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はぐれ勇者

エイリアン集団を精査してみる。個体数は32。うち7体が強め。と言っても基礎数値上は迷宮40階代の弱めモンスター程度。数値を見る限りでは俺の敵ではない。魔法の類が不明、不安材料があるとすればそこだな。


囚われている人間は一人だけ。

ドロシー 人 22歳 勇者 レベル16 筋力126/俊敏性/210/生命力301/気力911/気速475/気量1,514/活力21

勇者か。。。あまり強くないな。恐怖、諦め、そして希望の感情を有している。ふうむ、この希望はどうやら俺に関係しているようだ。助けを期待されてる?エイリアン達は悪者で確定だな。テロ実行犯だし、勇者と対立していて、女性勇者監禁暴行現行犯でもある。


「決まったな。善は急げだ」

一言呟いて、地下空間へ転移した。部屋は3つ、最奥の研究室風の部屋、ここにドロシーがいた。椅子に拘束されて針のついた器具が迫っている。


時間操作で1000倍に加速する。うん、普通に動ける。瞬動も効果を発揮する。まずドロシーを拘束から解放して、部屋の隅へ安置しておく。研究室には敵が5体、脳への衝撃で3体を始末、2体がレジスト。何かの道具を使って防御しているようだ。


熱操作で1体の体全体を深部まで満遍なく300℃に加熱、もう1対を絶対零度に冷却。2体の生命反応は消失。プラマイゼロくらいだから、部屋の温度は常温に戻りそうだ。1体はやや強い個体。もう1体は強さはさほどではないが服装が華美、偉い個体なのだろうか。


次の部屋。こちらは会議室風。通常8体へ脳衝撃、残り2体を加熱&冷却。強い奴1、偉い奴1。最後の部屋は詰所風。通常12体を脳衝撃。残り5体の強い奴らは加熱2&冷却3。バランス悪いのは仕方ないな、奇数だったから。


いずれにしても敵に動き無し、一切の抵抗無し。時間操作Ⅱ凄過ぎる。これはもはや戦闘というよりは、作業と言うべきか。。。


詰所は地上への通路に繋がっているので、崩落を装って通路を土と岩で塞いでおく。全ての敵死体を亜空間へ収納し、ついでに拘束具や書類や装備類、備品類も全て収納する。うん、綺麗さっぱり。引っ越し後の部屋のようになったぞ。鹵獲ろかく品多数。俺の活動の痕跡ゼロ。これは、エイリアン達が後で現場を見ても何が何だか分からなくて悩むだろうな。事故だろうか?とか。ふふふ。


さて、ここまで加速時間下で約3分。通常時間だと0.2秒くらいか。まずまずだな。彼女は、部屋の隅で、まだ椅子に腰かけた姿勢のままで固まっている。時間を通常に戻す。


「え?あれ?何?」

「終わったよ。奴らは全員始末した。備品類も全て鹵獲して収納した」

「ほんとなの?うわ、ほんとに何にもない。誰もいない」


#$%&32体を倒した

創はレベル21になった

創はレベル22になった

創はレベル23になった

創はレベル24になった

創はレベル25になった

創はレベル26になった

創はレベル27になった


とりあえず、地下空間から脱出し、上空へ転移、更に人気のない高層ビル屋上へ転移。

「もう安全だ」

「助けてくれたのね、ありがとう。あいつらはどうなったの?」

「全員殺した。死体はそのまま収納してあるけど、見る?」


死体の1つを出し掛けたけど、ドロシーが青ざめたので、頭半分出したところで引っ込めた。彼女は、栗色のショートカット、緑の瞳、肌はちょっと日に焼けている。健康的なお色気のお姉さんという感じ。

「凄い。戦闘タイプも何体か混じってたはずなのに」

「ああ、他よりちょっと強いのが7体、偉そうなのが2体いたな」


「あたしはドロシー。勇者クラブニューヨーク支部メンバーのルーキー勇者よ。あなたは?」

「俺はクリエイト。ええと、フリーかな?」

勇者クラブだと!なんだそれは?


