P国奪還作戦実施!
「クリエイトのことは皆知ってるな。新顔の謎の切り札。その実力は確かだ。本作戦では切り込み隊長役になってもらう」
御子神さんという東京支部のリーダーが仕切る。30代の女性。和服というか神社の巫女さんの衣装みたいな服装で場違い感が半端ない。美人なんだけど、貫禄があるというか威厳があるというか、ちょっと怖い。どことなく妖怪人間〇ラ似かも。。。
「あんたなんか失礼なこと考えてないか?そんなことより、一言挨拶しな。手短に」
なんで分かった?テレパシー、それとも単なる洞察力?
「初めての方、初めまして。新人のクリエイトです。転移、探知、瞬殺、収納が得意なので、この作戦ではお役に立てると思います。ご指示をよろしくお願いします」
「東京支部リーダーの御子神だ。未来視、探知、念話、治癒、結界が得意だ。実行部隊隊長として本作戦の現場指揮を執る。全員軽く自己紹介しろ。その後で簡単な打ち合わせをする」
「上海支部リーダーのリーです。闘気功を使った格闘と転移が得意です」
身長170センチ、黒髪黒目、引き締まった体の東洋系。20代後半くらいか。
「デリー支部リーダーのタミルでおま。剣術と空間魔法、土魔法、迷宮創造が得意でんな」
お馴染み、タミルさん。
「ベルリン支部のニコ。探知と障壁無効移動の遷移が得意。一応、攻撃無効の不倒不死。今回は単独で応援参加」
身長は180くらい。スキンヘッド、青い目、青白い肌、痩せぎす。ちょっと不気味な雰囲気。
この場にいるのは、各支部のリーダー達だ。隊員は隣室にいて、ここの音声は聞こえているそうだ。
「これがP国宮殿の見取り図だ。各自コピーを所持しろ。1階中央の大会議室。ここを現地本部とする。ここに私が結界を張る。私が全員と念話で連絡を取る。念話の発信方法は分かるな。受信は強制だ。結界の出入りはまず連絡をしてからだ。私が許可すれば通過可能となる。捕虜や鹵獲物も体の一部が触れていれば通過可能だ。
役割分担だが、クリエイトは単独で探知、転移、戦闘を自由にやってくれ。ただし私から指示した時はそれに従うように。
リーは上海支部を率いて転移及び戦闘。転移及び戦闘地点は私から指示する。
ニコは、索敵。宮殿内を遷移しながら敵の位置・数・装備等の情報を私に連絡してくれ。
タミルは、デリー支部を率いて現地本部で防衛担当、及び、捕虜収容空間、敵収容空間の設置。場合によっては避難用の迷宮創造。
東京支部と遊撃隊は私の指揮下で現地本部付きとする。本部防衛その他庶務に当たる。必要があれば現地本部から局所に戦力を投入する。
概略はこうだが、基本的に各自の判断で臨機応変に対処する。
以上、質問はあるか?」
「P国指揮下の人間は殺してもいいのか?」
「できれば殺さずに戦闘不能にして保護したいが、無理なら仕方ない。作戦遂行速度優先だ」
「敵機器類の扱いは?」
「通信機器は優先して破壊。武器類は可能なら鹵獲。爆発物の破壊は注意。その他は基本放置だな」
「標的の優先順位はあるか?」
「資料を配る。写真と名前、ナンバー1から500。基本的に番号が若い標的から優先だ。特に1から10これを真っ先に叩く。地図に表示されている数字が敵の予想所在位置だ。ただし、#は姿形を容易に変えることは心得てくれ」
