアが影から影へと渡りながら隙を見せた敵を1人ずつこっそり仕留めている。ユリアいいぞ!


藤堂夫婦は?まず装備が凄いな。薄手の宇宙服のような見た目で防御力はそこそこだけれど、電子機器類が充実している。ヘルメットが360度展開の3Dモニターで、ゴーグル上に様々なデータが文字や映像で表示されてるな。俺のレーダーゾーンの劣化版みたいな感じだ。武器は、結構ごつい銃を持ってる。父さんが撃つ。む、弾道が曲がって掩体に隠れている敵にヒット。母さんは防御バリアを上手く操ってるぞ。


母さんが筒状の武器を取り出す。グレネードランチャーか。ボスッ。上方にグレネード弾を打ち上げた。うんなかなか良い位置に落ちてくる。しかし掩蔽壕の縁に弾かれそうだ。

あ、軌道が変わって敵集団の急所とも言うべき位置で炸裂。父さんが理力で軌道を変えたんだ。

何だ、あんたら熟練の戦闘上手じゃないか!?

戦い方が安定していて危なげない。全く、なんということだ!?

共稼ぎのサラリーマンじゃなかったのかよ!



俺は正面に展開する敵歩兵多数を広域微弱電撃で一斉に倒した。

戦況が一息ついている間に、ユリアに万能防御服を与える。

「にゃ?」

あれ?変化が無い。でも防御力は上がっている。そうか、毛皮タイプになってるのか。

「大丈夫、それでちゃんと防具として機能してるぞ」

「にゃーん♪」


エンゾとアンソニーには火力強めの機関砲を、ドロシーには消音銃を与える。万物創造いいぞ(笑)。

「みんな頑張れよ!俺は持ち場に戻るからな」

「「イエッサー(にゃん)!」」


ニコ情報をチェックしてから、宮殿11階へ転移。敵殲滅戦を再開。分身5体と本体の6人編成で、別行動を取る。各自、接敵し次第、次々に敵を薙ぎ倒していく。繭を纏って防御し、瞬動で動き、衝撃波を透過させる。人間は弱めの衝撃波か雷撃、#は強めの衝撃波。死体や失神体の処置は後回しにして、とにかく掃討を続ける。特筆する程の抵抗はない。

敵が強そうなところには本体が行く。たまに戦闘スーツや異星人の銃やグレネード弾で攻撃されたが、全然たいしたことはない。サクサク進む。


上から順に掃討して降りて行き、4階を掃討する途中で、上海支部のリー達と鉢合わせした。

まずい!隙を見て分身隊を解散させて本体の俺に合流する。なんとか上手くごまかせた。

これは冷や汗ものだった(笑)。

「下は終わった」

「上も終わりました」

確かに、宮殿内にはもはや敵の気配はない。

上海支部メンバーとともに1階の現地本部まで転移。


「ほう、済んだかい。それじゃあ、リー達は1階正面に応援に行っとくれ」

宮殿の外ではまだ戦闘が続いている。

「「ラジャー」」

「500体の#をほぼ殲滅したんだが、P国軍の指揮が乱れていない。変だな。ニコ、何か分かったかい」

「地下に怪しい空間。アクセスできない。ここが本丸?」

なるほど確かに変な空間がある。そう言えば#のニューヨークの拠点も地下深くにあったな。


「クリエ、地下に飛んで、急いで本丸を制圧しろ。P国陸軍の大部隊がここに向けて進行中だ。私との連絡は常に繋がるようにな。ミサイル飛来の可能性がある。」

「了解。地下空間へ向けて出撃します」


地下200mほどに小さな体育館程の空間がある。エレベーター抗が通じているが作動していない。エレベーター抗内からその空間を窺う。念入りに各種防壁が張り巡らされていて内部が覗けない。透過を纏わせて式虫を潜入させる。視覚を繋げると結構な人数の#がいるのが分かる。というか全員#かな。む、これは#じゃない、何か変な奴が混じってるぞ!?

ジュッ!視界が暗転する。式虫がやられた。


大体の状況は分かった。次は俺自身で行こう。

汎用服に理力の防御、更に繭。こんなもので防御は充分だろう。

闘気は全て瞬動に回す。透過を全身に掛ける。透過が俺自身に掛かっていれば念話も通じるはずだ。

さあ準備は万端、室内へ転移して戦闘開始だ!


P国奪還作戦、まだ終わりませんでしたw 

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