「フリー?まだどこにも所属してないのね?でもあなたも被召喚者でしょ」

「召喚された者ってこと?まあ、、、そうかな」

「召喚者からは何も聞いてないの?」

「う、うん。俺の場合、ちょっと事故というかバグというか、いきなり飛ばされてさ」

「そんなことが!私あなたを導いてあげるわ。でもその前に私の家で少しゆっくりさせて」


俺はドロシーの指示にしたがって空を飛び、高層階のマンションの一室へ転移した。


大きな窓からの夜景が素晴らしい。俺はコーヒーカップを手に、ちょっと落ち着かない。

バスルームからはシャワーの音。止まった。ドアが開いてガウン姿のドロシーが部屋に入って来る。


「あー、酷い目にあった。危うく自白剤打たれて廃人になるところだったわ。ホントにありがとう」

「あいつらは何なの?」

「私たちは異星人#って呼んでる。侵略者よ。私たちの敵」

「で、君達って、、、勇者クラブ?」


「そう。異世界から地球を救うために召喚された勇者の組織よ」

「組織、、、そんなに沢山いるんだ」

「地球全体で今は50~60人くらいかしら。ニューヨークには1パーティ6人とあたしで7人よ」

「あ、そう言えばフランスにも、そんな連中がいたような」


ガタッ。ドロシーが俺に突進して来て手を握る。後ろに倒れそうになった。

「やっぱり!あなたがフランスの空港テロを鎮圧した謎の勇者なのね!」

ど、ドロシーさん、ガウンの胸元がはだけて、谷間が、、、。


「ドロシー落ち着け。確かに鎮圧はしたけど、俺は別に勇者じゃない、と思うぞ?」

「いいえ!異世界召喚で地球にやって来て、凄い力を行使して、正義のために行動する。絶対に勇者に間違いないわ!」

ドロシーさん、勇者フェチですか?目がキラキラしてるのはいいですけど、胸が。ちゃんと服着てからお話ししましょ。


「ごめんなさい。興奮しちゃって。私は探知タイプなの。敵の発見、分析、侵入、逃走そういうのが得意。だからあなたの凄さがちょっと分かるの。私、異星人#の目撃例が多い通りで単独で索敵していたら、捕まっちゃって、もうダメかと思ったら、あなたの超絶的なそれでいて安心できる気配を感じたのよ。私の呼びかけが聞こえて助けに来てくれたんでしょ」

「うん聞こえた。俺は、ソロで行動してて、探知も転移もできるけど、得意なのは戦闘かな?」

「あなたは凄い!空を飛べて遠距離を転移できて、異星人#数十体をひとりで殲滅できるなんて!!」

マジ褒めされた。これは、、照れる。。


「人心地ついたら仲間に紹介するから、ちょっと待ってね。コーヒーでいい?」

缶ビールを開けて、ピザをレンチンしながらドロシーが言う。

「コーラも頼む。ところで、ドロシーを地球に召喚したのって誰なんだ?」

「ガーディアンズ。地球を守護する者達よ。ニューヨークに本部があるの。そうね、勇者クラブより先にガーディアンズ本部に来てもらうのがいいわね」


また何か出て来た!守護者?

ジョーに尋ねてみる。

『不明。ただ、守護者とやらの発想はザースの転生管理局と同根だ。世界を守護するために異世界から勇者を召喚する』

ウルティマⅡは?

[ザースにも守護者を名乗る一団があったはずです。が不詳です。データ消去されています]

消去?ウルティマ作成者に関係する存在なのか?


ガーディアンズに勇者クラブ。もの凄く気になる。悪い奴らじゃなくて、良い方の組織のようだし。何よりも召喚の根幹に関わっていることは間違いない。


アルコールが入ってリラックスし、一緒に一休みしようとか訳の分からないことを言い出すドロシーを叱咤激励して、ガーディアンズ本部に案内してもらうことにした。夜中でも大丈夫とのこと。電話連絡を入れている。

「、、命の恩人、、凄い戦闘力、、殲滅、、鹵獲、、フランスの、、はぐれ勇者、、、」

何か色々言ってるな。はぐれって。。。



妙な具合になって来ました。。。

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