「質問はこんなところか。そろそろ開始時刻だ。宮殿の場所は地図上のここ、大会議室の現在の内部映像がこれ。クリエイト、ここに25名全員で転移できるか?」
「できます。準備が出来たら飛びます」
隣室から隊員達が執務室に入って来た。全員が入るとキツキツだ。ドロシー、エンゾ、アンソニー、白石、そしてユリア、全員いる。流石に緊張で顔が引き攣ってるな。
「みんな、装備はOKか。トイレと食事は済ませているか?」
「にゃーん」ユリアが答える。他の4人は無言で頷く。
「全員時計は合ってるな。転移まで10秒前。5秒前、3,2,1、ゴー!」
御子神隊長の掛け声でP国宮殿1階の大会議室へ25人全員で転移する。
大会議室内では20人の敵P国人が会議開催の準備をしていた。そのうち2名が#。
「こいつとこいつ!」御子神が指さす。
指示が出るや否や俺は、小型拳銃を持っていた#の一人を衝撃波で殺害して処置。もう一人はリーが抜き手で心臓を破壊していた。残りは人間。防衛の任にある隊員たちが当て身や電撃で意識を奪って無力化する。エンゾが盾で殴り、アンソニーが雷で感電させていた。ユリアは背後から後頭部を一撃。みんな存分に頑張れ。
会議室の外には、比較的至近距離に50人くらいの武装兵がいる。うち3人は#だ。対魔法障壁の魔道具を所持している。#3体を、透過のギフトを使って衝撃波で倒す。後は仲間に任せよう。
1000倍に加速して、ナンバー1のいる12階の1室に転移。転移に抵抗があった。部屋全体を魔法障壁で守っている。透過を同時発動して転移。ナンバー1の国家元首がヘッドセットを付けてPCモニターで大会議室を見ていた。#に間違いない。雰囲気から将校タイプだろう。透過プラス衝撃派で脳を破壊。透過と衝撃波の合わせ技で、防御している個体でもきれいに殺害出来る。これが使える限りこの手で行くか。殺害したらすぐに亜空間に収納。
部屋の中のPC、TVカメラ、マイク、インターホン、無線機のような装置を全て破壊。同様にしてナンバー2から10までの10体の#を殺害。室内にいたその他の#4人も殺害。居合わせた人間6人は気をゼロまで吸収して失神させる。一桁しかないわずかな気をゼロにすると気を失ってくれるので簡単だ。部屋にある機器類も同様に破壊。全く抵抗らしい抵抗もなしに、ナンバー1から10までと、そのお付きを撃破出来た。
御子神隊長に連絡を取る。
「ナンバー1から10までを処置した。死体を運ぶから結界を通りたい」
「っ!早いな。通れ」
14体の#の死体を収納空間からドサドサと出す。失神中の人間6人も理力でまとめて運び込む。後は現後に任せよう。
「1階は本部が対応する。外から敵が集まって来てるがな。クリエイトは建物の上から下へ掃討してくれ。リー達は2階から上へ侵攻する。ニコが捜索した敵の配置情報がアップされるから適宜端末を見てくれよ。今のところ、敵に目立った動きは無い。宮殿内の異変を察知して右往左往してる感じだな」
「「了解」」
遊撃隊は、大会議室の外で頑張っているようだ。室内には御子神隊長と東京支部の隊員5人。東京支部は揃いの戦闘服とヘルメットか。ん!んん!?えええええー!
俺の母親がいる!おいおい何がどうしたんだ?転移時には気付かなかった。
あ、隣にいるのは父親じゃん!?あんたら何やってんだー!?
「うん?日本人が珍しいか?あれは藤堂夫婦、東京支部の優秀な隊員だわな」
いかん、平常心、平常心。動揺してる場合じゃない。ひとまず気持ちを切り替えて、まずは最上階12階の敵気配のある場所へ転移だ。ここからは基本的には加速せずに通常時間のままで戦おう。連絡を取りながら行動しなきゃだからな。戦闘速度は瞬動に頼ることにする。
12階の端から順に掃討して行く。部屋の中に将校タイプ。廊下や隣室に戦闘タイプの護衛というパターンが多い。サクサクやっつけて行く。倒しては収納し、機器は破壊する。2~3発発砲された。通常の拳銃と未知の武器。どちらの攻撃も回避した。当たっても大したことなさそうだが。ただ、銃声は響いたので建物全体がザワザワしている。
先程ナンバー1を倒した部屋。ここに大勢集まってきていた。#が5体。うち3体が戦闘タイプ。人間が15人ほど。軽い電撃で人間全員を昏倒させる。#は耐えている。戦闘タイプは動きが早いな。銃のようなものを抜いている。こいつらの戦い方を少し見てみたい。
まず2体の非戦闘#をウルティマ剣で倒す。横薙ぎに1体の首を刎ね、体を回転させて位置を変えながら、剣身を反転させて逆方向に片手で薙いでもう一体の首も刎ねる。剣の反動で体の回転を止め、正対した戦闘タイプの眉間を槍状に伸ばしたウルティマで突き通す。奴の手から銃が滑り落ちる。
背後と側方の戦闘タイプがそれぞれ発砲するのをレーダーゾーンで感知した。咄嗟に床を横転して移動しながら、1体に疑似ドリル弾をもう1体に通常の理力弾を撃ち込む。疑似のドリル弾で十分と判断した。敵の銃から発射されたビームがさっきまでの俺のいた位置を射抜く。何らかのレイガンだが熱量はさほどではない。麻痺特性だろうか?疑似ドリル弾は1体の顔面をぶち抜き絶命させるが、理力弾を撃った方はバリアで弾いている。それなりに強力な防御障壁を展開しているようだ。
生き残った方は、照準不能を悟ったのだろう、今度は追尾型の小型ロケット弾を発射した。部屋の中でこんな武器を使用できるとは芸が細かい。逃げても追尾して来るので、暗黒盾から断裂空間に吸い込む。同時に重力サンドを頭部限定でお見舞いする。グシャッという異音とともに、頭部が薄い板と化し、夥しい体液が飛び散る。有態に言うと血みどろ。。。重力サンドは結果が汚らしいので、室内向きではないと実感する。
こいつらの武器と防御機構は明らかにしなければいけない、と思いながら残骸を収納する。
12階の広めの部屋に戦闘タイプが5体いる。なにか探知の反応がおかしい。転移してみると、奴らは一回り大きめのロボットのようなモノの内部に収まっていた。
『これは戦闘スーツだ。生身よりもかなり戦闘力が高い』
戦闘スーツの動きは素早くかつスムーズだ。あっという間に俺を包囲した。
前方の1体をウルティマ原子破壊刃で縦に両断し、その隣のを真横に両断する。硬いんだろうが、まるで豆腐を斬るような感触だ。更にもう一体と思ったら、ブインと弾かれる。ゴムのような感触。エネルギー性の防御壁だな。それならと透過を発動させつつ、もうひと薙ぎ。こんどは無事豆腐風味で切断できた。その間、残りの2体からは大熱量のエネルギー攻撃とミサイルの発射準備が進んでいる。攻撃反応自体は生身の#より遅い。生身が判断して操作してから攻撃するからだろう。しかしこれを放置はできない。この建物の破壊にとどまらない被害が出そうだ。
急いで超断裂空間内質量爆発で被害を未然に防ぎつつ始末する。こいつらは消滅してしまって、回収不能になってしまった。
その他のバラバラになった戦闘スーツと、それに格納されたまま絶命している戦闘#を収納する。この部屋は武器庫のようだ。手当たり次第に格納されている武器を収納する。未使用の戦闘スーツもひとつ鹵獲できた。
残りの12階の敵はさほどの強敵ではなかった。この階を無事制圧し、1階本部へ転移して戦利品を収納から出す。戦闘スーツを見て、みんな興味深々という様子だった。
「こいつは要注意です。火力が高く、大熱量レーザーやミサイルまで発射します」
「ニコに指示しておこう。発見したら優先的に処分だ」
御子神隊長に何やら連絡が入る。
「何!?ほんとうか。。。困ったことになった。P国空軍の戦闘機が5機、攻撃ヘリが10機、こちらへ向かっている。ABC連合軍の戦闘機もスクランブル発進が掛かっている。が、ここの上空で空戦になるのは上手くない。クリエイト、なんとか出来ないか?」
「戦闘機とヘリの位置と距離は」
「この方向だ。戦闘機はあと2分でここの上空に到達する見込みだ。ヘリはその後方」
「ジョー、位置を把握できるか?」
『ああ問題ない。でかでかとP空軍のロゴマークをペイントしてあるので分かり易い』
脳内確認完了。
「対処可能と思います。3国連合軍機に攻撃は様子見と指示しておいて下さい。では行きます」
奪還作戦は、1話では完結しませんでした。




